TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。
×[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
火は水に弱い。水は雷に弱い。雷は岩に弱い。岩は……。
「わっかんねーっ!」
「……私もわかんないや」
「水でいいんじゃねぇのか?」
「そうだなっ!さっすが親父!!」
村の学校で出された宿題に悩んでいたロイドは養父ダイクの一言に飛びついた。
まあ、当てずっぽうでも白紙よりマシだろう。と隣で宿題を覗き込んでいたセフィアは思った。
「それにしても姉貴はずるいよな!」
「何が?」
「学校行かなくてもいいじゃんかよ」
かりかりと雑な字を書き込みながらこぼされた言葉なセフィアは笑うしかなかった。
「その代わりに働いているんだけどね」
「俺もそっちがいいぜ……」
書き終わったのか、鉛筆を放り出して机に突っ伏す。弟の頭からガンッという痛そうな音がしたことにくすくすと笑い、つんつんと尖っている髪の毛を指に絡めて遊ぶ。
「でも学校に行ってるから、友達が出来たんじゃん」
「うっ……まあ、そうだけどさ」
閉鎖的な空間では外の人間は入り込み難いものがある。
だがドワーフに育てられたこの二人は、そんなものを気にせずにその閉鎖的空間である村にうまくとけ込み、その空間の弊害にあっていたとも言える三人と仲が良い。
誰にも壁を作らない姉弟は、壁を乗り越えてしまうのが難点でもあったりする。
(不思議な言葉でいくつかのお題)
[0回]
PR
ensemble―昔話―
ありえない奇蹟を起こそうか。
決して誰にも真似できない奇蹟。
それは自分だけにしか引き起こせないんだ。
「……信じられん」
「……だけど現実だ」
つい最近までは存在した場所に存在しない。
それはとても不思議で不可解で、なんともいえぬ光景。
それは目を疑う光景ではあるが真実であった。
「……今この時から僕たちは、気の遠くなるほどの長い月日を生きなければいけない」
静かな、感情が何も感じられない声が少年の響く。
「やめるなら今だよ」
みんなが居なくなっても僕がやるから。そんな言葉が聞こえる彼の呟きにアトラスは、失笑した。
「この方法の提案者は私だ。なぜ君だけに背負わせなければいけないんだい?」
彼の髪をくしゃくしゃにすると彼女の言葉に続くように彼の姉が、そっと髪を指梳く。
「そうよ。あなただけに辛い思いはさせないわ」
「……私は一度国を追われた身だ。お前の理想郷が叶うまで共にいると誓った」
「……今更やめるなどと誰が言うか」
その言葉達に彼は涙をにじませた瞳を和ませた。
さあ、共に。奇蹟を作ろう。
(不思議な言葉でいくつかのお題)
TOF2で古代大戦の話があるそうですが、当サイトはまるっきり無視のオリジナル路線です。
[0回]
たとえば、幸せになるために必要なこと。
「クローバー?」
「はい! 四つ葉のクローバーを見つけたんです!」
満面の笑みでコレットは小さな小さな緑の若葉を乗せた手のひらを見せた。
期待のまなざしに答えるようにじっとそれをのぞき込むと確かに四つ葉のクローバーがあった。
「この緑の少ないシルヴァラントにも、人を幸せな気持ちにさせることができる植物がまだ生きているんだね」
「……そう、ですね」
コレットは同意しながら小さな声になりクローバーをじっと見た。コレットが考えたことに気づいたアトラスは小さく笑うとその金色の髪をかき混ぜるようにして撫でた。
「アトラスさん?」
「摘んだことを責めているわけではないからね?」
「えと……えへへ」
眩しい笑顔を浮かべるコレットにつられてアトラスも笑顔を浮かべる。
「折角見つけたんだから押し花にでもしようか」
「そうですね! ……でもどうやってやるんですか?」
「じゃあ食事の後に教えてあげるよ」
約束ですよ。そう念を押して次にリフィルとクラトスに見せに行ったコレットを見送り、アトラスはむき出しの地面に座った。
「クローバー……か」
そんなシルヴァラントでの出来事を振り返ると、無性に物悲しい。
「……ねぇ、コレット。あの押し花、まだ持ってる?」
