TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。
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同じ、匂いを感じ取ったのはどちらも同じ。
初めて言葉を交わしたときからずっと思っていた。
彼女は自分と同じ人間だと。
まるで己と対のような漆黒の髪に瞳。
相手に踏み込ませないように、距離を謀り。踏み込み過ぎぬようにまた謀り。
「――……私は、貴方が嫌い」
拒絶の色を浮かべながらも美しく笑うその姿に嫌悪に近い、――…高揚感のようなものを思った。
「そう、ですか?……僕は好きですよ」
心にもない事を告げ、笑みを張り付けるとその顔は嫌悪を浮かべた。
「――…特に、そういうところが」
「ふふ、光栄です」
笑い続けると彼女は踵を返し、神子達とは反対の方向に進んだ。
「同族嫌悪って奴かい?」
「盗み聞きとは趣味が悪いですね」
血が繋がっているのを身に染みて思い知らせるような笑みを彼は浮かべた。こういうところはかわいくない。
「同族嫌悪というなら彼女のことも好きになれないのではありませんか?」
嫌がりそうな事を敢えて尋ねると思った通り、心底嫌そうな顔をした。
「女の子であれぐらいなら可愛らしいからな。おっさんのアンタと違って」
言いたいことだけ言って立ち去る甥の姿にため息が出る。
少し話すとわかった。笑顔に慣れている人間だと。
本音と建前の建前しか表に出さない、笑顔で固められた人間。
けど、その中は誰にも見せられないくらいに笑顔に反比例する程の暗さ。闇の大きさ。
「華織?」
心配するように覗き込む望美。
この子が居てくれなければ、自分もあんな風になっていたのかと思うと薄ら寒い物が背中に流れる。
「ん、なんでもないよ」
「九郎さんが呼んでるよ、早く行こう?」
頷いて追い掛ける薄紅色の背中。
彼には彼女のような存在は居なかったのだろうか。
それとも……。
「おい、行くぞ。望美、華織。皆お前達を待っているんだぞ」
「ごめんなさい九郎さん」
「今行きます!」
考えるのはまたいつかにしよう。
[0回]
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何気なく100のお題
051 平行線(神子・ゼロス)
「だーかーらー! 剣なんか持って歩いたら銃刀法違反だって!」
「何言ってんの。身を守る物がないと困るでしょうに」
真剣なゼロスに明良は失笑した。
「この国はそんなに物騒じゃありません」
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052 密着(教団主・アッシュ)
「くそっ!もっとそっちに行け!」
「無理言わないで頂戴!そっちが行きなさいよ」
二人して互いから離れられぬ状態。そんな状況を作り出したのは他でもない、天才を自称する男。
「ディストめ…次会ったらただじゃおかねぇ…っ!」
憤るアッシュは拳を強く握る。ちなみにアディシェスは彼に報復済みである。
二人はディストによって作られた手錠で互いに縛られていた。
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053 駆け引き(教団主・ジェイド)
「貴女は、何を知っていらっしゃるんですか?」
見透かす物を通さぬ様に笑むジェイドにアディシェスも微笑んだ。――冷たく。
「貴方に教えることは何一つ」
「……私は知っています」
「何を、でしょうか?」
「貴女は、被験者イオンと関係が近かった」
彼には珍しく慎重な言葉。だが、聞いたアディシェスは愉快そうに微笑んだ。
「それがどうかしましたか?」
自分以外の元守護役などいくらでもいると言外に告げている。
「……失礼しました」
立ち去る背中に嘲笑をひとつ。
「切り札が少ないですよ、バルフォア博士」
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054 理解不能(教団主・アッシュ)
「あ、ありがとうございました」
そういわれるとその女はとろけるような笑みを浮かべてこう言うのだろう。
『あなたのような方のお手伝いができたのなら私も光栄です』
「貴女のような素敵な方の手助けに慣れたのなら本望ですよ」
『また…来ていただけますか…?』
「いつかまた、この聖地で貴女と見(まみ)えたこの日の様にお会いできますでしょうか…?」
女性信者が立ち去るのを見るとアディシェスは離れた位置から見ていたアッシュの傍へとやって来た。
予想と違わぬ似たような台詞を紡いだ彼女にもはや言葉もない。
「…あっさん?どうかした?」
アッシュの心情など知らないアディシェスにアッシュは深く息を吐いた。
「…なんでもない」
