TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。
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何気なく100のお題
031 ひっそりと(軍人主・ルーク)
辺りが静まり返ると、ぱちぱちと焚火の音のみが聞こえる。
寝ずの番であるラシュディは、椅子がわりの木に座りながらじっと焚火を見ていた。
その光景をそっと見ているととても不思議な光景に見える。
いつもは日の光りに当たって明るく輝く彼女の髪が炎の色を反射して違う色に見える。
「眠れないですか?」
突然声をかけられて驚いた。狸寝入りがバレたのかと焦りながら起き上がり隣まで行く。
「ちぇっ。バレてたか」
座って顔を覗き込むといつもの優しいラシュディだった。
「眠れないですか、ルーク」
「……うん」
「早く寝ないと明日も早いですよ?」
「……うん」
そういって俯くと、そっと頭を柔らかく撫でられる。子ども扱いされているようだが、不思議と安心感が身を包み込む。
「大丈夫ですよ、ルーク」
大丈夫ですよ。彼女の声には不思議な催眠効果でもあるのだろうか、段々と眠くなっていく。
「おやすみなさい」
ラシュディが笑った気配がした。
**
032 無理強い(教団主・アッシュ)
「だーかーらー、聞いてる?」
「生憎とお前の言葉に傾ける耳は持ち合わせてねぇっ!」
「ふーん…。そんなこというんだ?」
「なんだ」
「もう貸してあげないよ?」
「っキサマ!!」
「大人しく前髪を降ろせ!じゃないと叩くよ!おでこ!」
**
033 猫なで声(神子・ゼロス)
「明良~頼みがあるんだけど」
「嫌」
ふいとそっぽを向く彼女の前に回り込むと心底嫌そうな顔をされた。
「俺様まだ何も言ってないんだけど~?」
「嫌な予感がするの」
あながち間違ってはいない。
「な~んでよ」
「ゼロスがそんな声出す時はろくなお願いじゃない」
甘えた声は逆効果らしい
**
034 場違い(アゲハ蝶・ジェイド)
あの笑顔で頼まれると断れない。それを見越してピオニーは頼み込んだ。
「……はぁ」
普段ならばしないような豪華な服装。少し気合の入った化粧。
それをしていても、この会場の雰囲気には相応しくないように思われた。
「楽しんでいますか?」
「……さあ?」
声の主を見ると彼はいつも通りの服装だった。そのことに安堵感が込み上げ、隠そうとして苦笑が浮かぶ。
何を言いたいのか理解した彼は軽く肩をすくめた。
「これが正装なので」
「……ふふっ」
――気持ちをほぐしたついでに踊りませんか?
――ええ。喜んで。――いっそ玉座の前で?
眼の前の彼は人が悪い笑みを浮かべた。
**
035 一匹狼(傍系主・ガイ)
「いいのか、ルーニャ」
「なにが?」
何処を見渡しても水ばかり。弟分とも言える彼を置いて戻って来た外殻大地。 魔界から道が通じているという湧水道に二人はいた。
彼を迎える為に。
「君の護衛すべきはナタリアだろ?」
「……あっつんが寄ってほしくなさそうだったから」
威嚇するかのような彼の態度。それは幼い頃共に過ごしたルニアにはわかっていた彼の癖のようなもの。
「孤高の狼は拍車にかけて酷くなっていたわ。……癒やせるのは私じゃないの」
悲しそうな横顔にガイは苦笑を浮かべるしか術を持たなかった。
**
…ノーコメントで
[0回]
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――色々なものを見てみたかった。
理由を問うと彼女は遠くを見つめ、そう言った。その表情が語るのは郷愁か……。
宝玉のようだ。それは二言目には言われていた言葉。けれどルニアは知っていた。
――気味悪がられている、と。
恐らく『赤い髪と緑の瞳を持つ者』に自分がほんの少しだけ条件を満たすからだろう。幼心にそれは理解していた。
現王――インゴベルト六世には一人娘と甥がいる。それだけいれば充分ではないか。とルニア自身も思い、両親もそう思っていた。
家にいると自身の気持ちに翻弄され、肩身が狭かった。
懐かしむように語る彼女はどこかのびのびとしているのは気のせいではないだろう。
その日の出来事のせいで守護する者がいなくなり頼る所が王室以外に無くなった時、「時期が来た」冷めた心で思ったと。
「首都から庇護なしに出たことのない自分はこの世を勘違いしていた。……全く何も纏わぬ自分がどうやったら生きていけるのか試してみたくなったの」
