TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。
[
61]
[
62]
[
63]
[
64]
[
65]
[
66]
[
67]
[
68]
[
69]
[
70]
[
71]
×[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

いつものように、仕事を押し付けられてそしてイライラしながら仕事をこなす。
けれど、最近は今までの日常と少し違う。それは、あの真っ赤な髪をした彼が教団によりつかないので、からかう相手がいなくて退屈であるということ。神託の盾騎士団もここのところ、ヴァンが勝手に動かすので忙しい。
自分だけはアイツに屈するものか、一人そう意気込みながらペンを走らせていると、扉が無遠慮に開いた。ノックもなしに。
思わず、ギロリ。と睨みつけると、入ってきたのは己の嫌う上官であった。
「アディシェス。話がある」
「私はありません」
「いいから、こっちに来い」
机の前に立ち、手招きしてそのまま自分の机へと向かう上司の不条理さに腹が立ちながら、渋々と従う。
間に机を一つ挟みながら、アディシェスは憮然として上官――シンクを睨んだ。
「で、御用は?」
「僕はこれからいなくなる。だから、好きな部署に移動するといい」
「・・・・・・は?」
意味が分からず、そして聞きかえす。彼は仮面の下で笑ったようだった。
「よかったね。大嫌いな僕がいなくなるんだ。せいせいするだろ?」
「・・・・・・きちんと、フォニック言語喋ってくださいませんか?」
「言ってるじゃん。僕はヴァンの命でアイツラの船に進入する。そして一緒に地殻に落ちる」
そんな大切な計画のようなものの一部を自分なんぞに話していいのだろうか。アディシェスは真っ向からヴァンに食って掛かる、導師派でも詠師派でもない。
『せいせいするだろ?』
その言い草に腹が立った。その口調はまるで『彼』のようで、イライラしていたアディシェスの気に障った。常日頃からシンクの言動はアディシェスに喧嘩を売っているとしか考えられない態度で、それは絶対にヴァンの差し金だと思っている。
どこかで、紐のようなものが切れる音がしたと思った瞬間アディシェスは机を乗り出し、シンクの胸倉を掴んでいた。
「ふざけるなッ!!」
突然怒鳴られたシンクは、動じず、振り払うこともしない。されるがままになっている。頭にきているアディシェスは何も気にすることが出来ない。
「『アイツ』はッ、アイツは・・・!! あの子はっ、生きる運命が決まっていて、それに逆らうこともできなくてっ、それを受け入れることしかできなかった・・・!! アンタは、アンタはあの子とは違うでしょ!? なんで、なんでそんな自分を大事にしないのよ!!」
「・・・・・・」
「なんとかいいなさいよ! 劣化していようと、生きているでしょ!? 地に足つけて立っているじゃない!! あの子は最後の数ヶ月はそんなこともできなかったのよ・・!!!」
「・・・・・・」
「なんで・・・」
そこまで、何も考えず、ただ思い浮かぶことを怒鳴り、口にしていたがアディシェスはそこで区切り。手はそのままにそっと下を向いた。シンクはまだされるがままになっているが、その彼女の小さな呟きは彼の耳にも届いた。
「なんで・・・同じ名前を継いだ『イオン様』よりも『イオン』に似ているアンタが、そういう行動を取るのよ・・・。どうしてそんなところまで似ているのよ・・・。なんでそんな受動的なところまでそっくりなのよ・・・」
悔しくて唇をかみ締めると、シンクはそっとアディシェスの腕を取り外した。空気で彼が笑った気がした。