輝石に意識を奪われたコレット。
あの眩しい笑顔が見ることは今はできない。
「四つ葉のクローバーがなくても人は幸せになれるのにね」
なぜ、それほどまでに固執するのか。
縋るものがほしいのだろう。
(不思議な言葉でいくつかのお題)
[0回]
きれいな花が咲いていた。
周囲を見渡すと咲き誇るのは彼女一輪のみで、摘み取ってしまうのはかわいそうだといつもは思わないことを想った。
「……そのような理由でこれを?」
「うん、そうなんだ」
渡されたものを丁寧にそっと持つ彼の双眸は暖かいまなざしでそれを見ていた。
「セフィアは細工もとてもすばらしいが、デッサンもすばらしいのだな」
「うーん?比べる対象がないからよくわかんないけど……」
照れくさそうに頬をかくとセフィアは彼に渡したそれを横からのぞき込んだ。
「いいものを見慣れてるリーガルにお世辞でもそう言って貰えるとうれしいな」
「私は世辞は苦手だがな。この花からは、『生』への強い執着心を感じ、同時に寂しさと愛おしさを想う」
優しい眼差しは小さな紙に書かれた花からセフィアへも向けられた。
日頃難しくて哀しい顔をしているリーガルがこんな優しい表情を浮かべるのを見るのが好きなセフィアはうれしくなって微笑んだ。
「みんなでお揃いの髪飾りを作りたいねって想ったから今晩から作るんだ。できたらリーガルにもあげるね」
髪飾りはいらないと言おうとしたリーガルは無邪気に笑うセフィアの申し出を断ることができずに苦笑を浮かべてありがとうと伝えた。
女性陣がお揃いの髪飾りをつけているのに加えて、リーガルがつけていても気にならない程度のものを彼がつけているのを見てなぜかロイドがほしがり、しかしセフィアは女性陣とお揃いをロイドにあげるという話があることを補足しておく。
(不思議な言葉でいくつかのお題)
リーガルさんとグウェンダルが混ざります。未熟ものめ!!
実は企画主との組み合わせで一番好きなのは、セフィアとしいなかリーガルだったり。
リーガルさんとのほほんとしているのを見て、拳を強く握るロイドとクラトスも楽しいのですが。
[0回]
気まぐれに弦を弾くと通りがかる人々が足を止める。
なんの心も籠もっていない爪弾かれる旋律。
リュートは苦手だった。
幼き頃から共にしてきた横笛の方が遙かに自分の気持ちに応えてくれる。
街の中央に位置する噴水に腰掛けていると不意に影ができて陽の光を遮った。
「アトラス、なーにやってんだ?」
不思議なほど人の心にすんなりと入り込む笑顔を浮かべたロイドが立っていた。
「クラトスが心配してたぜ? ……アイツも人のこと心配するんだな」
「クラトスもま一応人だからね」
ロイドらしい言い方にアトラスは思わず笑いを浮かべた。
空を見上げれば気づけば太陽は傾きはじめ、街は夕食前の買い物客が歩いていた。
青空は茜色へと染まり、心の隅に物悲しい思いを運び込む。
不意にアトラスの前に堅いグローブに包まれた手が出された。
「行こうアトラス。今日は久々に誰も料理をしなくても飯がでてくるから楽だよな!」
「確かに最近はロイドが頑張るからガルドがよく貯まる」
「うるさいな!」
旅のはじめはガルドがそれほどなかったために素泊まりの宿を選んでいたために食事は自分たちで用意していた。
半分本気で怒っているらしいロイドを見てアトラスは目を細めて笑った。
この旅を初めて彼はかなり成長をした。はじめに比べれば、ではあるが。
ふと手の中にあるリュートをみた。
この腕も昔に比べれば一歩と言わず半歩は前進しているかもしれない。
そう思うとアトラス口元に笑みを浮かべた。
「ロイド」
「ん?」
「……精霊の契約に名前がでてきたミトスはどういう意味だと思う?」
「オレに難しいこと聞いてもダメだぞ」
彼は困ったように笑うと真剣に考え始めた。がすぐに諦めてしまった。
「特に今は、なんともなー。世界再生が先だろ?」
「……そうだね」
まだ、彼はこの先がどうなるか知らない。
見えない何かに不条理に押さえつけられた何かを知らない。
それを知った時彼は、カレはどうするのだろうか。
(不思議な言葉でいくつかのお題)
うまくいけませんでした。
[0回]