何気なく100のお題
041 水しぶき(旅主・幼なじみ)
さらさらと流れる水の流れ。
水面を照らす陽の光によってきらきらと輝く。水面には周りの緑が映る。
「きもちーっ!」
「つめたいねー」
「姉さんもおいでよ!」
裾をまくり、澄んでいる水流に足を入れはしゃぐ三人を少し離れた位置で見守る。
ふざけあった結果生み出された水滴が宙を舞う。
「しいなは混ざらないの?」
アトラスが尋ねると、羨ましそうにしていた彼女は頬を染めながらも勢い良く頭を振った。
「と、とんでもない! あ、アタシはあんな子供っぽいこと…」
「コリンも行くー!」
突然現れたコリンはロイド達の元へと走っていく。
満面の笑みで迎えられたコリンも川へと入り楽しそうに遊び始める。
ちらりとしいなを見ると、うずうずとしていた。
けれど先ほど言った手前行動に移し難いようだ。
アトラスはそっとコリンと目を合わせて笑った。
「しいなー」
コリンは川から飛び出すとしいなまで走った。甘えた声にしいなもいつもの調子で答える。
「えいっ」
その掛け声と共にコリンはしっぽの水を勢い良く飛ばした。
**
042 顔見知り(旅主・ゼロス)
「お~や~何処の美女かと思ったら……天使様じゃないの」
「…何か用かな?」
背後からかけられた声に面倒臭そうにアトラスは振り返った。
「こ~んな人しかないとこに何の用なのかなぁ~?」
「ちょっと野暮用でね」
まさか、もう一人の相棒を待っているとは言えずアトラスはため息をついた。
ゼロスがいるということは他の面子もいるということ…。
(厄介なとこで会ったな…)
アトラスは顔を覆いながら小さくため息を吐いた。
**
043 ひなたぼっこ(傍系主・イオン)
こんな気持ちの良い天気で自由行動の日にはこれをしなきゃ始まらない。
「あ、イオン」
「ルーニャ?」
見知った姿は逆さまに映る。ルニアの恰好を見てイオンは小さく笑う。
「隣、いいですか?」
「どうぞ。イオンも横になると気持ちいいですよ」
イオンはくすりと笑うとルニアの隣に腰を降ろした。
座るのみのイオンを寝転びながらルニアは一瞥し、空へと視線を馳せた。
柔らかな風が二人の髪を揺らす。
「気持ちいいですね」
目を細めたイオンにルニアも同じく目を細め、そっと瞼を降ろした。
**
044 職人気質(傍系主・ガイ)
「すごいだろ!」
「えぇ、すごいすごい」
雑誌を覗き込みながらすごいを連発するガイに呆れ果てる。細かく性能を語られても困るのだ。全然解らないのだから。
「でな、これは10年前に製造停止になったんだけど3年前からまた再開したんだ!」
話が全く解らない。
楽しそうなガイには申し訳ないがその手の物には興味がないルニアには苦痛とまではいかないがつまらない。
ガイの話を右から左へと聞き流しながらあちこちを見ていると、最近メンバーの一員となった人影を発見した。
「あ、ノエル」
「ルニアさん、ガイさん。何をしてらっしゃるんですか?」
ノエルに気付かずに雑誌を見続けるガイを指差してルニアが苦笑すると、意図を理解したノエルはルニアの隣に腰掛けた。
暫くすると、ガイとノエルとで音機関に関する論争が起こることは言うまでもない。
**
045 所帯持ち(傍系主・ガイ)
「なんかガイって…」
ガイの話に相槌を打っていたルニアは手持ち無沙汰にカップの中に入っていたストローを回した。
氷がからん、と音を立てて動く。
首を傾げながらもルニアに続きを促したガイは間もなくルニアによって大ダメージを受けた。
「なあ、姉上」
「なーに、ルーク」
落ち込んだガイを見兼ねて人を労ることを覚えたルークは姉貴分の又従姉妹を訪ねた。
「ガイが物凄く落ちこんでんだけど、なんか知らない?」
「えーと……」
目を泳がすルニアにじっと詰め寄ると、又従弟には弱いルニアはため息をつき、苦笑した。
「ガイがね」
「うん」
「…ルークの成長ぶりをすごく嬉しそうに話すから」
突然自分の話を切り出されたルークは恥ずかしそうにしながらも話に耳を傾ける。
「『ガイはルークのお父さんみたいね。この年で17歳の子持ち?』って」
「……そんだけ?」
瞬くルークにルニアは小さく顎を引く。すっと立ち上がり、笑った。
「謝ってくるわ」
「う、うん…」
小さな嫉妬と悪戯がそこまで落ち込ませるとは予想もしなかった。
どう切り出そうか考えながらルニアは小さく笑った。
**
しょくにんかたぎって何ですか…?!
今決めたのですが傍系主とガイの関係は傍系主→←ガイという感じでいきます。
[0回]
PR