※本編にはまだ登場してこない、ラシュディの兄ががっつり出てきます。
むしろ兄の独白です。
ネタバレ(なるべくしないようにしますが)、オリキャラが大丈夫な方のみどうぞ
レウィン・フォルツォーネ。
それが自分の名前である。
やたら歴史の長いフォルツォーネ家でも珍しい金髪と、緑の目を持っている。父はフォルツォーネ特有の容姿だが、自分は母に似たらしい。気に入っているので大した支障はない。ただ跡目を継げないだけだが、自分には関係のない話だから今は脇に置いておくとする。
自分にはだいぶ年の離れた妹がいる。というかできた。
もう4歳になるが、誰にも物怖じせずに話す姿は父上に似たのか母上に似たのか。
妹はラシュディという。古代イスパニア語ではとても優しい印象を与える意味を持つ名だが、ぴったりだと思う。妹はフォルツォーネだと如実に表す容姿をしている。
まだ4歳だというのにラシュディは音素でよく遊んでいる。どうやら第七音素の扱いにも長けていて、他の音素も使えるらしい。譜術が苦手な自分には羨ましいことだ。
幼い故か、幼いながらと言うべきかは判断に迷うが音素の扱い方の発想には独創性豊かで、大人も目を瞠るものがある。
私にとても懐いてくれていて、妹だということを差し引いても嬉しく思う。グランコクマの海を移しとったようにきらきらと輝く目で頼まれると嫌と言えないのは、どうしようもないと思う。
父上はウォルト・フォルツォーネ。如何にも、『フォルツォーネ』と言わんばかりの容姿と中身を伴っている。
やはり音素の扱いに長けていて、特に第二(シルフ)第三(ウンディーネ)第七(ローレライ)は突出している。ラシュディの音素に恵まれた素質は父上譲りだろう。母上も結婚して退役するまでは譜術士として一戦で働いていたと聞くことから、それを譲り受けたのだろう。
軍人一族というわけでもないのに、何故フォルツォーネ家を継ぐ歴々は義務に駆られたように軍役に就くのかは自分には分からない。
古くから続く貴族であり、マルクトのあちこちに領地を持っている。が、特に荒稼ぎしているわけでもなく堅実に土地を育んでいた。
ただ確かなのは、護りたい何かが軍内部にあるのだろうということ。
それが矜持
なのか、物なのか人なのかは自分には分からない。
とりあえずは、現時点でフォルツォーネを継ぐ可能性があるラシュディには軍属になって欲しくないというのか一番だ。
***
お兄ちゃんの若い頃のイメージが固まりません。
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