TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
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いつからだろう。
あの閉鎖的空間に立つ彼らが生き生きとして、輝いているように見えたのは。
「異議あり! 今のは明らかにムジュンしています!」
「異議あり! 喚くだけならば幼児にも出来る! 根拠となる証拠を示してもらおう!」
ここ地方裁判所の小法廷では、とある弁護士と検察官が机をよく叩くせいで安全面に問題がないか毎度検査をしなければなくなったと聞く。
「くらえ! これが君の大好きなその証拠だ……!」
「っムム……グッ!」
白目をむいて唇をぶるぶるさせる検察官である幼なじみの姿にも見慣れてしまった。
「みつるぎ検事さんもなるほどくんもいつおけいこをなさっているのですか?」
「え、お稽古?」
そろそろ休憩を挟む頃だろうとのんびり思っていた頃に隣で傍聴していた春美が不思議そうに首を傾げていた。
「うーん、春美ちゃんがそう思っても不思議ではないほど息ピッタリだもんね。あの二人」
「はい!かくれて努力をなさるなるほどくんとみつるぎ検事さん。すてきです……!」
ほんわかしたと思ったら急に両手をパチンと合わせて目をきらきらとさせる。
かわいい子だなぁと微笑ましいものを見ていた稔莉は、春美に両手を取られてようやく彼女のきらきらとしたまなざしが自分に向けられていることに気づいた。
「稔莉さまもごいっしょにお稽古なさいましょう!」
「……えーと…何のお稽古?」
「わたくしと真宵さまと稔莉さまでがんばれば、なるほどくんとみつるぎ検事さんに負けないはずです!」
腕まくりをしてメラメラと燃えている春美は早速何かを取り出して書き付けている。
結局何をするのか教えてもらえなかった稔莉だが、まあたまには自分がつきあってあげるのもいいだろうと思い、佳境にさしかかった裁判をのんびりと傍聴していた。
(詩的20お題)
春美ちゃん好きです。
[0回]
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彼が残した書き置き。
それは彼が傷つきぼろぼろになり、信じるものを失ってしまったことを語っていた。
だが、傷ついたのは彼だけではなかった。
「……ボクらの知っている御剣は、死んだんだ」
「……龍一君」
一人きりになった事務所で彼は顔をゆがめながらそっぽを向いた。
片手に握りしめられた一枚の紙切れはぐしゃぐしゃになり、原形をとどめていなかった。
「勝手なことを残して居なくなる。やっぱりアイツは、あの頃とは全く違うんだ……ッ!」
怒気に紛れて悔しげな表情が見え隠れする幼なじみの様子から稔莉は彼が感じていることを理解した。
それは成歩堂龍一が何よりも嫌うことの一つ。
『裏切り』
「怜侍君は裏切ってないよ」
「……っ、ボクにはキミのようにアイツを信じられる要素がないんだ。……それに、この書き置きがアイツが裏切ったという何よりの証拠だ」
握りしめた紙切れを睨みつけて、彼は再び呟く。
頼りなく、けれど怒りや憎しみに近いものを漂わせながら。
「ボクの知っている御剣怜侍は死んだんだ」
(詩的20お題)
2をクリア書きたくなるネタ。
[0回]
ざわめきの中、青いスーツがトレードマークの弁護人は顔をキリリと引き締めて今日も威勢良く机を叩く。両手で。
「異議あり!! 今の証言は明らかに矛盾しています!!」
裁判長が何かを思案し、ゆっくりと口を開こうとした瞬間、赤いスーツがトレードマークの検察官も勢いよく机を叩く。検事の場合は弁護人と違い品良く片手で。
「異議あり!! いったいどこが矛盾しているというのだ!」