「アンタが僕を嫌う理由が分かったよ。でも、これは僕の仕事だ。アンタにどうこう言われる筋合いはない」
「・・・・・・」
アディシェスは机に片腕をついたまま、立ち上がって退室するシンクの足音を聞いた。
そもそも彼は何の為に戻ってきたのだろうか。
怒鳴ってしまい、気力を使い果たしたアディシェスは自分の席にもたれかかった。
不意に「彼」の最後の言葉を思い出した。
**
何が描きたいのかまとまりのないのはいつものことですが、これはいつも以上だなぁ・・・。
[0回]
PR

それでも私にとっては彼だけ
「アディシェス」
低く通る声に己の名を呼ばれ、アディシェスは気だるそうに振り返った。
そこには予想通り、声の持ち主が立っていた。若いながらに教団の首席総長の位に着く男。
アディシェスは彼が嫌いだった。『彼』があのように世界を憎むようになったのは半分以上がこの男の進言。
「何でしょうか総長」
「アッシュを知らぬか」
瞬時にあの素直じゃない男を思い浮かべる。
「私は彼とは別の隊なので……」
「…では見掛け次第シンクと共に来る様に伝えてくれないか」
「分かりました」
用が終わったならこの男の元からすぐにでも離れたい。踵を返し、歩き始めるとまた名を呼ばれた。
「アディシェス」
足を止めるが振り返らない。
「導師が拐かされた。共に来るか」
拐かしたのはどちらだか。アディシェスはふっと口元に笑みが浮かぶのを感じた。
幽閉しておいて、助け出されただけではないか。最も幽閉したのは奏将だが。
ゆっくりと肩越しに振り返った。
「命とあらば、何なりと」
自分はもう守護者ではない。自分が護るべき人はもう、いない。
「アンタが導師を助けるなんてね」
「どう考えてもこれは救出ではなくて、誘拐だと思いますが?」
タルタロスを襲撃し、導師をセフィロトへと連れて行く。
「アンタ、導師のこと嫌いなんだろ?」
挑発するような彼の仮面越しの視線を真っ向から受け止める。
「別に? 私はむしろ………」
彼の仮面越しに彼を見る。彼は笑った。とても愉快そうに。
「そうだった。アンタは僕が嫌いなんだったね」
否定も肯定もせずにアディシェスは立ち去る。
自分にとって生涯命をかけてでも護りたいと思ったのは彼だけ。
**
纏まりが全くなくて読みにくくてすみません…(汗)
アディシェスさんはシンクが好きではないようです。
そしてヴァンは嫌いみたいです。
[0回]

無事個人戦上級を勝ち抜いたジェイドは表彰の時に一旦引っ込んだ。そして再び姿を表すと彼は軍服ではない、異国情緒溢れた衣裳に身を包んでいた。
それを目にした一同は何故か一斉にラシュディを見た。
「…私は何も知りませんよ?」
「ジェイドってあんな服持ってたか?」
「どちらにしても大佐って基本的に何でも着こなすのかも?」
「あ、おいジェイド!」
ルークの声にまたも一斉に彼の視線の先を見た。
「…皆さんの行動が揃うと気持ち悪いですね」
肩をすくめて戻ってきたジェイドは先程のあの服を着たままであった。そのジェイドの服装を頭の先から足先までじっくり眺めた一同は首を傾げた。
「大佐。その服はどうされたんですか?」
「陛下からの贈り物ですよ。ティアも欲しいですか?」
「い、いりませんっ」
即答するティアを見て楽しそうに笑いながらジェイドは尚も首を傾げているラシュディを見た。
「ラシュディ? どうかなさいましたか?」
「…大佐、髪は結わないのですか?」
「はい?」
彼にしては珍しく呆気に取られた。ラシュディはつかつかと歩み寄るとジェイドの伸ばされた髪を手に取った。
さらさらと指の間を飴色の髪が流れる。
「あ、中佐ずる~い。あたしも交ぜてよ~」
「ちょっ、お二人とも?」
「大佐は黙ってて下さいね☆」
「スゲー、アニスがジェイドを黙らせたぜ」
