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小ネタ日記

TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。 感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。

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旅主 連載ネタバレ

本館連載中の『ensemble』の本編連載のネタバレがバリバリです。
今更、ネタなんか知れてんだよ。なんていう方はどうぞ。

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つづきを読む

十二国記 これが雁州国の常

やはり似たもの同士の主従関係



「香寧! 行こうぜ!」

何処か切羽詰ったような声に呼ばれた本人は気だるげに振り向いた。
その視線の先には頭に布を巻いた、この国で二番目に尊き獣。
しかしてその実態は仁の獣で、民の具現。

十二国に一頭ずつ在する麒麟。この雁州国の麒麟である延麒は雁州国王延と同じく政よりも市井に降りるのを好む。

今日も今日とて山積みになった書類に嫌気がさして、優秀官吏達の目を盗んで逃げてきたのだろう。ちゃっかり市井に下りる準備をしてから。

麒麟は神獣。だが、普段は人型をとっている。これを転化という。
転化をすればその性を抜けばただ人と同じに見える。
だが、麒麟の鬣である金色(こんじき)の髪は麒麟にしかない。
民は麒麟を見たことがなくともその鬣の色で知ることができる。

なので、民に混ざるために髪を隠す。

武官にあるまじき軽装の香寧を捕まえると延麒六太は一目散に厩に向かう。
目的は六太の主人である延王の騎獣。スウ虞のたまである。

禁門で鞍をたまに取り付けるのを手伝いながら、香寧は遙か後方の気配を探った。
今この現場を取り押さえられると自分もあの『無謀』殿に六太とともにこってりと絞られる。

『――台輔』

六太の影から声がした。それはその一言名を呼ぶだけで二人に事態を知らせる。

「急げ、香寧!」
「分かってますよ」

このまま掴まれば大司寇に禁軍に左遷されてしまう。
そんなのは堪ったものではない。
さっさとたまに騎獣すると、香寧は六太へと手を伸ばした。

もうそこまで足音は近づいている。事を察知したもん人がどうしようか考えあぐねている。

「台輔、お早く」
「だーかーらー、六太だっつーの」

そう悪態付きながら六太は香寧の手を握った。
麒麟である六太は非常に軽く、香寧は自分の後ろに六太を乗せると、たまを飛ばせた。

「台輔!!」

たまが飛翔し、もん人が慌てて呼び戻そうと身振り手振りをする。
扉の向こうからは殺気立った大司徒の怒声が聞こえる。気配を感じ取ると、大司寇もいるようだ。

思わずぶるりと身震いした香寧は、小声で六太に提案する。


「・・・主上を手土産にすれば、左遷は免れるでしょうかね?」
「さあね? ・・・なあ、禁軍の将軍になるなら栄転って言うんじゃないのか?」

ごまかしておきながら六太も同じく自分の主を捕まえる方法を頭にめぐらす。

「忙しくなるので私にとっては左遷です」
「・・・んなら尚隆捕まえてたまに送ってもらうか」
「それは妙案です」

恐らく彼も自分たちと同じ目的地、関弓に居るだろう。
麒麟にとって王を見つけるのは朝飯前だ。

何処かで縄を準備しなければならないな。と二人で話し合いながら関弓を目指す。

頬に受ける風がとても心地よかった。



**

というわけで延州国の常。
香寧は六太と図ってよく出かけるようです。逆もまた然り。

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SSを目指してみる(036 ~040)

何気なく100のお題

036 悪知恵(傍系主・ガイ?)



「ふふふ」

マズイ。直感でそう思ったのは長年の付き合いで育まれた第六感。彼女がこんな風に楽しそうに笑うときは良くないことが起こる。

「おや、ルーニャは何かたのしそうですねぇ?」
「あ、大佐。ふふふ、分かります?」

嫌な事にジェイドが便乗しそうだ。

「ふむふむ。中々面白いことを考えますね」
「あら。大佐に褒めてもらえるなんて、光栄だわ」
「おやおや。では、私もイーイことを教えてあげましょう♪ そこで突っ立っているガイで試しては如何ですか?」

何か妙な入れ知恵をされたルニアは満面の笑みで迫り来る。
不謹慎だが、嬉しいような悲しいような……。

「ガーイっ♪」

三十六計逃げるにしかずっ!!




**

037 勘繰る(旅主・リフィル)



「…ところで、常々思ってたのだけれど」
「どうかした?」

後方支援する為にリフィルの付近で詠唱を済ませ、技を発動させたアトラスはリフィルを振り返った。
手出し無用の如く戦況は落ち着いた。

「あなた、人間よね?」

射ぬくような鋭い眼光がリフィルを尽きぬけた。聞いてはいけないことだったか。内心焦るもアトラスはすぐに穏やかな微笑を浮かべた。

「……遠い先祖に君達と同じ者を持っているんだ」
「先祖還りなのかしら?」

多分ね。そう頷いたアトラスは剣で以て敵を切り伏せた。




**

038 宣戦布告(傍系主・ガイ)