「もちろん、キミの大好きな証拠と……に決まってるだろう!!」
「ムム……!!」
弁護人成歩堂は自信たっぷりに笑いを浮かべると、証拠資料を手で軽く叩いた。
「いいですか。よく資料を見てください。現場は午後11時から午後1時30まで停電していました。そして予備電源はない。それは先ほど御剣検事がはっきりと断言しました。そうですね?」
「…そうだ。現場はその時間帯は停電していた」
「ですが、今証人はこう証言しています。『被害者の携帯との会話でテレビの12時の予報を聞いた』とね」
不適な成歩堂の笑みは検事・御剣怜侍と共に証言台に立つ怪しげな証人にも向けられた。
冷や汗を出す証人の様子は明らかに尋常ではなかった。
とどめでも刺すかのように成歩堂は机を再度叩くと、ビシリと証人に向けて指を突きつけた。
「そんな時間に被害者の家のテレビはつかないんですよ!!」
ざわつく法廷を鎮めるように裁判長の木槌の音が響く。
「静粛に!静粛に!! どういうことですか、証人!」
「どういうことなのだ証人!!」
裁判長と鋭く細められた検事の眼孔に証人はいっそう慌て始め、視線をあちこちに漂わせ始めた。
「き、聞き間違えたんです! きっと……きっと、そ、そうだ!1時の時報と聞き間違えたんです!!」
畳みかけるかのように訂正を叫ぶ証人の証言を信用したのか裁判長が頷きそうになるが、それに待ったをかけるかのように弁護席から異議が飛ぶ。
「な、なんですか弁護人」
「1時だろうが12時だろうがその時間帯に被害者の家のテレビは時報を告げません!! 先ほども言いましたが停電は『11時から1時30まで』です」
「どうなのだ証人!! 2時の時報と12時の時報を聞き間違えたとでも言うのか!」
傍聴席で糸鋸刑事と共に膨張していた稔莉は思わず脱力していた。
「毎回毎回、あの弁護士と御剣検事殿が裁判にあたるとどうでもよさそうなことに毎回毎回つっこみをいれるッスね~」
「…師匠の千尋さんの上をいく『恐怖のツッコミ男』ですからね」
しかも最近はそれに感化されてきたのか御剣までつっこみが厳しくなっている。
全く仲のいい幼なじみというか、友人というか。
二人して「異議あり!」の練習でもしているのではないかと思うほど息ピッタリである。
「時報が聞こえなかった、それはつまり証人の今までの証言はすべてウソということになります!!」
まさか証人も真心で付け加えた時報の一言でここまで突っつかれるとは予想していなかっただろうに。稔莉はそんなことを思いながらぼんやりと証人に指を突きつける成歩堂を見た。
『異議あり!!ダメでしょう、刑事さん。証言は正確にお願いするわ』
まだまだ彼女の弟子である成歩堂は、師匠である綾里千尋の足元にも及ばない。
つっこみの鋭さも、弁護士としての威厳もまだまだだ。
けれど。
被告席に向かって、『大丈夫ですよ』と笑いかける姿はとても似ている気がした。
(詩的20題)
いったいどんな事件だ。勢いで書いたのでかなり粗が目立つ事件。テレビの時報って何時なら鳴りますっけ。
4の成歩堂に(知らないけど)「弁護士はピンチの時ほどふてぶてしく笑うんだ」とか言ってもらいたい
[0回]
今日はなぜか夕暮れ時に成歩堂と裁判所ですれ違った。互いに違う裁判を持っていたはずなのにこうも偶然というのは重なるのだろうか。
「今夜空いてないか?」
「……予定はないと思うがなぜだ?」
なぜか成歩堂は言いにくそうに頬をかくと視線を外すようにそっと目を閉じた。
「今日事務所に稔莉ちゃんが来て?%D:149%#゙ことになってるんだ。御剣もどうだ?」
「…ム。真宵君はいないのか」
「ああ真宵ちゃんももちろん。彼女はジュースだけどね」