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055 夕立(傍系主・ガイ)
俄に暗くなった空は危惧していたとおりに激しい雨を降らせ始めた。
人々はちりぢりになりながらも雨を凌ぐ軒を探す。
買い出しに出たこの二人も例に漏れず大木の下へと滑り込んだ。
いつもは重力に荒がっている砂色の金糸はちからを失い、垂れ下がっている。
「ガイ」
「ああ、荷物は無事さ。それよりルーニャ」
「なに?」
隣を向くと彼女の焔のような髪も水を滴らせていながらどこから取り出したのかタオルで拭いていた。また取り出したタオルをガイへと差し出す。
「……」
無言で情けない顔で見つめられると彼女はため息を吐いて、苦笑した。
「わかったわよ。もう少し離れてあげる」
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アイコンタクトのガイ様と傍系主。
後半になればなるほど意味不明に…!
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何気なく100のお題
046 変装(アゲハ蝶・ピオニー)
朝。玄関の扉を開けたら知らない人が立っていました。
「………」
「おはよう」
「………」
聞き覚えがある声なのだがエミリアの目の前に立つのは帽子を目深に被り、色付きの眼鏡に着崩した服装。
帽子の合間から見える金色の髪。寝ぼけた耳に入る愛しい低音。
けれど寝起きにその恰好はあまり見たくなかった。
そしてエミリアは無言で扉を閉めた。
「なっ、閉めるな! 開けろ!」
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047 ないものねだり(旅主・ユアン)
「ここに居たのか」
後ろからかけられた声にアトラスは振り返らない。
カツカツ、硬い床を歩く音が響く。それにも構わずにアトラスは"それ"を見上げ続ける。
「ミトスが探していた」
「……知ってる」
そっけなく答えるアトラスにユアンは小さく息を吐く。
「私は、言うまでもなく『反対』だ」
「考えてもか」
「……考えても反対だ。私は彼女との約束を違えたくない」
『ならば、私は貴女の理想を遂げるために助力しよう』
それは彼女に誓った約束。
『…ミトスを、独りにしないであげて欲しいの』
脳裏に蘇る彼女との約束。
「……どれもを守るためにはどうするべきか、私なりに考えた結果だ」
貴女が、…君が生きていてくれていたら
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048 非常識人間(軍人主・ジェイドについて)
「ねえねえ、中佐」
「なんですかアニス」
手招きされたラシュディはアニスの招きに応じて屈む。
「……ちょっと聞きたいんですけどぉ~」
「なんでしょうか?」
アニスは辺りを見渡し、真剣な顔でラシュディに耳打ちした。
「大佐って、寝食取るんですか…?」
「……アニス。大佐も死霊使いと言われておられますが、一応。人間ですよ」
その時。聞きたくない声が聞こえた。
「おやおや、二人とも酷いですねぇ~」
二人は顔を見合わせて、振り向かずに走った。
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049 共有物(傍系主・ガイ)
「おめでとうガイ」
「ありがとう、ルニア」
手を出しても決して振り払われなくなった。
ガイが一歩前進した。
「今までたくさんあったね」
「そうだなぁ…」
心の中で長年の思いに決着をつけ、恐怖症も一歩克服。
これからまた一歩ずつ進む。
「……なぁ」
「ん?」
「…一緒に来てくれって言ったら……いや、困るよな。忘れてくれ」
慌てて苦笑いを浮かべるガイにルニアは柔らかく笑った。
「なんで?」
「なんでって…君にはナタリアの護衛という仕事が…だから、…あーっなんでもない」
「いいよ」
「……え」
「いいよ。これから一緒に想い出、作ろう?」
共に、想い出を。
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050 近況報告(軍人主・元元帥)
「元帥」
「おおー!ラシュディではないか!よう来たの」
「……ちょっとそこまで来たので」
久しぶりに顔を覗かすと、ラシュディの元上司は顔を綻ばせて迎え入れた。長い白髭は前より伸びている。
「また黙って散歩じゃな?」
「…元帥には隠し事ができませんね」
言葉とは違いラシュディは嬉しそうに笑っていた。
「お前さんも相変わらずじゃのう。ちと茶でも飲んでかんかい」
「――はいっ!私がいれさせていただきますね」
そう言うと父代わりだった元上司は優しく笑った。
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ようやく半分まで来ました!残り半分!