スッ、と洗練された動きでその白い手を掬い上げる。
膝を着き、頭を垂れる。そしてその手の甲に小さく口付けを施す。その様子はまるで騎士が忠誠を誓うようで……。
その行われるものをじっと無感動の瞳で見下ろす。
爽やかな空色の瞳と、海と森の瞳が交差した。

「貴女を掠う、お許しを」

紅を塗った唇が誘惑するように弧を描く。

「……許す」

さらりと焔の色を宿した髪が肩から流れた。




**

039 じれったい(アゲハ蝶・ジェイド)



「あのさ」

突然話をすり替えられたエミリアはキョトンと首を傾げた。

「え、なに?」
「……いや、やっぱりなんでもない」
「なーにジェイド。気になるでしょ?」

ため息を吐いたジェイドは不意に机の上にあった本を掴むと自分の背後に放り投げた。勢いよく。

何事かとエミリアが尋ねる前に鈍い音と悲鳴が聞こえた。

「なにすんだジェイド!」
「お、重いよピオニーっ!」

物影から出て来たのはピオニーとサフィール。呆れたようにその二人の目の前に立つとジェイドは笑った。
その笑顔に二人の顔は引きつる。

「立ち聞きとはいい度胸してるじゃないか、二人とも」
「面白そうなのに覗くなという方が悪いな」
「ピ、ピオニー!だからやめとこうよって言ったじゃん!」
「なっ?! 裏切るのかサフィール!」

言い合いを始めた二人の前にエミリアもふらりと立つ。

「……最悪よ」

「わ、悪かったエミリア!」
「ごめん!」


「二度と口ききたくないわ。知らないっ」

怒り心頭に達したエミリアは荷物を持ってその場を立ち去った。

そしてどこか見下したような勝ち誇った笑みを浮かべたジェイドもそのあとに続いた。

「やべぇな。エミリアを怒らしちまった…」
「ど、どうしよう~…一週間は口聞いてもらえないよ?!」




**

040 流星群(企画主・コレット)



「今日はいっぱいお星さまが見れるみたいだよ!」

本日発った村でそういっていたのを思い出したコレットのその言葉で珍しく夜遅くまで起きている未成年三人組。

「流れ星になんの願い事としよっかなっ?」
「欲張り過ぎると叶わないと思うよ?」

うきうきとするロイドに思わずツッコミを入れるとセフィアは最近お気に入りのクラトスのホットココアを啜った。

「セフィアは何を願うのだ?」
「私?」

突然振られた問いにセフィアはしばし考え、クラトスに笑いかけた。

「…秘密」
「……そうか」

「あっ!見てみて!!」
「すご~い!!」
「すっげー!」

闇夜に数多もの光の筋が駆け抜ける。
月夜に照らされた地上に幾筋もの光が降り注ぐ。
その光景に誰もが口を閉ざす。




**


38番は特に意味はありません……。盗み出される姫と盗む騎士。みたいな感じで。女性恐怖症は…まあ置いときましょう。

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十二国記これがすべてもの…

これがすべてもの




城で見る同等の地位のその男は見たことのない瓢瓢としている奴だった。

傭兵の仕事も飽いて来た。だが特にすることもないから、その言葉を受け入れた。

「州師に入らぬか?」
「……いいよ」

或は"生"というものにも飽いていたのかもしれん。

「俺は風漢だ。お前、名は?」
「栴香寧(せんきょうねい)だ」

よろしくな。そう言って男は手を伸ばした。いくつもの剣ダコの見えるそれを一瞥して同じく握り返す。
反応は相手も同じであった。


「お前は何故そこまで無気力なんだ? 楽しみ何ぞはないのか?」
「…生きることがそこまで楽しく思えないんだよ」
「ほぅ……」


牧伯のまさに命懸けの行為によって台輔は自由となった。けれど血の汚れで動けなく、容体も芳しくない。


そして何故か自らの出生まで語っていた。

「――…ただそれだけ」
「ならば俺の為に生きてみんか?」

話の返答の切り返しが意外過ぎて思わず笑ってしまう。

「お前、笑うとなかなかだな」
「言っとけ。…常々思っていたがあんたは誰だ?」

問うても返答はない。そのことは気にせずに続ける。

「町民にしては腕が立つ。冬器も持ち、読みが鋭い。…そして身なりと冬器の釣り合いが全く取れていない」

そう言うと彼は楽しげに笑う。そして一言、

「王だ」

と言った。

「……そうか」
「なんだそれだけか?」
「平伏してほしいのか?」
「――いや。前から思っていたが面白いなお前」
「そうか?」
「気に入った。俺と来い」
「私に生きる意味でも教えてくれるのか?」
「いや。違うな――楽しみだな。あいつらと共にな」
「…ならいってやってもいい」

小さく笑みを結ぶと彼は満足そうに笑って、剣を肩に担いだ。

「さっさとあのガキをつれて帰るとするか」
「台輔をそんな様に呼ぶのがこの国の王なのだな」
「なんだ、がっかりしたか?」

試す様でもなく、心底楽しそうなその笑みに笑ってしまう。そっと首を横に振った。

「いや、さぞや型破りな国になろうて」
「いっそそれもよいかもしれん」


「台輔であらせられましてはご健勝ではないようで」
「…お前は…?」
「"なおたか"と言う風漢の供、と申せば通じるかと」

その名は途端に笑みを浮かべさせる程の効果。


「…妖魔が、恐くないのか?」

赤い、人に懐く天犬と言う異質な妖魔。それに育てられた"妖魔の子"

