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小ネタ日記

TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。 感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。

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逆裁 02:時間

 静まり返った法廷に淡々と響く言葉があった。

「以上のことから検察側は被告は有罪だと断定する」

 嫌みなまでに優雅な礼をすると、彼はニヒルな笑みを浮かべた。

「今法廷はこれ以上の審理を必要としません」

 審理の槌が降り下ろされる。
 カン、と最後の審判の音が法廷に響いた。

「被告人の処分を言い渡します」




 がらりと静まり返った法廷の傍聴席で一人が呆然と立っていた。稔莉である。
 栗色の髪を肩で切りそろえ、焦げ茶の二つの光は空席の検察席をにらんでいた。

 先ほどまでの裁判の検察官は今波に乗っている御剣怜侍であった。
 実は彼、御剣は稔莉の小学生時代の同級生だった。

「……10数年、か…」

 一体何が彼をそこまで変えたのか稔莉は知らない。
 けれど十数年ぶりに再会した彼は稔莉の知っている御剣怜侍ではなかった。

 歳月は人を変える。それはまさにその通りだろう。

 稔莉も自分は変わったと思っているし、幼なじみのもう一人の青年にもよく言われる。

 …彼ぐらいだろう。変わらずお人好しで優しくて、どこか憎めなくてどんなにだめでも見捨てることができない人間は。
 けれど御剣は180度近く変わっている。 まず彼が検事としてあの席に立っていること自体が昔と言っていることが違う。


 犯罪者を心の底から憎むあの眼差し。被告をすべて有罪へと突き落とす。そのためにはどんな手段でも厭わない。

 心は疲れないのか。

 当初御剣のやり方に反発していた稔莉はいつしかそんな心配を覚えていた。



(詩的20お題)

誰も出てきませんでしたー

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逆転裁判 01 :手

 風邪で休んだ次の日、幼なじみの男の子は今まで話したこともなかったような友達を作っていた。

「りゅうちゃん?」
「あ、みのりちゃん」

 つんつん頭がトレードマークの稔莉の幼なじみ、成歩堂龍一通称というか稔莉がりゅうちゃんと呼ぶ少年は満面の笑みで振り返った。
 後ろにあまり話したことのない級友を伴って。

「おはよう!風邪はもういいの?」
「うん。りゅうちゃんももう治ったんだね」

 数日前、二人そろって風邪をひいた二人は仲良く二日前に学校を休んでいた。

「お母さんが『龍一君はもう学校行ったわよ』って昨日言ってたから私も昨日でがんばって治したの」
「う、うん」
「昨日なにかあったの?」

 恥ずかしそうに笑う彼は後ろの二人の視線を受けながら稔莉に昨日の話をした。
 風邪がまだ万全に治っていなかった彼は体育を見学していた。
 だが、昨日は給食費の徴収の日で体育の時間中に一人の男の子の給食費が盗まれてしまった。その疑いが当然のように龍一にかけられたらしい。そして彼を言及するために担任立ち会いの元に学級裁判が行われたらしい。

「何それっ! 誰も見たわけじゃないのにその時の疑わしい子がりゅうちゃんだからって疑うなんてひどいよ!!」
「しょ、しょうがなかったんだよ。僕以外に疑わしい子がいなかったんだから」
「それって、えーと…確か¨えんざい¨って言うんだよ!」
「シロートのわりによく知っているな」

 憤る稔莉を諫めていた龍一の隣に、稔莉が一度も話したことのない級友が立った。
 思わず名前が思い浮かばずに稔莉は首を傾げながら彼を見渡す。

 赤いチョッキに白いシャツと短パン。
 人を小馬鹿にしたような話し方。整った顔立ち。

「えーと……みつるじくん?」
「御剣だ。人の名前ぐらいきちんと覚えてもらおうか」

 やはり人を小馬鹿にしたような話し方という記憶は間違っていなかった。むっとした稔莉は思わず龍一をみた。

「りゅうちゃん!どうしてこんなのといるの?!」
「ム。こんなのとは失礼な!」
「うるさい!私はりゅうちゃんに言ってるの!!」

「ああもう!!けんかするなよ!」

 にらみ合い始めた二人を引き離すように龍一が二人の間に割ってはいる。

「だからね、昨日の話のつづきだけど……」
「……うん」
「ここにいるみつるぎとやはりが助けてくれたんだ」

 やはり。ヤハリ。どこかで聞き覚えがある。稔莉はまたも首を傾げた。
 その時よれよれのTシャツを着た少年がひょっこりと顔を出した。
 オレンジ色の髪が上向きに尖っている彼。
 途端に稔莉は彼の存在を思い出した。