あまり短くなれない話が……
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何気なく100のお題
041 水しぶき(旅主・幼なじみ)
さらさらと流れる水の流れ。
水面を照らす陽の光によってきらきらと輝く。水面には周りの緑が映る。
「きもちーっ!」
「つめたいねー」
「姉さんもおいでよ!」
裾をまくり、澄んでいる水流に足を入れはしゃぐ三人を少し離れた位置で見守る。
ふざけあった結果生み出された水滴が宙を舞う。
「しいなは混ざらないの?」
アトラスが尋ねると、羨ましそうにしていた彼女は頬を染めながらも勢い良く頭を振った。
「と、とんでもない! あ、アタシはあんな子供っぽいこと…」
「コリンも行くー!」
突然現れたコリンはロイド達の元へと走っていく。
満面の笑みで迎えられたコリンも川へと入り楽しそうに遊び始める。
ちらりとしいなを見ると、うずうずとしていた。
けれど先ほど言った手前行動に移し難いようだ。
アトラスはそっとコリンと目を合わせて笑った。
「しいなー」
コリンは川から飛び出すとしいなまで走った。甘えた声にしいなもいつもの調子で答える。
「えいっ」
その掛け声と共にコリンはしっぽの水を勢い良く飛ばした。
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042 顔見知り(旅主・ゼロス)
「お~や~何処の美女かと思ったら……天使様じゃないの」
「…何か用かな?」
背後からかけられた声に面倒臭そうにアトラスは振り返った。
「こ~んな人しかないとこに何の用なのかなぁ~?」
「ちょっと野暮用でね」
まさか、もう一人の相棒を待っているとは言えずアトラスはため息をついた。
ゼロスがいるということは他の面子もいるということ…。
(厄介なとこで会ったな…)
アトラスは顔を覆いながら小さくため息を吐いた。
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043 ひなたぼっこ(傍系主・イオン)
こんな気持ちの良い天気で自由行動の日にはこれをしなきゃ始まらない。
「あ、イオン」
「ルーニャ?」
見知った姿は逆さまに映る。ルニアの恰好を見てイオンは小さく笑う。
「隣、いいですか?」
「どうぞ。イオンも横になると気持ちいいですよ」
イオンはくすりと笑うとルニアの隣に腰を降ろした。
座るのみのイオンを寝転びながらルニアは一瞥し、空へと視線を馳せた。
柔らかな風が二人の髪を揺らす。
「気持ちいいですね」
目を細めたイオンにルニアも同じく目を細め、そっと瞼を降ろした。
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044 職人気質(傍系主・ガイ)
「すごいだろ!」
「えぇ、すごいすごい」
雑誌を覗き込みながらすごいを連発するガイに呆れ果てる。細かく性能を語られても困るのだ。全然解らないのだから。
「でな、これは10年前に製造停止になったんだけど3年前からまた再開したんだ!」
話が全く解らない。
楽しそうなガイには申し訳ないがその手の物には興味がないルニアには苦痛とまではいかないがつまらない。
ガイの話を右から左へと聞き流しながらあちこちを見ていると、最近メンバーの一員となった人影を発見した。
「あ、ノエル」
「ルニアさん、ガイさん。何をしてらっしゃるんですか?」
ノエルに気付かずに雑誌を見続けるガイを指差してルニアが苦笑すると、意図を理解したノエルはルニアの隣に腰掛けた。
暫くすると、ガイとノエルとで音機関に関する論争が起こることは言うまでもない。
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045 所帯持ち(傍系主・ガイ)
