TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。
感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。
[
1]
[
2]
[
3]
[
4]
[
5]
[
6]
[
7]
×[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ツイッターの鍵付アカウントできままに書いたSSSです。
「有馬隊長?」
そう問いかけるも、彼はぐっと帽子を深く被ってしまう。
ただでさえ表情から彼の考えを読み取るには深い観察が必要だというのに、顔を隠されてはと、反射的にそのつばに手を伸ばすと、
「……あまり、間近で覗き込まないでくれないか」
被せられた帽子はほんのりと暖かかった
***
「有馬隊長殿、お疲れ様です」
柔らかな声が聞こえる。この声を聞き慣れたのはいつの頃からだったのだろう。
いつの間にか日常へと溶け込む秋先の金木犀の香りのように、耳慣れた高すぎない静かな声を聞くと肩の力が抜けるようになったのもいつからか。
振り返れば目に入る翻る袴。
今はまだ、この距離で
[1回]
PR
デフォルト名なし
「精鋭分隊だ! 道を開けてくれ!」
厭な気が漂っていた路地の先から朗々と響く声。ふと足を止めて気付けばそちらへと進んでいた。
「はあぁっ!!」
一閃。煌めく白刃に気配は断ち消え、霧散していった。
流石精鋭分隊隊長殿だ。ざわめく民衆の声に既に淡々と部下に指示を出す彼に視線をやると、淡々とした顔ではあるが少し翳りがあるように見えるのは気のせいだろうか。けれど、常ならばきびきびと動くその手足に漲る活力がみえず、少し鈍っているようである。
もしや。思わず己の襟元を握ると懐に入れてある匂袋を思い出す。しかし、直接渡した処で受け取っては貰えぬだろう。
ふと、目の前を緑の外套を羽織った青年が通り過ぎる。
「あのっ」
気づけば反射的に呼び止めていた。青年ーー、精鋭分隊副隊長の片霧秋兵は立ち止まると柔和な笑みを浮かべて振り返る。
「はい、どうかされましたか?」
「あの、隊長さんにこれをお渡し下さい」
思わず匂袋を差し出す。困惑している気配は感じるのに微塵も表情には出さない彼に感心しながら言葉を続ける。
「懐にしまっていただく必要はありません。一時握っていただければ後は必ず燃やして下さい」
「燃やしてしまうのですか?」
「必ず。お願い致します」
深く頭を下げると踵を返した。
「どうした、秋兵」
「ああ、有馬。君にと頼まれまして」
狭い路地の先を見つめたいた秋兵はどこか楽し気で、けれど彼の言葉に不審な点を抱いた有馬は眉根を寄せる。有馬の知る片霧秋兵は、不用意に他人への贈り物は受け取らない筈であった。そんな彼から渡されたものを反射的に受け取る
掌にあるのは淡紅の匂袋。恐らく女性のものなのだろう。手にした瞬間から、ここ何日もの間抱えていた違和感が溶け込むように消えていく。思わず匂袋を握り締めれば溶け込むのが速まっていくようで。
「有馬? どうかしましたか?」
「いや、これを俺にと?」
匂袋は何故か、薄ぼけてみえた。
「ええ。可憐な乙女でした。あと、一握りした後は必ず燃やして欲しいと」
「何だと?」
手にしているものは匂袋だと分かっているのに何故かそのように視ることが敵わない他のものになっていた。
「ええ、必ず燃やして欲しいと。勿体ないですね」
美しい刺繍も入っていますし、と目を細める秋兵の目には視えないのだろうか。
強く握り締めると有馬は細い路地の先を見た。
「秋兵これを渡してきた相手の顔は覚えているな」
「ええ、勿論。見かけたら声かけを?」
頷く有馬を可笑しそうに見ると秋兵は固く頷く。拝命しました。からかう彼の声を背に有馬は部下に火元を持っているものがいないか探しに向かった。
