TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
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突然のカミングアウト。
仲間が騒然となる中、当事者の一人はただただ冷静だった。
「セフィアちゃんはビックリ! しねぇの?」
「え!?」
「いや、俺様にビックリしてほしい訳じゃなくてね…」
ビックリ、といわれても今更のことを今更のように驚くこともないだろう。と心の中で呟くが、それでは目の前の相手には伝わらないだろう。
「だって……」
「だって?」
「知ってたから」
「あーそっかぁ。知ってたのかぁ。んなら驚かなくて当然……はぃ?! 知ってた?!」
セフィア以上に驚いているゼロスをきょとんと見るとセフィアは言葉を付け足していく。
「シルヴァラントに居たときからなんとなくそうなんじゃないかなって思ってたから。やっぱりそうかぐらいにしか思わなかったかなぁ」
「何でクラトスが親父さんだって思ったんだ? 見た目からして不審に思わなかったの?」
追及するようなゼロスをちらりと見て考える。確かに父親にしては見た目は若すぎるが…。
朧気だった父の姿を思い浮かべる。優しく楽しく笑っていた母の姿。
「なんとなく…かな。お父さんかなぁって。記憶の中のお父さんも若かったのは覚えてたし。お母さんは、お父さんは若作りなのよって」
実際は若作りにも程があるが。ゼロスは賢明につっこむのをこらえた。
「……怒りはなかったのか?」
「うーん…。最初に会った日の夜。偶然うちに来たとき、お母さんに手を合わせてくれたの、だから……それだけでいい」
ふわりと満足そうに笑うセフィアを見てゼロスは胸の中にある消化しきれない思いを持て余すように小さく舌打ちをした。
(不思議な言葉でいくつかのお題2)
クラトスがお父さんだよって時あたり?
[0回]
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本編ネタバレです。
だから、君が大切なのに。
両世界の精霊と契約すれば、ミトスとの契約が破棄され、楔が抜ける。
そう信じるレネゲードの言葉通りに契約を進めるロイド達に、不満は抱かなかったが一抹の不安を覚えたアトラスはここ数週間の間クルシスのメインコンピュータを操作し、ありとあらゆる計算をしていた。
ようやく答えが出た時、クラトスから「ロイド達がルナとアスカとと契約をしそうだ」との連絡を受けた。
「…あの、バカがっ!!」
寝不足とは別の意味での目眩を感じながら、アトラスはその場から姿を消した。
「ユアン、人の話を聞け」
「誰が聞くものか。貴様こそ年貢の納め時ではないか」
鍔迫り合いを繰り返しながら、クラトスはまるで話を聞かないかつての戦友に軽い苛立ちを覚えていた。
陰で進める計画を全て台無しにするかのようなこの男の行動にため息をつきたいのをこらえて、剣を握る手に力を込めてはじき飛ばす。
「聞けユアン。貴様の計画は、マーテルを解放するどころか、この世界を崩壊させかねん」
「フッ、そのような戯れ言誰が信じるか!」
吠えるように叫ぶと、タブルセイバーを構え直す。
互いに頭に血が上っていた二人だが、クラトスは不意にユアンの背後に現れた気配に安堵のため息をついた。ようやく、平行線を辿る剣戟が終わりを迎えるのだと。
昔から、平行線をたどる二人の言い合いに終着を付けてきたのはアトラスだけだ。
「信じないとマーテルが消滅するけど?」
言葉とともに気配を露わにし、背後からユアンの背中に剣先を突きつける。
「なっ、アトラス貴様!! クルシスにはつかないとっ」
「ついた覚えはないよ。ただ、使用させてもらうときはある。……っ、マナが変わった。走れクラトス!!」
ユアンに説明するまもなく、階段上から感じるマナの変化に剣を鞘に収めて走り出すアトラスについてクラトスも後に続く。
ユアンは、突然現れた戦友に説明もなく置いて行かれたことに少し憤慨しつつも、二人の慌てようから計画通りに事が進んだことを知り口元に笑みを浮かべた。
全ての楔は抜け落ちて、支えを失った大樹は暴走を始めた。
