今日はなぜか夕暮れ時に成歩堂と裁判所ですれ違った。互いに違う裁判を持っていたはずなのにこうも偶然というのは重なるのだろうか。
「今夜空いてないか?」
「……予定はないと思うがなぜだ?」
なぜか成歩堂は言いにくそうに頬をかくと視線を外すようにそっと目を閉じた。
「今日事務所に稔莉ちゃんが来て?%D:149%#゙ことになってるんだ。御剣もどうだ?」
「…ム。真宵君はいないのか」
「ああ真宵ちゃんももちろん。彼女はジュースだけどね」
当たり前だ。未成年なのだからという言葉を?%D:149%#ン込んで何かを隠している様子の成歩堂をじっと見る。すると彼は誤魔化すかのように焦りだした。それでは誤魔化すどころかかえって怪しいと分からないのだろうか。
「む、無理にとは言わないよっ」
「いや、行かせてもらうとしよう」
行くと言ってから、聞かなければいけない、三番目に重要なことを思い出した。
「……奴は来るのか」
「…僕は呼んでいないからな」
筒深か真宵君が呼んでいる可能性はなきにしもあらず、ということか。
事件が起こると思わず陰を探してしまう男とは年に二回ほど?%D:149%#゚ればそれでいいと思いたくなるほどに様々なやっかいごとを引き起こすトラブルメーカーは自分からはあまり呼びたくない。
互いに身支度を整えて入り口で待ち合わせる。
どうして筒深が成歩堂の事務所で待ってまで?%D:149%#烽、とするのかと尋ねると、成歩堂は言いづらそうに「僕が誘ったんだ」と告げた。
「……キミが誘ったのか」
「御剣は知らないと思うんだけど……稔莉ちゃん、この時期は放っておくと自棄酒を?%D:149%#゙から誰かが見ていなくちゃいけないんだ」
「自棄酒? 彼女が?」
似合わない。何度か強制参加の?%D:149%#ン会で顔を合わせているが彼女の?%D:149%#ン方は『お酒との正しい付き合い方』にでも載っていそうなほど、節度あるものだ。
「なぜだ?」
明確な答えが得られると思ったその問いに成歩堂は曖昧に笑い、私から視線を逸らした。
「稔莉ちゃんが言っていないのに僕から言えるはずがないだろ」
「ム……」
その時わからなかった成歩堂が言葉を濁した理由は数時間後に知ることになった。
私が知る以上に速いペースでグラスを空けていく彼女。
絡まれる私を成歩堂は苦笑いで見ていた。まるで諦めろと言わんばかりの視線で。
酔いつぶれた彼女に毛布をとってくると言い成歩堂が席を離れると、私はソファーの背もたれにもたれ掛かる彼女をみた。
小さな寝言が聞こえた気がしたのだ。
「ふふふ。私ね、親不孝ものなの。父さん…だめな娘でゴメンね」
自嘲を浮かべた瞳からは涙がこぼれていた。
(詩的20お題)
途中放棄です。またいつかリベンジします。
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