あなたに委ねるわたしの命
※W主人公
デフォルト名:軍師=レフィル・サンディア
軍師幼なじみ傭兵=キリエ・ウェスティン
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ねえ、覚えてる? 私と約束したあの日のこと。
貴女は誰を犠牲にしなくても相手を降伏させる軍師に。
私は性別なんか気にさせない腕になり、立場の弱い人を守る槍の使い手に。
誓ったあの日は、とても青空とは言えない薄暗くて、褐色色に染まった朝焼けの空だった。
でも、私は今でも覚えているよ。
「エリウッド様、ヘクトル様は前衛にて後方部隊が遠方から崩した敵を確実に。キリエ、君は」
「お二人、並びに攪乱隊の援護ね」
言葉を遮り告げると帰ってきたのは優しい茜色の瞳が頷いていた。
その眸はすぐにそらされ、他の人たちへと指示を出しに行ったけれど二人の間ではそれで十分だった。
気合いを入れるように肩を回しているとエリウッドとヘクトルが並んで微妙な顔をしてキリエの元へと歩いてきた。
「どうかなさりましたか?」
将であろうと誰であろうと人は平等に使うかの軍師のやり方にまだ戸惑っているのだろうかと首を傾げそうになったが、キリエはすぐに心の中で首を振ってその考えを振りとばした。
この二人はその考えを受け入れ、理解し納得している。
では何が疑問なのだろうか。
「いや、なんつーか……」
「二人の間には我々には理解できない深いつながりがあるのかと思って」
その言葉では要領を得なかった。
きょとんとしているキリエで伝わっていないことを察した二人は顔を見合わせて苦笑を浮かべた。
「その…キリエは彼女が出す指示を理解していたようだったから」
「二人して軍師を目指してたのか?とか思ったんだ」
自分が軍師?それはとてもではないが無理な話だ。
「私は軍師なんて頭を使うことは無理ですよ。別に以心伝心というわけでもないですけど、あの場合は自分の立ち位置がそこだと思っただけです」
長年の経験からの想像が当たっただけのこと。
当たる時なんて滅多にない。
彼女の策は毎度変わる。
それは攻略のためだけではなくて、自陣を生かし勝つ策だからだ。
「私に彼女の策が読めることなんて滅多にないです」
だからこそ、預けられるのだ。
「エリウッド様、ヘクトル様。呼ばれていますよ?」
「あ、ああ。行こう、ヘクトル、キリエ」
「おう」
「はい」
目の前で翻る青のマントにあの日の空の色を重ね目を伏せる。
お互いいい主を持ったね。
(不思議な言葉でいくつかのお題2)
勢いで書いたのでいつも以上にオチなし意味なし意味不明です。
なるべくこのシリーズでは片っぽに焦点を当てるときはもう片方の名前は出さないように気をつけています。
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だけど、認識した?