元々封印されていた精霊が目覚めて活発化していたマナにつられた大樹はシルヴァラントの大地を蹂躙した。
大樹に吸収されかけ、苦しむマーテルの姿を見たアトラスは、呆然としているユアンの肩を突き押した。
「だから昔から言ったはずだ! 貴様は考えが足りないのだから、きちんと計画を立てて行動しろと!!」
「ならば、貴様は考えあっての行動だったのか?! あのとき! 我々を」
ユアンの言葉にアトラスは顔色を変え、右手を強く握った。色が変わるほどに強く、何かを堪えるように。
そんな二人に先ほどとはまるで立場が逆だと思いながら、クラトスはアトラスの肩を叩く。
「ユアン、アトラス。今は現状打破を探るのが先だ」
「……そうだね。言い合っていても時間は戻らない」
ようやく口を挟めると思ったのか、ロイド達がユアンとクラトスに現状説明を求める。
その声を背中で聞きながらアトラスは空を仰いだ。
『あのとき! 我々を』
ユアンの言葉の先は容易に想像がついた。
「最低だな、……私は」
ぽつりとつぶやいた言葉は、ロイド達の言い合いの声にかき消された。
「君が居れば、私たちはバラバラになることなどなかったのに」
今言っても詮無いこと。無意味なこと、ただ虚しさを伴うと知りつつも、言葉にせずにはいられなかった。
**
グダグダです。
(不思議な言葉でいくつかのお題2)
[0回]
心の琴線に触れるその旋律。
風に乗って届くや柔らかなメロディーに耳にしたモノはぼんやりと脳裏に思い思いのものを想い描いた。
たとえば其れは故郷であり、昔馴染みであり、両親であり、親友であり、いつか食べた美味しいものであった。
そんなふうに何かを思い起こさせる旋律は町の外れから聞こえていた。
いつものように気まぐれに取り出した横笛を思うままに奏でるアトラス。
その音色は「あくまで趣味」と言い切るには、色がこもっていて尚且つ切ない旋律だった。
町の外れで奏でていたアトラスの前にはロイドを筆頭にコレットやジーニアス、クラトスやしいながいた。各々の好きな格好で聞いていた。
「なーアトラス」
「なんだい、ロイド」
もう吹くつもりはないのか横笛の手入れを始めたアトラスの前ににじりよったロイドはにっと歯を見せて笑った。
「笛吹いてるときって何考えて吹いてるんだ?」
ぴたりとアトラスの手が止まった。そのことに反応したのはクラトスだけで、彼は横目でアトラスを一瞥すると、また元の体勢に戻った。
「なぁなぁ、何考えながら吹いてんだ?」
「“何を考えて吹いてるか”か……。難しい質問だね」
「そ、そうか?」
きょとんとするロイドに苦笑してみせると彼はなにやら考え込み始めた。だがロイドには構わずにアトラスは膝に乗せた横笛をそっと指で撫でた。
「“何を”か……。敢えて言うなら、楽しかった思い出…かな」
「どんなことですか?」
アトラスの隣に腰掛けて聞いていたコレットが身を乗り出してきた。先ほどからうずうずしていたのでタイミングを図っていたのだろう。
「そうだね、私は……」
空を見上げるとアトラスは目を細めたまま虚空を見つめていた。
脳裏に思い浮かべる長い年月の思い出。
悲しいことも辛いことも厭なことも、憎らしいこともあったけれどそれと同じ数だけ。とまではいかなくとも楽しいこともたくさんあった。しかし、アトラスの脳裏に浮かんだのはもっと単純なことだった。
「楽しい思い出、ではないけど初めて『世界』を見たときかな」
「『世界』?」
「そう『世界』。家を飛び出したときに見た、広い荒野。遠くまで続いてる曇り空。雲の隙間から太陽が射し込んだあの瞬間」
決して美しいとは言えない景色ではあったけれど。深く胸を打つものがあった。
「あの景色を見た瞬間に思ったことを想いながら笛を吹いたりもする。かな」
「ならいつもそのことを考えてる訳じゃないんだな」
「そうだね。何も考えてないときもあるし、怒りながらのときもある」
とりあえず納得はしたらしいロイドを見て、(あまり答えにはなっていないけど)と思ったが質問した人間が納得しているからまあいいか。と思ったアトラスは笛を布に包んだ。
(不思議な言葉でいくつかのお題2)
ロイドとルークがごっちゃになる…!!