「…別に? 醜い言葉と醜態を晒さぬ分妖魔の類いの方が人よりましに思うけどな」
「変わった奴だな」

しみじみと呟く妖魔の子――更夜

「ああ、太鼓版を押されたからな」



「香寧!一緒に来るよな?」

何もかも終わり更夜に誘いを蹴られたらしい延主従の"従"の方である麒麟は己の小さな体格を生かして詰め寄った。

「面白いことは山ほど教えてやるぞ!」
「台輔。落ち着かれよ」
「六太だ。六太でいい」
「六太。心配せんでも香寧はついてくると俺に約束した」

横槍を入れた延王は楽しげに騎獣の頭を撫でた。

「よしっ!じゃあ皆で戻るぜ!」



それが、生き方が180度変わったきっかけ。(ついでに長生きの)



**


ダイジェストっぽく十二国記延官吏への道則です。やっぱ元州の乱だよ!ということで必然的にヒロイン500過ぎに…
まあ、いいか

生きることに無気力なヒロインに教えんでもよいことをあれこれ教える主従。後に腹黒腹心達によってよい重りとなるでしょう

十二国記は多分HPでは取り扱わないです。
というかよろずジャンルになりそうですが……

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教団主 その一言が何よりも…

夢見たその一言



タルタロスを襲撃し、何も考えずに向かい来るマルクト兵を迎え撃つ。
辺りが獣の鳴き声しか聞こえなくなったときアディシェスは呼ばれた気がした。

だが気のせいだろうと思い、手短な神託の盾兵を治療し始めると、妙に慌てる気配を感じた。治療を受けている兵は向かってくる人間が誰だか分かったのか動こうとするが詠唱中のアディシェスに睨まれた。

詠唱が完了したのと同時に聞き慣れた声に名を呼ばれた。

「――…ファーストエイド」
「アディシェスっ!!」

振り返るとアッシュが彼にしては珍しく、慌てていた。治療された兵は慌てて礼を言うとそそくさと立ち去った。

「なに、あっさん」
「あっさん言うな!それよりも早く来てくれ」

アッシュの言いように形のよい眉をしかめるが、言われるがままに立ち上がる。回りを気にするようにアッシュはアディシェスの耳元でささやいた。
それを聞くと顔をしかめ、アディシェスは走り出す。

「それを先に言いなさいよ!」
「大声で言えるか!さっさと来ない貴様が悪い!」
「ああっ!もう、さっさと案内しなさい!!」


怒鳴りながらたどり着いた廊下では赤い血溜まりの中に大人が一人壁にもたれてぐったりとしていた。


「ちっ。医療兵はどうした?!」
「知るか。どうしたらいい」

倒れ込みそうなラルゴは顔色は悪いが首筋に触れると脈があった。応急処置は済ませてあるようだ。

「清潔な布。ラルゴと同じ血液型の人間。大きな寝台。ディスト」

簡潔に告げると詠唱の準備に入る。アディシェスの状態を確認するとアッシュは言われた通りに準備をしに、廊下から消えた。


長い詠唱を終え、温かな光りがラルゴを包み込むと傷口は塞がったようだった。
だが、治癒術では失った血液は取り戻せない。

そのためにディストがいる。

ホッと息を吐いたアディシェスは一つアッシュに言い忘れたことを思い出した。

「おい!持って来たぞ!」
「何ですかアッシュ!このディスト様を物呼ばわりするとは!」

喚くディストを一瞥するとアディシェスは、ぽん、と手を叩いた。

「ディスト。ラルゴの血が足りない。輸血をするからあんたの手が必要なのよ」
「はい?」
「ついでに移動させる為にあんたの譜業借りるわよ!」

そういって素早く背後に回りディストを蹴落とした。


その後。有無を言わせずにディストを使い回し、途中タルタロスが緊急停止するなどのアクシデントに見舞われたが、無事ラルゴの意識は回復した。


「…手を煩わせて、すまなかったな」

意識が戻ったラルゴにディストはアディシェスに扱かれた不平不満を喚き散らした。そのことを繋ぎ合わせて何が起こったのか自分で整理したのだろう。

「あなたに死なれたら困るのよ」
「そうか」
「……それに」

アディシェスは言葉を切ってラルゴが倒れていた状況を思い出す。

あまりにも頭が冷えていた為に動転はしなかったが後から考えると冷汗が出る。


「『お父さん』がわりのあなたに死なれると私もアリエッタもつらいもの」

アディシェスの微笑みにラルゴはそっと頭を撫でた。
ラルゴの事情はあまり知らない。

ただ、自分やアリエッタと同じ年頃の娘を亡くし、妻を亡くしたと。

その娘の影を自分達に重ねていることと。

それ程しか知らない。



**

schittamentではやられる側。こっちのシリーズではやる側です。お父さんなラルゴ。きっとアリエッタの存在は彼にとって小さくないかと。

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