また貴方に会えるとは思わなかった。彼女は愉快そうに笑った。
「"私"というものを知らない貴方がとても気に入っていたの」
「……私もです」
「あら。敬語はやめてくれるんじゃなくて?」
「じゃ、遠慮なく」
目を細めて、怪しげに笑う。そんな笑い方は知ららなかったが、何故か似合っていた。
ガイはそんなことを思いながら、再会した時から気になっていたことを尋ねようか戸惑った。辛い思いをしたことなら掘り起こしたくないが……。
しばしの逡巡の後ガイは迷いながら口を開いた。恐らく彼女はこともなさ気に答えるだろうから。
「……綺麗な翠だったのにな」
残念そうな声音にルニアは思ったとおりの反応をした。
一瞬だけ目をみはり、すぐに柔らかい表情を刻んだのだった。
「色々あって。――今、こちらの眼はあまり見えないわ。色も薄くなってしまった」
「でも、今もとても綺麗だと思うけどな」
「あら、ありがとう」
本当に嬉しそうに微笑む。確か記憶の中の彼女はその瞳の色を嫌っていた。
「でもその瞳はあまり君に好かれていなかった気がするけど」
「…そんな細かいことまで覚えているのね。そうね、私はあの緑色が疎ましかった。嫌いだったわ」
「その言い方だと今はそうでもないのかい?」
ルニアはそっと顎を引いた。その心情の変化には何が関わったのかは分からないが、第一に正式に継承権を放棄したのが大きいのかも知れない。
――私、ルニア・ディ・ジュライルは正式にキムラスカ・ランバルディア王国の王位継承権を放棄します。
あの場で凛と言い放ったルニアは王女並の気品があったという。
だが、元から無きに等しかったそれを放棄したのちの彼女は解放感に満ちていた。
「まあ、何はともあれ。今は私はナタリア殿下の護衛。貴方はルーク殿の使用人。これからもよろしく頼むわね」
彼女は握手は求めない。それは、女性恐怖症のガイを考慮してのこと。
だが、ガイはすっと右手を差し出した。
そのことにルニアは驚き、その手を見る。
手は恐怖に震え、お世辞にも笑顔とは程遠い強張った顔。
けれど澄み切った青の二つの眼差しは確固たる意志を感じさせた。
「あら、貴方も負けず嫌いね」
「ま、まあな……っ…」
ふふふ。と小さな笑い声をこぼした彼女に手を握られても三秒は我慢した。
ルニアはそんなガイを後々褒め讃える。
**
いい感じにガイの相棒っぽく。このヒロインならガイと絡められる……!!
旅の途中とかを短篇で書きたいなあ……。
でも、視力が落ちるから色が薄くなるとかは普通はないですよねー
そもそも瞳の色ってどこできまるんでしたっけ…?
虹彩?毛様筋?チン小帯?
[0回]

何気なく100のお題
026 変身願望(アゲハ蝶・ピオニー)
はぁ……。本日六回目のため息。それをずっと横で聞いていたピオニーは我慢しきれずに横を見た。
隣の彼女は本を読んでいるはずなのだが先程からため息ばかりなのだ。
はぁ……。
「エミリア? どうかしたのか?」
「…へ? あ、ううん。何でもないわ」
「嘘つけ。さっきからため息ばっかり、七回目だぞ」
回数を教えると、不思議そうに首を傾げた。
「ピオってば数えてたの?」
「で、何か悩み事か?」
答えずに言及するとエミリアは困ったように首を傾けた。その拍子に彼女の癖のない艶のある髪がサラリと流れた。
「えと、みんな綺麗な髪の色だなーって」
金、銀。宝石のような綺麗な色ばかりで、自分もその中に入れたらいいのに。そう言った彼女の瞳は寂しげに揺れていて、心が揺れた。
「オレは……」
言いかけて、そっと周りを見回した。他の二人の幼馴染みは見当たらない。
喉が渇く。声が掠れないように、そっと息を吸い込んだ。
「オレはエミリアの髪も瞳も好きだぞ?」
そう言うと彼女は嬉しそうに笑う。
幼心に彼女の笑顔が見れるだけで幸せだった。
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027 敏感肌(企画主・しいな)
「し~い~な~っ」
名を呼ばれて振り向くと満面の笑みを浮かべているセフィアがいた。
彼女が嬉しそうに笑っているのはいいことだが、自分の第六感が小さく警報を鳴らした。
「な、なんだいセフィア」
「ふふふ」
耳元に温かい息を吹き付けられ絶叫するまであと三分。
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028 暴露話(旅主・?)
