デフォルト名:木下風夏(このした ふうか)
風夏に幼なじみは二人いる。
同じ年の男の子で、性格は似ていないような似ているような。
双子という同じ日に生まれた兄弟であるその二人は、どこか普通の子供とは一線を引いているが、風夏には大切な幼なじみであることには変わりなかった。
「おーじさまー?」
黒い服を着こんだ大きな背中に呼び掛けると、相手はゆったりと振り返り辺りを見渡す。すぐさま物陰からひょっこりと姿を表す風夏に気付き、にっこりと笑うと風夏の視線に合わせて屈み込んだ。
「お、風夏ちゃんじゃないか。今日は一人か?」
「うん、雪と燐とは別に帰ったから」
「うーん、あいつらは何か今日も喧嘩してきたのか?」
風夏は少し考え込むように俯きがちに首を傾げる。
「おじさまは何も聞いてない?」
「ああ、燐なんか『クソジジイには関係ねー!』とか言ってな。雪男も黙りだ」
おじさんは悲しいねぇ、と泣き真似をしてみせる獅郎に風夏は更に難しそうに考え込むが、じっと獅郎を見上げた。
「おじさまは怒っちゃ駄目だからね?」
「ん? 何をだい?」
「燐がクソジジイって言ったのは怒ってもいいけど、喧嘩したことは怒っちゃ駄目だからね? 約束してくれたら、喧嘩のお話してあげる」
ムッと、難しい顔をしたまま風夏は右手を獅郎へと差し出して小指を突きつける。
その小さな小指に獅郎は指を絡ませてにっと笑みを浮かべて指を振る。
絡まった小指に風夏は同じようにニカッと笑うと、約束を交わす。
飯事のようなやり取りでも、風夏にとっては大切な『約束』の取り決めである。燐や雪男は最近はこの約束を交わしてくれないから、獅郎が快く交わしてくれたのも嬉しかった。
「おじさまも分かってると思うけど、燐がクラスの男の子と喧嘩したの。でもね、雪が嫌がらせされてたのをね、止めろって怒ってくれただけなの。そうしたら、相手の子が燐を突き飛ばしたの。だからね、燐はせーとーぼーえーなんだよ」
でもかじょうぼーえーかもね、と腕組をして難しい顔をする風夏に獅郎は優しい笑みを浮かべる。
慈しみの色が浮かぶ笑みと共にそっと風夏の頭を撫でながら獅郎は言葉を選ぶ。
「燐は雪男を守っただけだから怒るなってことでいいのかな?」
喧嘩っ早くて相手を重傷に追い込む燐だが、こうして燐の行いを肯定してくれる同年代の少女がいてくれるのはとても有り難いことである。
しかし獅郎の予想とは違い、風夏はキョトンとして首を振って否定を示した。
「違うよ?」
「え、違うのか?」
「うん、相手の子と燐と雪は私がもう怒ったから、おじさまは怒らないでねってこと」
ニコニコと事も無げに告げる風夏に思わず二の句が告げずに絶句してしまった獅郎だったが、そういえばこの子は木下家の娘だったと思い出す。
「喧嘩りょうせいばい!」
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使い回しで申し訳ないですが、夢喫茶より青エクの設定です。
奥村ツインズの同じ年の幼馴染み。
雪男と同じ年に祓魔師になります。
手騎士と詠唱騎士の称号持ちで手先はぶきっちょ。
スカートだろうと平気で回し蹴りをかます子。
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