※戦国BASARAの現代パラレル設定
夢というより家族夢?
真田家長男:佐助(20)
真田家長女:デフォルト名麻都(15)
真田家次男:幸村(5)
そんな設定です。
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真田さん家
常日頃は真田家の家事を一手に引き受けているのは麻都である。洗濯物を干し、掃除をこなし、食事の準備から洗い物まで。
兄・佐助が高校生の時は彼と一緒に帰宅して家事を分担していた。けれど佐助が大学生になってからは平日の家事を麻都が担うようになっていた。
朝は大体が早く帰りも遅いのでそれならば自分がやるといって引き受けだしたのだ。
勿論佐助が早く帰宅した際や、遅く帰ってきた時も手伝うのだが、やはり昔と違い麻都に負担が偏っているのは否めない。
そのこともあり、休日はまるまる一日自分が家事を変わろうと言い出し、気づけば平日は麻都。休日は佐助が家事を担当することになっていた。
「ねぇ麻ちゃん」
「ん?」
「お休みの日くらいお寝坊さんしてもいいんだよ?」
佐助の言葉にへらりと笑うと麻都は作業に戻った。
「あねうえ! つぎはどうするのでござるか?」
「ん、次はね今丸めた奴をくるくるって手のひらの中で転がすの」
「む、むむむ……」
言われ見せられた通りに手を動かしているのだが、見本通りにできなくて幸村の眉間にしわが寄る。それを見て笑うと麻都は幸村の手の上から己の手を重ねて、
「こうやって回すの。手から力は抜いてね」
「おおーっ! すごいでござるあねうえ!!」
「じゃあもういっこやってみよっか」
「うむ!」
新しいタネを渡すと、今度は先ほどよりも上手な手つきになっているのを見て微笑が零れる。
「幸、なーに作ってんの?」
「あんぱんでござるよ」
「あんパン? ……麻ちゃんもいつの間にか多趣味になったんだね」
しみじみと呟く兄を軽く無視をしてすべてのタネを丸め終えた麻都は幸村の完成品を覗き込んだ。
「上手にできたね」
「まことにござるか!」
「うん。あとはねかせて焼くだけだから遊びに行ってもいいよ」
作り上げた物を集めて上に布をかけて幸村の視界から隠す。
途端に目を輝かせる弟は椅子から飛び降りると麻都の腕を掴んで引っ張る。
「ではあねうえ、こうえんにいかぬか?」
「うん?」
「もみじがよいからつれていくよいとおやかたさまにいわれたのでござるよ」
満面の笑みで腕を引く幸村につられそのまま居間を移動するが、傍で見ているはずの兄は止めようとしない。むしろ、
「麻ちゃん、このレシピみてやっとけばいいの?」
「そうでござる!」
何故か幸村が答えてしまい、そのまま行ってらっしゃいと声をかけられる。
「いってまいる!!」
「お昼には帰ってきなよー」
元気いっぱいに飛び出す次男と引っ張られる妹を見送った佐助は洗濯機のアラームに脱衣所へと向かう。
今日は一日自分が主夫なのだ。だから幸村の世話も佐助に任せて自分はどこかに遊びに行けばいいのに。気づけば妹は弟と共にいる。
たまには家族から解放されて好きなことをしてもらいたいのに、責任感の強い妹はそれができないのだろう。
「……幸もなぁ…」
佐助にも懐いているがやはりそれ以上に麻都に懐いているものだから。休みの日は遅くまで寝かせてやりたいのだが、構ってもらいたいが為に幸村が起こしてしまうのだ。
けれど、佐助を起こすより丁寧に起こすあたりは幼いながらに姉に気を使っているのかもしれない。
自分よりも遙かに幼い二人が背伸びをしているのが、心苦しく、愛おしくて。
「今日は俺様腕を振るっちゃおうかな~」
お腹を空かせて帰ってくる二人のためにお昼ご飯を作ろうか。しかしその前に洗濯物を干さなければ。
(不思議な言葉でいくつかのお題2)
調子に乗ってみた……。
ちまっこい幸村がかわいいです。書いていてすごく楽しい…。
幸村が乳幼児だったときのことは考えていません。両親は一応健在の設定なのでまだいたんですかね。
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