「アトラス、ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」
「なに?」
「クラトスさんとアトラスさんの好き嫌いを教えていただきたいんです」
「いいよ」
その言葉にロイドとコレットが嬉しそうに飛び付いた。
「クラトスはトマト。私は銀杏かな?」
人物に似合わぬ好き嫌いを聞いた二人は聞かなかった事にした。
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029 悪趣味(軍人主・)
「ラシュディ~?」
呼びかけても何故か返ってくる筈の声が返ってこず、覗き込むと案の定。気持ちよさそうに眠っていた。
起こさぬように近くに寄ると、慎重に閉めた扉が開いた音がした。
「ラシュディ?……陛下」
入ってくるなり呆れたような視線を送ってくる奴に肩をすくめて見せる。
「寝てるから説教は後にしてくれ」
「寝ているなら出ていくのが礼儀だと思いますが?」
そういいつつも奴も近くまでやってきて、そして寝顔を覗き込む。
机につっぷすようになって寝ているラシュディの、鈍く輝く髪をそっとよけるその手は優しい。
その様子を見た奴は笑った。
「全く。貴方もラシュディに甘い」
「お前に言われたくないな」
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030 涙(神子・ゼロス)
ぽろぽろと際限なくこぼれ落ちるその雫を指の腹で拭うが、それらは止まる事を知らない。
彼は困ったようにしていた顔を一転し、楽しそうに笑うとそっとその決壊したダムに顔を寄せた。
そっと舐めるとそれらは少ししょっぱかった。
驚きに雫はこぼれなくなった。
「明良は泣き虫だな」
「……うるさい」
安心させる言葉を持たぬ自分が悔しい。
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難産が続きます。
[0回]

「あたし、ジーニアスのこと好きだよ?」
そんなことを幼なじみ以外に面と向かって言われたのは初めての事だった。
それは、ハーフエルフの差別を無くすために姉と出た旅先でのこと。
少し滞在することになった街の少女と仲良くなったジーニアスは話しの流れに関係なく突然言われた。
「で、でもボク。ハーフエルフだよ?」
「それが?」
彼女が楽しそうに首を傾げるのを見てジーニアスは失言であったこと気付き、決まりが悪そうに笑った。
「ハーフエルフとかエルフだとか、人間だとか…。そういう、ささいな違いで差別するのはおかしいと思うの」
彼女はそういって手元のストローをいじった。氷がカランと音を立てる。
「確かに生き物って、特に守護欲とかがあるのはさ、『敵』『味方』と分けると思うの。でも分けなくてもいい区分さえ設けるのは、なんだか心が貧しく感じるのよ」
短い付き合いの中で知った彼女はあまり話す方ではない。だが、行動の端々に感じられる優しさと、少ない言葉の中に込められる優しさ。それらにジーニアスは気付いていた。
そして彼女が今のような早口になるときは一生懸命何かを伝えようとするとき。
「そういう心が貧しい人に、豊かさを渡してくれようとしているジーニアスはスゴイと思う。ジーニアスのひたむきさが好きなの。だから応援したい 」
彼女のような優しい人間がもっといてくれたら……。
「……ありがとう」
そう言うと、彼女は困ったように笑った。
「困らせたかったわけじゃないの。引き止めたかったわけでもないの。ただ……」
無言で続きを促すと、彼女は恥ずかしそうに笑った。
「ジーニアスのこと、応援してる人間がこの街にいるって覚えていて欲しいの」
気持ちに応えてほしいわけじゃない。
そんな声が聞こえた気がした。
「うん。わかった」
だから自分も敢えてなにも言わない。
その意志を表すと彼女はほっとしたようだった。
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ジーニアスが17歳くらいのイメージで。カッコいいでしょうね。
その頃、ロイドは22歳ですかね?
[0回]

立ち寄った村では豪華とも思える飾り付けをしていた。
「あっれ~? 今日って何かの日だったっけか?」
「えーと……?」
考え込むがすぐに村の様子を見渡したジーニアスが合点いったように、顔を輝かせた。
「あ、七夕だよ! 今日は七夕だ!」
「あ、そっか! だから笹が出てるんだね」
「よーし! 短冊書かせてもらおうぜ!」
そう言うと三人は一目散に笹が飾ってある場所へと走っていった。
笹の下で短冊を配っているらしい人に話し掛け、しばらく笑うとくるりと振り返って、こちらに手を振った。
「旅人も書いてもいいってさ!」
「姉さんも書こうよっ!」
「アトラスさんもクラトスさんも書きましょう!」
はしゃぐ三人に口を挟むことができずに三人は無言で短冊を受け取った。
「何書いたか後で見せ合いっこしようぜ!」
「うんっ」
「七夕なんて、何年ぶりかな?」
「私は村でよくやっていたから一年ぶりね」
そう笑うとリフィルは短冊に文字を書き始めた。
それを横目でみたロイド達は気になるようでちらちらと様子を伺っていた。
その様子に思わず笑いながら、アトラスも短冊に文字を滑らせた。
「アトラスは何を書いたんだ?」
書き終わり、短冊を笹につける頃に、アトラスの短冊を見ようとロイドが後ろから覗き込んでいた。だがアトラスは見えないように隠すと小さく笑った。
「ロイドは?」
待ってましたと言わんばかりにロイドはにかっと笑った。
「俺は『世界が平和になりますように』だよ」
彼らしい。そう思いアトラスは彼が持つ、コレットとジーニアスのも覗いた。
『皆が幸せになれますように』
これはコレット。
『背が伸びますように』
これはジーニアス。
「ロイドは剣のことを書くと思ったけど」
「へへ…。剣はさ、自分で努力するしかないもんな。で、アトラスのは?」
「『平和になりますように』かな」
素直に答えると、ロイドはふーん、と相槌を打って短冊を括り始めた。
ロイドの後、アトラスはそっと高い位置に短冊をぶら下げた。
それには端正な文字でこう書かれていた。
『彼女が安らかに眠れますよう』
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七夕ネタでした。ホントはコレット達との会話になるはずが……。
失敗失敗。
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