「なんかガイって…」
ガイの話に相槌を打っていたルニアは手持ち無沙汰にカップの中に入っていたストローを回した。
氷がからん、と音を立てて動く。
首を傾げながらもルニアに続きを促したガイは間もなくルニアによって大ダメージを受けた。
「なあ、姉上」
「なーに、ルーク」
落ち込んだガイを見兼ねて人を労ることを覚えたルークは姉貴分の又従姉妹を訪ねた。
「ガイが物凄く落ちこんでんだけど、なんか知らない?」
「えーと……」
目を泳がすルニアにじっと詰め寄ると、又従弟には弱いルニアはため息をつき、苦笑した。
「ガイがね」
「うん」
「…ルークの成長ぶりをすごく嬉しそうに話すから」
突然自分の話を切り出されたルークは恥ずかしそうにしながらも話に耳を傾ける。
「『ガイはルークのお父さんみたいね。この年で17歳の子持ち?』って」
「……そんだけ?」
瞬くルークにルニアは小さく顎を引く。すっと立ち上がり、笑った。
「謝ってくるわ」
「う、うん…」
小さな嫉妬と悪戯がそこまで落ち込ませるとは予想もしなかった。
どう切り出そうか考えながらルニアは小さく笑った。
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しょくにんかたぎって何ですか…?!
今決めたのですが傍系主とガイの関係は傍系主→←ガイという感じでいきます。
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「国が欲しいか」
そう問いかけた六太に、尚隆は天を仰ぎながらも、迷いなど何も感じさせぬ声で返す。
「――欲しい」
「やせ細った、何もない国でもか」
人々にも妖魔にも食べるものなど何もない。
ただそこに国があるだけ。そんな雁の国土が六太の脳裏に浮かぶ。
己が無駄に過ごしたこの幾年の間に国土の荒廃はさらに進んでいるだろう。
残った民は三十万。
尚隆は命が削られていくのを感じさせぬ笑みを浮かべ、体を起こした。
「国の大小など関係ない。俺は国を継ぐべく育てられ、親父から国を継いだ。だが、もうその国もない。・・・国のない殿などお笑い種ではないか。それだけだ」
「・・・国土が荒廃すれば人心は惑い、お前の言うことなど聞かなくなる」
「そんなものは俺の甲斐性だろう」
ただ笑う尚隆を六太は感情を抑えた瞳でじっと見た。
「・・・・・・国と民と、城をやろうか」
「お前がか?」
「お前がやる気があるのなら。・・・お前がそれを望むなら、お前は今ある全てに別れを告げなければならない」
じっと見る六太の言葉に尚隆は失笑した。
「俺に別れを告げなければならないものがあるのなら教えてもらいたいものだ」
「二度と瀬戸内の海にも戻れない」
「・・・・・・ほう」
「それでもよければお前に一国をやる。――・・・玉座がほしいか」
舟に打ち寄せる波の音を聞きながら、尚隆は静かに言った。
「――ほしい」
六太は頷き、狭い舟の中を尚隆の傍まで歩み寄る。足元に膝をつき、深く頭を垂れた。
「天命を持って主上にお迎えする。これより後、詔命に背かず、御前を離れず、忠誠を誓うと制約申し上げる」
「・・・六太?」
六太は手をついたまま顔を上げ、尚隆を見上げた。その顔は彼には珍しく困惑していた。
「許すと。国が欲しいと言え。俺を臣下に迎えると。・・・お前が期待を背負っているというのなら、俺が国を背負っている」
尚隆は困惑の表情を一転、静かに六太を見た。その視線はそのまま瀬戸内の海へと向かう。
見えるのは絶え間なく揺れる波だけ。そこに何を見ようとしたのか、六太は知らない。
「―・・・臣に迎える。ただし、必ず一国だぞ。城だけでも土地だけでも許さぬ」
六太は首をたれ、尚隆の足へと額づいた。
