何気なく100のお題
051 平行線(神子・ゼロス)
「だーかーらー! 剣なんか持って歩いたら銃刀法違反だって!」
「何言ってんの。身を守る物がないと困るでしょうに」
真剣なゼロスに明良は失笑した。
「この国はそんなに物騒じゃありません」
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052 密着(教団主・アッシュ)
「くそっ!もっとそっちに行け!」
「無理言わないで頂戴!そっちが行きなさいよ」
二人して互いから離れられぬ状態。そんな状況を作り出したのは他でもない、天才を自称する男。
「ディストめ…次会ったらただじゃおかねぇ…っ!」
憤るアッシュは拳を強く握る。ちなみにアディシェスは彼に報復済みである。
二人はディストによって作られた手錠で互いに縛られていた。
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053 駆け引き(教団主・ジェイド)
「貴女は、何を知っていらっしゃるんですか?」
見透かす物を通さぬ様に笑むジェイドにアディシェスも微笑んだ。――冷たく。
「貴方に教えることは何一つ」
「……私は知っています」
「何を、でしょうか?」
「貴女は、被験者イオンと関係が近かった」
彼には珍しく慎重な言葉。だが、聞いたアディシェスは愉快そうに微笑んだ。
「それがどうかしましたか?」
自分以外の元守護役などいくらでもいると言外に告げている。
「……失礼しました」
立ち去る背中に嘲笑をひとつ。
「切り札が少ないですよ、バルフォア博士」
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054 理解不能(教団主・アッシュ)
「あ、ありがとうございました」
そういわれるとその女はとろけるような笑みを浮かべてこう言うのだろう。
『あなたのような方のお手伝いができたのなら私も光栄です』
「貴女のような素敵な方の手助けに慣れたのなら本望ですよ」
『また…来ていただけますか…?』
「いつかまた、この聖地で貴女と見(まみ)えたこの日の様にお会いできますでしょうか…?」
女性信者が立ち去るのを見るとアディシェスは離れた位置から見ていたアッシュの傍へとやって来た。
予想と違わぬ似たような台詞を紡いだ彼女にもはや言葉もない。
「…あっさん?どうかした?」
アッシュの心情など知らないアディシェスにアッシュは深く息を吐いた。
「…なんでもない」
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055 夕立(傍系主・ガイ)
俄に暗くなった空は危惧していたとおりに激しい雨を降らせ始めた。
人々はちりぢりになりながらも雨を凌ぐ軒を探す。
買い出しに出たこの二人も例に漏れず大木の下へと滑り込んだ。
いつもは重力に荒がっている砂色の金糸はちからを失い、垂れ下がっている。
「ガイ」
「ああ、荷物は無事さ。それよりルーニャ」
「なに?」
隣を向くと彼女の焔のような髪も水を滴らせていながらどこから取り出したのかタオルで拭いていた。また取り出したタオルをガイへと差し出す。
「……」
無言で情けない顔で見つめられると彼女はため息を吐いて、苦笑した。
「わかったわよ。もう少し離れてあげる」
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アイコンタクトのガイ様と傍系主。
後半になればなるほど意味不明に…!
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