ツイッターの鍵付きの夢専用アカウントで思い付きでポチポチうった散文をほんの少し手直し。
帝都の子でそこそこいい家?の娘さん。
家は代々軍に対して否定的な一家で、母親譲りの霊力が高い。
なんとなくの想像や行動で怨霊に効果抜群の御守りが出来たり結界擬きが張れたり。
軍は嫌いだけど、精鋭分隊にはちょっと好意的。
みたいな感じですが、デフォルト名も何も珍しく決まっていません。
~~子で辞典引いて決めたいものです。
何かオススメの名前があればぜひ。候補に⬅手抜き
[1回]
移り往く~
季節ネタ
デフォルト名:朔夜
吐息が白く煙り空へと消えていくのを見守ると、黄金色に輝く草原を見やる。
恒例になりつつある、季節の移り変わりの時の夫婦の散歩で豊葦原へと訪れていた。眼下に広がる一面の葦原に立ち竦む朔夜を見越してか、アシュヴィンと黒麒麟は彼女が動き出すまで待ち続けるのも恒例になっているようだった。
頬を刺すような痛みを覚える風の冷たさに肩を揺らすと、気遣うような気配を感じた。
己の身体を乗せて飛翔している黒麒麟の身体をそっと撫でて、気遣いの礼を伝える。応える様な気配に自然と相好を弛めると、朔夜の意識を引くように腰に回された腕に力が込められた。
「時期に冬だ。お前の好む時節は間もなく過ぎるな」
「毎年連れて来て下さってありがとうございます。……やはりこの時期はこの景色を見ないと落ち着かないみたいだわ」
幼い姫と姉姫と従者達と訪れていた息抜きの場所。忌み嫌われる御髪の色と同じ場所だと、鬼事や隠れあったりとした想い出。
その時の人々は二度と会うことが叶わないと知っていても。ーー知っているから、解っているからこそこの景色を見たくなってしまうのかもしれない。
「秋は、他にも美しい景色も、見るべきものもあるのよ?」
「ああ。紅に染まる山々や、熟した食い物。祭事や、他にもあるな。ここよりも美しい場所は山程あるだろう」
だがな。アシュヴィンはそう続けると、言葉なしに黒麒麟へと指示を出し、黒麒麟は音もなく高度を下げると蘆原へと近付いていく。触れることは叶うが降りることは叶わない高さへと。
「俺はお前が美しいと思うものを共に見たいと思うのだ。お前が、見たいと願うものを共に見たいのだ。そんな俺のいじらしい想いを邪魔立てする訳ではあるまい?」
***
大変、大変遅くなりましたがリクエストを頂いていた、移り往く季節を君との朔夜とアシュヴィンから季節ネタです。
秋の夕日を映す蘆原は本当に金色に輝いていて、一度肉眼で見てみたいものです。
[2回]
デフォルト名:天河 華織
三度に渡り、異世界を渡り、世界を救う龍神の神子の補助者を務めた。
重要ポジションとは正直思わなかったが、ただ重い荷を背負わされた親友や、同じ世界出身の子の助けになるならばと懸命にこなした。
同時にそれらは、自身と向き合うきっかけにもなり、更に様々な人と知り合いになるきっかけにもなったのだ。
―――……子
澄んだ鈴の音に華織は振り返る。しかし、そこには何もない。
「華織?」
「鈴の音……が」
それだけで望美には通じた。
悩むそぶりもなく、固い表情を浮かべるがすぐさま携帯電話を取り出し、ストラップを一つ外した。ストラップは彼女の手の中で首飾りへと姿を変える。
SPRのメンバーの何人かは驚きの眼差しでそのストラップを見つめるが、望美は華織の首にストラップをかけた。
「白龍の逆鱗。華織が持っていて」
「でも、これは私には使えな」
「いいから! 私には鈴の音は、龍神の声は聞こえなかった。なら、華織はまた喚ばれるかもしれない。大丈夫、これがあれば雑魚は倒せるから!」
「ああ、白龍の神子の力がかなり移っているから……」
――の神…子よ、我……子を……
身体に響くような声が染み入っていく。
同時に懐かしい感覚が指先へと渡っていく。二度と味わいたくないと思っていた浮遊感が華織を襲う。
華織の異変に、将臣や譲はいち早く気付き、そしてその異変が華織のみであることに顔を歪めて駆け寄る。