当たり前だ。未成年なのだからという言葉を?%D:149%#ン込んで何かを隠している様子の成歩堂をじっと見る。すると彼は誤魔化すかのように焦りだした。それでは誤魔化すどころかかえって怪しいと分からないのだろうか。
「む、無理にとは言わないよっ」
「いや、行かせてもらうとしよう」
行くと言ってから、聞かなければいけない、三番目に重要なことを思い出した。
「……奴は来るのか」
「…僕は呼んでいないからな」
筒深か真宵君が呼んでいる可能性はなきにしもあらず、ということか。
事件が起こると思わず陰を探してしまう男とは年に二回ほど?%D:149%#゚ればそれでいいと思いたくなるほどに様々なやっかいごとを引き起こすトラブルメーカーは自分からはあまり呼びたくない。
互いに身支度を整えて入り口で待ち合わせる。
どうして筒深が成歩堂の事務所で待ってまで?%D:149%#烽、とするのかと尋ねると、成歩堂は言いづらそうに「僕が誘ったんだ」と告げた。
「……キミが誘ったのか」
「御剣は知らないと思うんだけど……稔莉ちゃん、この時期は放っておくと自棄酒を?%D:149%#゙から誰かが見ていなくちゃいけないんだ」
「自棄酒? 彼女が?」
似合わない。何度か強制参加の?%D:149%#ン会で顔を合わせているが彼女の?%D:149%#ン方は『お酒との正しい付き合い方』にでも載っていそうなほど、節度あるものだ。
「なぜだ?」
明確な答えが得られると思ったその問いに成歩堂は曖昧に笑い、私から視線を逸らした。
「稔莉ちゃんが言っていないのに僕から言えるはずがないだろ」
「ム……」
その時わからなかった成歩堂が言葉を濁した理由は数時間後に知ることになった。
私が知る以上に速いペースでグラスを空けていく彼女。
絡まれる私を成歩堂は苦笑いで見ていた。まるで諦めろと言わんばかりの視線で。
酔いつぶれた彼女に毛布をとってくると言い成歩堂が席を離れると、私はソファーの背もたれにもたれ掛かる彼女をみた。
小さな寝言が聞こえた気がしたのだ。
「ふふふ。私ね、親不孝ものなの。父さん…だめな娘でゴメンね」
自嘲を浮かべた瞳からは涙がこぼれていた。
(詩的20お題)
途中放棄です。またいつかリベンジします。
[0回]
静まり返った法廷に淡々と響く言葉があった。
「以上のことから検察側は被告は有罪だと断定する」
嫌みなまでに優雅な礼をすると、彼はニヒルな笑みを浮かべた。
「今法廷はこれ以上の審理を必要としません」
審理の槌が降り下ろされる。
カン、と最後の審判の音が法廷に響いた。
「被告人の処分を言い渡します」
がらりと静まり返った法廷の傍聴席で一人が呆然と立っていた。稔莉である。
栗色の髪を肩で切りそろえ、焦げ茶の二つの光は空席の検察席をにらんでいた。
先ほどまでの裁判の検察官は今波に乗っている御剣怜侍であった。
実は彼、御剣は稔莉の小学生時代の同級生だった。
「……10数年、か…」
一体何が彼をそこまで変えたのか稔莉は知らない。
けれど十数年ぶりに再会した彼は稔莉の知っている御剣怜侍ではなかった。
歳月は人を変える。それはまさにその通りだろう。
稔莉も自分は変わったと思っているし、幼なじみのもう一人の青年にもよく言われる。
…彼ぐらいだろう。変わらずお人好しで優しくて、どこか憎めなくてどんなにだめでも見捨てることができない人間は。
けれど御剣は180度近く変わっている。 まず彼が検事としてあの席に立っていること自体が昔と言っていることが違う。
犯罪者を心の底から憎むあの眼差し。被告をすべて有罪へと突き落とす。そのためにはどんな手段でも厭わない。
心は疲れないのか。
当初御剣のやり方に反発していた稔莉はいつしかそんな心配を覚えていた。
(詩的20お題)
誰も出てきませんでしたー
[0回]