「ヤッパリ矢張君だ!……この間えりちゃんのリコーダーのことで女子ににらまれてた…」
「お!おれってユーメージンって奴? よろしくーみのりちゃん!」

 へらへらと笑いながら伸ばされた手をはねのけるわけにもいかずに稔莉は渋々握り返した。
 一方残された二人は¨リコーダー¨の話が分からずに首を傾げていた。

「…わかったら矢張君と友達やめたくなるよ?」
「…聞きたいような、ききたくないような」
「……やめておこう」

 さりげなく矢張から目を逸らす二人にそらされた張本人は清々しい笑顔でウインクをおくる。

「何いってんだよ!好きな女の子のリコーダーはおとこのろまんだろ!」
「……へんたい」
「っ!!」

 ポツリの呟くと、稔莉は何かを振り切るように首を振ると唖然としている御剣に手を伸ばした。

「…矢張君に比べたら御剣君がとっても言い人に見える。りゅうちゃんのお友達なら私もお友達」
「なんだ、その変なりろんは」
「あ!御剣だからってみのりちゃんをぶじょくするのは許さないぞ。僕のたいせつな幼なじみなんだからね」

 今度は龍一がむっとするのを見て彼はあきれたように小馬鹿に笑うと稔莉の手を握り返した。

「いいだろう。御剣怜侍だ。きちんとおぼえたまえ」
「うわーえらそう! 筒深稔莉。よろしくねー」


(詩的20お題)

子みっちゃんがわかりませんー。
『ドシロートどもが!!』というせりふが好きです。サイコ・ロックをサイコロ錠とか言っちゃうぼけっぷりが好きです。

今更ですが、みっちゃんって転校生でしたっけ?いまいちDL6号事件と転校の順番が分からないのですが…勉強不足ですね

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彩雲国 秋風の元にまた

 会う度に藍色の眸をのぞき込み、安堵の表情を浮かべる有紀を見るのが最近の彼の小さな楽しみだった。


 ひょこひょこと黒い髪に、奇抜な色の羽が踊る。
 それを目で追うのが楽しいのか彼の眸は少し楽しそうだった。

 振り向く彼女の顔は当初の微妙な表情から一変し、少し諦めが入っていた。


「龍蓮?」
「…やはり、我が心の姉弟のものはなかなか見つからぬのだ」

 唐突な言葉に有紀は立ち止まり、しばし首を傾げて考えた。

「龍蓮はお揃いはイヤ?」
「……ポヘー」
「笛を吹いて誤魔化さないの。言葉には言葉で返事をする」
「承知した」

 首肯するも彼はじっと有紀の頭に飾られている羽を見続ける。

 そもそもその頭に飾られている羽は龍蓮と再会したときに彼が満面の笑みで有紀の髪に挿したのだった。嫌といえずに、言われるがままに挿していたがやはり似合わないらしい。

 考え込む龍蓮につられて有紀も考え始める。

「やはり有紀にはもう少し違うものが似合うのだろう。見つけ次第早急に贈ろう」
「楽しみにしてるね」
「祈願を祈ってここで一曲」

 ぽへぷーヒホーというなんとも間抜けながらも耳に残る笛の音を聞きながら有紀は苦笑を浮かべて視界に揺れる羽を指で摘む。

 色彩豊かなこの羽はいったい何の鳥から手に入れたのかいつも気になっている。龍蓮のことだ、買った。というよりも手に入れたという表現の方がしっくりくるかもしれない。


 どちらにしても、有紀にとって龍蓮は彼の兄と比べてとても付き合いやすいと思っている。
 少し先の未来それを周りの人々に言うと皆真剣な顔で「目を覚ませ!」と言ってくることを当然このときの有紀は知るはずもない。


 《全国津々浦々天心修行の旅》に出ると言って、直前の出来事もあり家出のような形で旅に出て五年ほど。一年に半年ほどは鳳珠の待つ貴陽へと帰るが残りの半年は旅をして過ごしている。

 今、彼女は悩んでいた。

 そして、それを口に出さずとも龍蓮は気づいていた。
 ヘホーと微妙な余韻を残して笛の演奏を終了すると龍蓮はまっすぐに有紀の目を見つめた。

「今回はもう君は戻らなければいけない」
「龍蓮……?」
「必ず有紀の為の羽を手に入れると私は¨約束する¨」

 龍蓮が何もかもを見透かしたような発言をするのは何も今に限ってではない。だから、疑問は感じても戸惑いはない。

「…また会える?」

 彼は、有紀の反応に口元に笑みを浮かべる。その言葉は彼にとって予想通りのことであったはずなのに、なぜか嬉しさをもたらす。
 その気持ちが何に起因するのか彼にとっては理解の範疇を越えていたが、だが嬉しい感情であるのは確かだった。


「『食欲の秋』に新たな羽を届けよう」
「じゃあ一緒に栗拾いに行こうか」
「秋を食べ尽くすのもまた一興だ」




(隠された嘘)

