突然のカミングアウト。
仲間が騒然となる中、当事者の一人はただただ冷静だった。
「セフィアちゃんはビックリ! しねぇの?」
「え!?」
「いや、俺様にビックリしてほしい訳じゃなくてね…」
ビックリ、といわれても今更のことを今更のように驚くこともないだろう。と心の中で呟くが、それでは目の前の相手には伝わらないだろう。
「だって……」
「だって?」
「知ってたから」
「あーそっかぁ。知ってたのかぁ。んなら驚かなくて当然……はぃ?! 知ってた?!」
セフィア以上に驚いているゼロスをきょとんと見るとセフィアは言葉を付け足していく。
「シルヴァラントに居たときからなんとなくそうなんじゃないかなって思ってたから。やっぱりそうかぐらいにしか思わなかったかなぁ」
「何でクラトスが親父さんだって思ったんだ? 見た目からして不審に思わなかったの?」
追及するようなゼロスをちらりと見て考える。確かに父親にしては見た目は若すぎるが…。
朧気だった父の姿を思い浮かべる。優しく楽しく笑っていた母の姿。
「なんとなく…かな。お父さんかなぁって。記憶の中のお父さんも若かったのは覚えてたし。お母さんは、お父さんは若作りなのよって」
実際は若作りにも程があるが。ゼロスは賢明につっこむのをこらえた。
「……怒りはなかったのか?」
「うーん…。最初に会った日の夜。偶然うちに来たとき、お母さんに手を合わせてくれたの、だから……それだけでいい」
ふわりと満足そうに笑うセフィアを見てゼロスは胸の中にある消化しきれない思いを持て余すように小さく舌打ちをした。
(不思議な言葉でいくつかのお題2)
クラトスがお父さんだよって時あたり?
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