そんな中で、望美のみが冷静に華織の手を握りしめていた。
「華織さん?!」
「おい、なんで華織だけが喚ばれてるんだ?!」
「華織、華織なら絶対大丈夫だから」
「望美、大丈夫」
『諦めなければ、運命は斬り開いていける。だから決して諦めない』
望美と同時に同じ言葉を残すと、華織の姿はそこから消えた。
感覚が戻り、地に足がついたと認識した華織はゆっくりと瞼を開けた。
着物に身を包んだ人々。
しかし、見覚えがあるようで全くない景色は、どこかで見たことがあるようなものだった。
そして恒例ながら華織の服装は勝手に変化していて、降り立った時代に合わされたものだった。
「……磯の香りがする」
同時に何かよくない気と、嘆き、悲しみ等が澱んでいるようだった。
五行の流れも滞り、龍神の加護はなく、更に四神の加護も感じられない。
――神子
一歩踏み出すと同時に、脳裏に言葉が響く。それは悲鳴のようで、嘆きであった。
その悲鳴は、華織を喚んでいるように感じ、気づけば華織の足は勝手に走り出していた。
足を進めれば進めるほど強くなる、水の気と陰の気。それと同時に華織の身体に感じる繋がりの温かさ。
この世界に降り立った時から分かってはいた。けれど、分かりたくはなかったから目をそらしていたのだ。
――――ワガミコ……
「玄武に呪詛……?!」
空に浮かぶのは、北天の守護を司る四神、玄武。その姿は禍々しく、邪気を孕み神と呼ぶに相応しい姿には見えなかった。
「攘夷を決行する我ら長州藩士の意志の堅さ、とくとその目で見るがいい」
黒髪で長身の男が、不敵な笑みを浮かべて長い腕を持ち上げた。
その先には、外国人二人と、奇妙な出で立ちの三人組。
「行け、玄武!」
黒髪の男が玄武を使役しているようだった。
彼の命令と同時に華織には玄武の命令に抗う意思と、呪詛に従おうとする狂気が伝わってくる。
「さあ、玄武よ! 招かれざる者共に決して消えぬ恐怖を与えてやれ!」
ふざけるな! 叫ぼうと一歩踏み出すと同時に、指差されていた一人の少女が叫んだ。
「やめて! 玄武は人を攻撃したくないって言ってる。それに、この人たちだってさっき誤解と言っていたのにどうして聞き入れないの」
心底不思議である、とでも言いたげな表情に彼女に庇われていた外国人が驚いたような顔をした。
「あなた……」
「どうした、玄武。早く敵を蹴散らせ!」
「Don't you dare!」
少女に庇われていた外国人が前に出て腕をつきだすと、玄武の力が男との間でせめぎあった。
そこまでが華織にとっての限界だった。
「四方にて、北天守護せし聖獣玄武よ。我が声を聞き、我が意思を聞け。我は四神の意をこの身に受けし御統なり」
淀みなく言葉を紡ぐと、慣れ親しんだ感覚が華織の全身を満たし辺りには厳かな空気が漂う。けれど玄武へかけられた呪詛は強く、華織にはただ玄武の力を削ぐことしか敵わなかった。
「玄武よ我の声を聞け。我の意思を聞き届けよ」
突然現れた人間が玄武へと語りかける光景は奇妙なものだった。
力でせめぎあう二人の男は驚愕も露に華織を凝視するが、華織は常人離れした雰囲気を漂わせながらただ真っ直ぐに玄武を見つめていた。
「危ないっ!」
低めの男性声が聞こえるが、華織は構わずに玄武に意識を集中した。
「ーー玄武、戻れ」
力を奮うなとは言わず、華織は迷わずその言葉を選んだ。
五行に龍の力を殆ど感じない状態では玄武を力付くで押さえることは不可能であり、また華織もしたくはない。呪詛を祓うことも難しい。だから、札に押し込める。
目映い光が辺りに飛び散り、暫くの後、玄武の姿はそこから霧散した。
玄武の札の持ち主である男はその瞳に狂気を宿して華織を見た。眼力の鋭さに誰もが後ずさるだろう所を華織は、体に力が入らない状態でいながら口許に笑みを浮かべ彼を見返した。
「四神の力をくだらない人の争いには遣わせない。……なんとしても止める」