「…後が恐いな」
傍観を続けると、アッという間にジェイドの髪は三編みにされていた。
「大佐、似合いますよ」
「……ラシュディ、少しずつ陛下に似てきましたね」
アニスと笑っていたラシュディを見てジェイドは眼鏡をそっと直しながらため息を吐いた。
「そうでしょうか…?」
ラシュディが首を傾げるとジェイドは再びそっと眼鏡を直した。
「ラシュディ様。ラシュディ・フォルツォーネ様。闘技個人戦、上級の準備が調いました。受付までお越しください」
アナウンスが流れ、ラシュディは忘れていたのか慌てて受付まで向かった。
「そういえば、ジェイドの衣裳チェンジで忘れてたけどラシュディも申し込んだんだったな」
「ラシュディの試合が見れるなんて滅多にないから見て勉強しようぜ、ルーク」
ガイの提案にルークは嬉しそうに頷いて観戦場への扉を潜った。
その後に続きながら、アニスは着替えずに一緒に歩くジェイドを見上げて首を傾げた。
「大佐ぁ、着替えないんですか?」
「いえ、ちょっとありまして」
「ふ~ん…?」
短剣で攻撃を受け止め、譜術を纏った長剣を相手に繰り出す。無駄のない動きで相手の懐に潜り込み攻撃を交わし、打ち込む。
相手が倒れるのを確認するとバックステップで下がる。
勝利宣言がなされ、ラシュディの勝利が確定する。
「……なんかホントにスゲーよ…」
「俺もまだまだだな…」
「『白銀の戦乙女』の名は伊達ではないのね…」
「なんですの?それは」
「あれ、ナタリアは知らないの? 中佐の通り名だよ。
戦場を舞う白銀の女。その者は奇抜な剣術を使い、仲間を癒し、敵を葬り去る。それはまさに戦場を駆ける戦乙女!」
「…ながいなー」
力説したアニスにルークは少し呆れた様子だ。
「あら、私もそう聞いたわ。あと『双剣のフォルツォーネ』というのも」
「ですがラシュディの髪はプラチナブロンドではないですけどね。本人もそうおっしゃってますし」
熱弁を奮い始めた一行を尻目にガイはミュウと二人で早々に決勝戦を終え、表彰されているラシュディを見ていた。彼女もジェイドと同じ様に着替えていた。だが残念なことに背中しか見えない。
いつもは高く結い上げている銀色の髪は高い位置で結ばれ背中へと流れている。
着ている服は軍服ではなく、見たことのない型で薄い藍色をしている。
表彰が終わり、戻ってきたラシュディはいつもと違う人間に見えた。
「はぅわ! 中佐、かっこいいですぅ~v」
「なんかすげーラシュディに似合ってるな!」
次々と賛辞の言葉を送られ、ラシュディは困ったように笑った。
「陛下はいつの間にここまで根回しをされたのでしょうか…?」
その問いが投げ掛けられたジェイドは肩をすくめておどけて見せた。
「なあ、ラシュディ。その服はどこの民族衣裳なんだい?」
ラシュディは不思議な形をしている袖を掴んでヒラヒラと見せた。
「これは…多分ホドで昔着られていた『着物』だと思います。男物ですね」
「多分その模様ですと、ホドの町を守った剣豪、とかいう方が着ていらした隊服でしょうね」
話がわからない面ヶは不思議そうに首を傾げた。それがわかったラシュディは苦笑いを浮かべた。
「陛下がその話を用いた物語がお好きなんです」
「へ、へぇ~………」
一行は苦笑するしかなかった。
**
露骨に名前を出すのはやめて遠回しにいってみました。浅黄色ですよねー。
陛下ってそういうところで悪ふざけすると思うので、ジェイドはカンフー(?)、ラシュディさんは着物です。実は直衣とか、白拍子とか、水干とかで迷いましたが……
[0回]

何気なく100のお題
021 睡眠不足(アゲハ蝶・ピオニー)
久しぶりに宮殿を抜け出して、彼女の店に行くとあの懐かしい笑顔で迎えられた。