王宮と、荒廃しつくした土地、僅か三十万の民を思い。
このときより、尚隆は延州国の王となり、六太は臣となり半身を得た。
その時を同じく。十二国北東。雁州国光州にて、一人の少女が走っていた。
黄旗が上がり数年。今でも延麒の選定を受ける為に蓬山に昇山する者はいるのだろうか。そう心で呟く。
この荒廃した大地でそんなことを出来る人間は極少数。
幼い心で、香寧は嘲笑する。
この国で昇山できる人間が王に選ばれる訳がない。
生き残って、昇山できる余力のある者は天に選ばれるほど、素晴らしい人間など居るはずがない。
自分はまだその頃に生まれていないが、王に選ばれるような素晴らしい人間など前王の時代に殺戮されたらしい。
香寧が生まれたのは王が居なく、大地がこれ異常ないほど荒れ果てているときだった。
前の延麒が王を見つけることができずに斃れ、ようやく新たな延麒が孵り選定を間近に控えているときだった。
僅かな希望が見えるとはいえ、香寧たち力を持たぬ子供にとっては麒麟が選定に入ろうが、王が選ばれようが日々が死と隣り合わせ。
食べるものもない。口減らしのために力のない子供が殺される。
何度、大人に殺されそうななったろうか。
その度に、命からがら抜け出し、子供同士身を寄せ合い眠った。
今も、生きる為に食べ物を命がけで手に入れ、大人に追われている。
何故、ここまでして生き延びなければならないのだろうか。
日々そんな問いを自分に投げかけるが、答えがない。
「香寧、きょうの分は?」
「・・・なんとか人数分」
「さっすが香寧!おーいみんなー!」
子供達の中で一番身軽な香寧ともう一人の少年が主に食料を集めてくる係。
自分がいなくなれば、仲間達も生き残ることができない。
そのために香寧は、そのような問いを持ちながらも毎日を細々と生きていた。
「・・・そういえば、りゅうきがあがったらしいよ?」
「龍旗?」
身を寄せ合って食べ物を食べていると、もう一人の食料係の少年が言った。
「香寧、りゅうきってなに?」
「・・・龍旗は、新王が選ばれたときにあがる旗」
大人たちの合間を縫って食料を手に入れる香寧は、この年頃にしては聡明であった。そのため、子供達はもっぱら難しい話は香寧に尋ねる。
「王様? 王様が選ばれたの?」
「・・・のはずだけど。・・・しばらくしたら即位式で王旗もあがるんじゃない」
王が選ばれても、自分たちの生活は変わりはしない。
何故か漠然とそう思った。
子供達は王が立ったことにはしゃいでいるが、とりあえず確実なことは妖魔が王都周辺ではでなくなる。
国が富むのは大変なことだといわれている。王が短命ならば、すぐに幸せは終わる。
(・・・とりあえず、3年もってくれなさそう皆で南に行こう。奏南国は百年近く続いているっていうし)
未来に夢を馳せる周囲とは関係なしに、香寧はそう考えていた。
(海沿いに行けば奏南国。南は冬も暖かいと聞く)
周りとは違った未来を馳せる香寧の予想を裏切り、雁州国はそれから後
20年は平和な治世が続いた。
その間に子供達の集まりは自然とわかれていき、香寧は剣を覚え冬器を手に傭兵家業などを営み、生活を紡いでいった。
大化元年
延王尚隆即位。香寧は光州で子供達を身を寄せ合っていた。
大化二十一年
元州に乱が起こる。
そこで、香寧は自分の生き方を180度変える者と出会う。
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十二国記書きたい病です。読みたい病でもあります。
すごく小野主上の書き方がすきなのですが、私には無理です・・・。
書くならできるだけ原作の雰囲気に忠実に行きたいのですが・・・。
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