そしてクラトスたちが居る意味が分からない。
[0回]
「アトラスさんの子供の頃ってどんなかんじだったの?」
夜。
食事も終わり、各々が好きなように過ごしているこの時間。アトラスはいつものように飽きもせずに星空を眺めていると、いつの間にか隣にジーニアスとコレットが腰掛けていた。
二人とも、とても好奇心旺盛な顔をしており、アトラスはそれを見てふわりと笑うと、そのまま仰向けに寝転がった。
「どんなのだったと思う??」
「え~と・・落ち着いていてジーニアスみたいに頭がよかったとか」
「僕もそう思うな~」
アトラスは首を振った。
「残念。はずれだよ」
「え~」
「どの辺りがはずれなの??」
アトラスと同じ様にジーニアスとコレットも仰向けになって空を見上げた。
「落ち着いていてってところかな。頭がよかったとは思わないけど、賢い子であるとはよく言われていたよ」
自分ではそうは思わないけどね。そういってアトラスはクスクスと笑う。
いつもよりもよく笑うアトラスを見てジーニアスもコレットもつられて笑みがこぼれる。
話して欲しいとねだる二人に「少しだけね」と言って思い出すように瞳を閉じるとぽつりぽつりと話し始めた。
「子供の頃は・・・昔過ぎて忘れてしまいそうだけど・・・。私の子供の頃はなんにでも興味を持って、なんにでも手を出していたよ。音楽に興味を持ったら、それを教わって、剣に興味を持ったから習って・・・。
よく家を抜け出して遊びまわってはクラトスが兄といっしょに探しに来て、よく怒られたよ」
「クラトスさんが、ですか?」
「アトラスさん、お兄さんが居たんだ?!」
そのときのことを思い出しながら笑ってアトラスは頷いた。
「時にはあちこちを散策してクラトスを振り回したりもしたよ」
そのまま、口を瞑ってしまったためにアトラスから昔話を聞くことは出来なかった。
だが、今の彼女からは想像もつかない昔話に驚いた二人はクラトスを見かけるたびに、アトラスに振り回される姿を想像するものの想像できずに首を傾げては話を聞いていなかったロイドとリフィルに不思議がられるのであった。
『・・・アトラス、君の兄上が探していらっしゃったぞ』
『ホント? だったらクラトスも一緒に兄上に探してもらお?』
『・・・だが、そうするとお父上とお母上も心配なさるぞ』
『“子供時代は二度と来ない”から今のうちに遊んでおかないと損だって兄上が言ってらしたもん。親を心配させていいのは子供だけなんだよ!』
『お、おい!アトラス・・・!』
あの頃の少年はいつの間にか愛想もない大人へと姿を変え、お転婆だった少女は落ち着きのある大人へと姿を変えた。
あの時には今の自分たちは想像もつかなかっただろう。
そんなことを独り思ったアトラスは苦笑を浮かべた。
**
むかーしの日記から発掘してきました。
[0回]
それは、小さくて可愛らしいのだけれど、とても苦手だった。
「アトラスさん! 見てみて! ホラ!」
「向こうでしゃがみ込んで何をしているのかと思ったけど……花だね」
「このシルヴァラントでもまだ花は咲くんだよ!」
はしゃぐジーニアスの向こうではリフィルにロイドが、クラトスにコレットがその花を見せていた。
「アトラスさんはこの花の名前知ってる?」
じっと見ると、様々な記憶がよみがえる。
それは見覚えがあり、心当たりがあり、なおかつ苦い思いが詰まった花であった。
「知ってるよ。……わするな草だね」
決して忘れるな。お前もそれを背負っているのだということを。
脳裏に不意によみがえった声に耳を貸さずに軽く振って追い払う。
「アトラスさん……その言い方、古いよ」
「私はこの響きの方が好きなだけだから」
「ふーん……。ロイドに聞いたら『花は花だろ』って言われるしコレットはコレットで『何とかってお花だよね』」
これだからあの二人は。そんな呟きが聞こえてきそうなジーニアスの動作に思わず笑いがこみ上げる。
笑われたことに不満があるのか頬を膨らませて抗議するようにアトラスを見るジーニアスに、手を振って謝罪を示す。
それが伝わったのか彼は呆れたような表情になるとたくさん咲いているからアトラスにもあげると言って件の花を手渡した。
それに礼を言って受け取るが心中複雑であった。
(不思議な言葉でいくつかのお題)
リハビリ
[0回]