「いらっしゃい、ピオ」
けれど、どこかに違和感を感じた。
「エミリア」
「ごめんなさい。今はちょっと忙しくて貴方の相手ができないの」
言われてみれば、店員達も世話しなく働いている。聞けば、発表会か何かが近いらしい。
ふむ。と一旦は納得するものの、やはり釈然とせずにエミリアの腕を取る。
彼女は不思議そうに彼を見た。そしてそのまま店の奥へと連れていかれる。そんな二人を店員は気にすることなく、笑顔で見送った。
彼女はようやくソファのあるところで止まることができた。といっても彼女を引っ張っていた彼がそこに立ち止まったからである。
「ちょっとピオ。店に戻らなきゃ…」
ピオニーは彼女の腕を持ったままソファに腰掛けて、その腕を引いた。エミリアは抗うことなくソファに腰掛けたピオニーの前に座らされる。
そのまま後ろから腕を回されて彼の肩に頭を預けることになる。
「ピオ……?」
「寝ろ。顔色が悪い」
心地良い低音の声にクラクラする。そして何故気付いたのだろうかと。
間もなく部屋には二つの寝息が聞こえてきた。
**
022 面の皮(教団主・シンク)
「アディシェス、これも追加だ」
「………」
「アディシェス、聞こえてんの?」
「はいはい、聞こえてますよ」
面倒臭そうにアディシェスは手をひらひらと振った。
そして、同時に手元にあった書類の束をシンクに投げつけた。
仮面に当たると思われたそれらはしっかりと彼の手の中に納まった。
アディシェスは舌打ちをひとつ。
「……そんなに僕の顔が見たいの?」
呆れたようなシンクに対し、アディシェスは鼻先だけで笑った。視線は最初から書類でシンクを見ていない。
「イオンとそっくりな顔なんか見たくもないね。ただ、アンタの化けの皮を剥いでアリエッタに見してあげようと思っただけ」
なんて強固な面なのかしら。と呟いた言葉は彼の耳には入らなかった。
**
023 女たらし(軍人主・ガイ)
「っ……」
「ラシュディ! 大丈夫か?!」
「ええ、大丈夫です」
刃で切れた指を軽くくわえてラシュディが頷くと、ガイはどこからかバンドエイドを取り出してラシュディに渡した。
勿論彼は触れないので自分で傷に貼る。
「ありがとうございます」
「いいから早く治療してくれ。ラシュディの綺麗な指に傷が残ったら大変だろ?」
お世辞にも綺麗とはいい難い自分の手を包みながらラシュディは少し頬を赤らめた。
**
024 傍若無人(教団主・ジェイド)
「どうかさないましたか?」
「……いえ」
そっと首を振ると、彼の細長い指が顎にかけられ、上を向かされる。
無論、身長差があるのでアディシェスは首が痛かった。
「では、質問に答えていただきたいのですが?」
「お答えしかねますと、先程申し上げましたが?」
高い視界の端に光り輝いて槍が現れたのが見えた気がした。
「……もう一度聞きます。貴女はどこまで知っているのですか?」
この人間はあの変人ディストの幼馴染みだと再度強く認識した。
**
025 よってたかって(軍人主・ガイ)
「ガ~イ~v」
「っぎゃあぁぁぁぁ!!」
「ガイ、それぐらいでは終わりませんわよっ!」
「っうわぁぁぁぁっ!」
「あ、あの皆さん……。治ったといってもそんなにいきなりは無理なのでは…」
「ラシュディ、言っても無駄よ。誰も聞いていないわ」
ガイを取り囲むようにアニス、ナタリア、ルーク、ジェイドが退路を絶っている。少し離れた位置にいる二人の声は届いていなかった。
**
アビスづくしです。アゲハ蝶は連載後のイメージです。
[0回]

何気なく100のお題
016 落書き(旅主・幼なじみ組)
太陽が高く昇っている。さわやかな潮風を頬に感じ心地よさに瞳を閉じる。
今日は海岸で一休み。
