デフォルト名:天河華織
ここまでそっくりな双子というのも見たことはないが、更に性格が正反対な双子もあまり見掛けたことがない。
そんなことを考えながら華織は恒例のように顔を出したSPRの事務所で出された紅茶を飲みながら目前に並ぶ二人を観察していた。
「で、今日は何をお聞きになりたいので?」
「いやだな、華織さん。分かってるんじゃないですか?」
「……」
にこにこと笑みを浮かべる双子の兄と無言で紙とペンを構える弟。
彼等とは、数奇な出会いを果たし縁が結ばれた。そして彼らは華織が悩む自己能力についての専門家である。対して彼等にとって華織は、興味深い対象であると共に、無下には出来ない相手であったりする。
双子の兄、ユージーンの命の恩人、と誰かは言っていたが、華織は自分一人ではユージーンを助けることは出来なかったことを重々承知しているため否定していることは公然の秘密である。
「貴女の能力は僕達のそれとは全く異なる」
「そして分類に当てはまらない、と」
分かっているじゃないかと言わんばかりの笑みは瓜二つで、こういうのを見ると、「ああ、双子なのだな」と華織はよく思う。
「で、今日は何をお話すれば?」
「貴女方が言うところの『時空跳躍』について、意見を伺いたい」
「まあ、僕達が経験できることはまずないとは思うけど。超常現象には変わりないし。出来たら聞きたい」
「お話しする分には構わないけど、言葉で表現するのは難しいけど……それでよければ」
華織の言葉に、双子はきらりと(片方がギラリとも音がしそうな)目を輝かせる。
今日は二人のストッパー役であるリンは外出中で不在。
華織の得た情報によると彼が戻るのは夕方過ぎ。現在時刻は正午である。
喉が乾いたとしても飲み物はいれさせてやろう、と拘束される時間を思い固く誓った。
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大変遅くなりました。
遙か×GHで双子でした。
まだ双子が出てくるところまで書いていないので、微妙かもしれませんが……。
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