原作の変人さがうまく出ないのでもっと読み込んできます。
龍蓮を書くと私の力量が一発で分かります…

龍蓮の有紀ちゃんの呼び方がうまく定まりません。

心の友は三人で決定ですし。
…旅の友というのもこの二人に関してはしっくりきませんし。

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傍系主 未来予想図

 夕日が光る金色の髪が振り返ったのを見てルニアは口元に笑みをはいた。

 見慣れた夕暮れもグランコクマとバチカルでは全く違う。陽の光も、当たり方も、周りの景色も。

 こちらで過ごしてどれくらいになるのだろうか。
 まだ馴染めることができたと言えるほど馴染んではいないが、けれどもこの景色をいとおしいと思えるようになってきたのも事実だ。

 それはやはり、愛おしいと思えるようになる存在がいるからかもしれない。


「ねえ、ガイ」
「ん?」

 青い綺麗に澄んでいる青い湖面がルニアをのぞき込む。青い中に朱色の髪が浮かび上がるのがうれしくて顔がほころぶ。

「私、グランコクマが好きよ」
「バチカルの次に。だろ?」

 言うことぐらい分かるさとでも言うようにガイはいたずらに笑うが、ルニアはしかし穏やかに微笑んだ。

 その微笑みを見る度にガイははっと息をのむ。
 彼女は遠縁だろうと、キムラスカ王族に連なるものなのだと。ナタリアが国を慈しむ際に浮かべる微笑とよく似ている。


「いいえ。バチカルと同じくらいに、ね。私が言うべき立場ではないと分かっているけど」
「そんなことはないさ」

 肩を並べて、二人して夕陽を眺める。
 ガイの手がルニアの肩を抱こうと持ち上がるが、数分宙をさまよった後体の横に下ろされる。
 ルニアは笑いながらガイの手を取り、優しく握った。



 燃え上がる夕陽を背に屋敷へと向かう。
 グランコクマの白い石畳は茜色に色づき、二人の足下には黒い人影がついてくる。
 人影の二人は仲睦まじく手を繋いでいる。



「…いつ、戻るんだい?」
「うーん……明後日、かな?」
「明後日?! 聞いてないぞ?!」

 心底驚いているガイに思わず吹き出すとルニアは繋いでいない手を振った。

「言ってないもの」
「……その動作は否定するときに使うものだろ」
「細かいことは気にしない」

 はぐらかすとガイは深くため息をついた。

「陛下に最終報告、かな」
「…ナタリアにはしなくてもいいのかい?」
「うーん…置き手紙かな」
「その心は」
「バチカルを出られなくなりそう」

 易々と想像できるのかガイは黙り込み、視線を明後日へと向けた。

 不意に握っている手が強く握られ視線をルニアに戻す。

「さっきの、冗談だからね?」
「どれのことだい」
「…明後日帰るっていうやつ」

 じゃあいつだというのかと尋ねようとすると彼女は唇に人差し指を当てていたずらっぽく笑った。


(素直ないかさま)


傍系主は何気にお気に入りですがルニアの口調がうまく統一できません。ガイとのED後の関係がどうなるかは決まってますし、ED後がきちんと決まっているのはルニアとエミリアぐらいですね。
いかさまって何ですかー

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ensemble 昔話

 緑に覆われた美しい惑星(ホシ)地球。

 エルフの遙か昔の先祖はそう言ったらしい。

 青々と緑が生い茂り、生き物すべてを祝福する蒼き宝石の源。
 惑星を見れば美しい宝石だといっても誰もが頷いたという。

 だが、数年の月日を経てこの惑星は死滅しようとしていた。

 人間は知識を得たことにより、驕りを覚えた。エルフは現状から目を背け、すべてもの現況を人間だと断言し背を向けた。
 そして、彼らは何も生み出さないすべてを破壊尽くす術を覚えてしまった。



「あらかたまとめるとこんな感じかな?」
「…まあ、そんなものだろうな。貴様がまとめたにしては、な」
「ユアンがまとめるよりもずっと分かりやすかったよアトラス姉様」

 バカにしたような笑いをユアンに向けた後天使のようなほほえみを浮かべたミトスは同意を求めるように姉を見る。

「そうね。簡潔にまとめてあるわよね」
「…お前が如何に今の状態に対して怒りを覚えているかがよく伝わるな」

 呆れも混ざっているクラトスの言葉にアトラスは軽く肩をすくめた。その動作は《わざとに決まってるでしょ》とでも言いたげだ。

 そのまま静かに眸を閉じるとアトラスは見えないはずの世界中を脳裏に映した。


 かつては美しかったという惑星。今は大国同士の呆れるような大規模な戦争で衰弱していく。
 人間だけではない、罪もないハーフエルフや動物たちを巻き込んでの醜い争い。

「…早く、はやく止めなきゃ」
「……ああ、そうだね」
「………何にもおびえないでみんなで姉様特性のおいしいカレーを食べられるようになるといいね」


 優しく微笑む若き勇者の双眸は美しい希望を夢見て輝いていた。

 そして仲間もまた、美しい未来を夢見ていた。




(美しき空想)

今更ですが括弧くくりの言葉は不思議な言葉でいくつかのお題です。

いまいち文章力が戻ってきません。

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