「華織さんは?!」
「喚ばれていっちゃった」
「ど、どこに?」
「異世界。華織はまた、四神の神子として呼ばれた」
「四神の神子?」
「でも、なら何で望美や俺達は喚ばれないんだ?」
「白龍が換わっていたみたいだった。私達の知っている白龍ではない龍神の声だったから、きっと白龍の神子も黒龍の神子も、八葉も代替わりしたんだよ」
「ということは」
「俺達の知る白龍は滅してしまったんですね」
「滅して代替わり?」
「私もよく分からないけど、神様も何かのせいで消えてしまうの。でも偉い神様の空席は駄目だから、また新しい神様が生まれるの。全く同じ外見をしていたりするけど全く違う神様がその座に座るって華織と白龍が言っていたよ」
「華織は三代の龍神を見ているからな、俺らよりも色々知ってるみたいだったけどな」
***
遙か×GHの子が遙か5へと行く話。
ゆき達の世界とは時間軸がずれていると楽しい。(私が)
[2回]
デフォルト名:朔夜
雪深く、風は凍てつくように冷たい。冬は深く、空気は澄んでいた。
朔夜は両手に息を吹きかけて体をぎゅっと縮こませて、堅庭から空を見上げた。
薄闇色の空からは、羽毛のような白い雪が降り注がれていた。手のひらに乗せると、儚い六花はじわりと朔夜の手のひらの温もりによって水へと姿を消していった。
する筈のない、雪が降る音が聞こえる。深々と降る雪をじっと見ているだけで、厳かな管弦を聞いているような面持ちになる。
そっと瞼を下ろすと、全ての光景が閉ざされ、感じるのは風や空気の冷たさと、雪の降る音風の吹く音。
そして、一定の速度で響く誰かの足音。
その音は聞きなれたものであり、朔夜にとっては安心をもたらす音。
朔夜の後ろで止まった音に、自然と柔和な笑みが浮かんでいく。
「妹背の君は、俺に探させるのが好きなようだな」
深い慈しみが混じりで安堵が入った声音と共に、ふわりとあたたかな腕が朔夜に回される。
そのまま静かにアシュヴィンの腕に包みこまれ、頭を彼の肩に乗せる形を取られる。
「アシュ」
「見事な雪夜だな。常世で見慣れたものでも、豊葦原で眺めるとまた違う景色に見える」
「ええ。綺麗でしょう?」
「ああ。……見させて差し上げたいものだな」
回された腕の力がぐっと増した。
彼の言葉の中に込められた様々な想いを感じた朔夜は言葉を紡ぐのはやめて、ただ彼の腕に手を乗せて抱え込む。
厚手の布越しに体温を感じることは難しい筈なのに、布越しに彼の体温を感じる気がした。
「二ノ姫に聞いたのだが」
「何を?」
「今宵は大切な者と過ごす日らしい。一体どこの国の風習かは分からんが、よいものだと思ってな」
「アシュヴィン……」
肩に乗せた頭を傾げて夫の顔を見上げようとするが、それより先に彼の手で朔夜は眼を覆われる。いつの間に外したのか、瞼越しに感じるのは彼の素手の皮の堅さと、冷えた体温だった。
「今宵から昼にかけて、共に過ごそうと思った。なのにお前は室にいない。どれだけ方々を探しまわったと思う」
「あら、最初からここに来たのでしょう?」
「……まあ、そうだがな。だが、何故朔夜はここに居たのだ」
「そうね。理由なんて特にはないけれど……。静かな雪を見上げたいと思ったのかしら」
目を覆う手をそっと外すように促すと、しぶしぶといった様子で片手は外された。しかし、朔夜を抱え込む腕はそのままであった。
「雪見には付き合う故、妹背の君には後で俺の我儘を聞いてもらおうか」
「無理難題でなければ、お付き合い致しますよ。背の君」
「フ……。ならば、暫しこのまま雪見でもしようか」
二人見上げた闇空からは白い六花が静かに振り続けていた。
**
この二人のシュチュエーションは、アシュが後ろから抱え込むように抱きかかえているのが好きです。
急ごしらえ感満載のクリスマス夢です。書きあげられたら順次上げて行きますが、タイムリミットは当たり前ながら25日なので、これしかできないかもしれません
[1回]