「なにをやってるの?」
海岸線に集まってきゃらきゃら騒いでいたロイド、コレット、ジーニアス、しいなの四人にそっと近づく。
「あ、アトラスさん! 見てください!」
「これ、俺が描いたんだぜ! そっくりだろ?」
そういってロイドは木の枝で砂浜を指した。
そこには妙に力作である砂に描かれた似顔絵。
「コリンとあたしらしいんだ」
照れ臭そうに笑うしいな。アトラスは微笑ましい光景に目尻が下がる。
ザザァン……。
「あ~っ」
その似顔絵が波に掠われて、たった一瞬で消える。
先程まで描かれていたところを名残惜し気に見ると、ロイドは笑顔で腕まくりをして言った。
「よーしっ! 次はノイシュとクラトスを描くぞ!!」
「よーし、じゃあ私はノイシュを連れてくるね!行こっ、ジーニアス!」
「うん!」
次に描かれた絵も瞬く間に波に掠われる。けれどその瞬間を迎えるまでが、とても楽しい時間。
**
017 はちみつ(企画主・ゼロス)
「わっはちみつだ~!」
「はちみつなんて普通だろぉ?」
ティータイムのお供にどうぞと出されたパンケーキに塗られているはちみつ。
それを見て喜んだ数分前の自分を恥じるとゼロスから顔を背ける。
「……シルヴァラントでは滅多に食べられなかったのっ」
無言の追求からのがれるように言い捨てると、セフィアはパンケーキにフォークを伸ばした。
その様子を見ていたゼロスは突然手を叩いて使用人を呼んだ。
**
018 目論む(軍人主・上司二人)
「…ラシュディ?」
部屋の主に向かって投げ掛けられた言葉は返事が戻ってくることはなかった。もしやと思ったピオニーは部屋の中にスルリと入り込んだ。
執務室の中にはピオニーしか居なく、彼女の机には綺麗に整えられた数日分の書類。
その日付を見ると本日のみならず数日後の分までこなしてあった。
「ジェイド!」
隣のジェイドの執務室に飛び入ると、彼はラシュディと書類を見て話をしていた。
「どうかされましたか、陛下」
「……ラシュディ、今回は逃がさんぞ」
朗らかな笑顔のラシュディに騙されずにピオニーは二人に詰め寄る。ジェイドはもう仕事はできないと判断して珈琲に手を伸ばした。
「この仕事が片付いたらコッソリ行くつもりだったんだろうか、そうは問屋がおろさないぞ。ラシュディ」
ピオニーに肩を掴まれラシュディは観念したように息を吐いた。
「今回は失敗しましたね、ラシュディ」
本日を持って小旅行(徒歩)に行こうとしていたラシュディ。あえなく御用となった。
**
019 落とし穴(アゲハ蝶・ピオニー)
「こんなの普通は体験できないだろうな!」
一体何が楽しいのだろうか。エミリアは深く深く息を吐くと、ジト目でピオニーを見た。
周りは何も見えない。ちらちら降る雪は慣れているのにとても冷たい。
「落とし穴にはまるなんて、滅多にできない経験だぞ?」
エミリアは、自分は泣きそうになっているのに、楽しそうにしているピオニーが恨めしく思えて来た事に気付いた。
「滅多にできない経験でも経験したくなかったわよ…」
**
020 最初で最後(教団主・被験者イオン)
「あなたは…被験者と仲が良かったと聞きましたが……」
偶然出会った彼に困り顔で微笑まれた。そしてアディシェスも苦笑するしかない。
「……何故、僕は」
「約束をしたんですよ、導師イオン」
彼の言葉を遮る。アディシェスは彼の前では決して見せない笑みを浮かべた。
「『イオン』と呼ぶのは彼だけだと、彼と約束したんです」
「………」
生きることに対しても無欲であった彼がアディシェスと約束した二つのこと。
対等に扱う。彼以外のイオンを親しく呼ばない。
「きちんと約束させられた彼の最後の願いなんです」
**
難産でした。わかんないよー……。
[0回]
