本館連載中の『ensemble』の本編連載のネタバレがバリバリです。
今更、ネタなんか知れてんだよ。なんていう方はどうぞ。
そんなときも、あった・・・。
「――ロックブレイク!」
剣を握った手をそのままに前方へと突き出すと、狙う敵の下に地割れが現れ、岩岩が突き上げる。
体制を崩したそこをクラトスが斬りつけ、地へと叩き伏す。
そのままの体制ですぐに詠唱に入れるように気を高めておくが、前線で戦うクラトスが剣を鞘に収めるのを見届けると、アトラスもそっと剣を払って納めた。
周りに張り詰めていた気が緩んだのを感じ取ったマーテルが笑顔を浮かべてアトラスの肩を叩く。
「お疲れ様、アトラス。カッコよかったわ」
「ありがとう、マーテル。できれば、あっちで訴えるように見ているあの二人にもねぎらいの言葉をかけてやって欲しい」
アトラスの指し示す方には険悪な空気を漂わせている彼女の弟と、青い髪の男。
真っ先にアトラスにねぎらいの言葉がかけられたことには不満はないのだろうが、次は自分だと互いに目で主張している。
そんな光景を見ながら、苦笑するマーテルは頷くとそちらに向かっていった。
マーテルが向かう先からはクラトスが呆れたような顔をしながら、アトラスの方へと歩いてきている。
「お疲れ様、クラトス」
「・・・ああ」
結局マーテルは二人同時に労うということで、事を収めているようだ。
「クラトス、お疲れ」
「お前もな」
三人を一瞥すると肩に手を当てて回す。盛大に痛々しい音が響き、クラトスが顔を顰める。
「最近鈍っていたからかな」
「・・・年だろう」
「それなら君の方が年上だけど?」
「・・・・・・」
黙ってノイシュを撫でるクラトスに失笑する。
間もなく、アトラスとクラトスのもとにミトスとユアンに挟まれたマーテルが笑顔で戻ってくるのだろう。幸せそうに笑いながら。
仲間がいるという幸せを全員でかみ締めながら、先の未来を開く為に仲間で進む。
誰が、あのような結末を想像できただろうか・・・。
けれど、今は。この幸せを全員で分け合っていよう。
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