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小ネタ日記

TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。 感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。

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schittament ED後

ラストバトル後~エピローグ前の間の時期に当たります。
ネタバレOKの方のみどうぞ。

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つづきをよむ

ローレライ教団 譲れないもの

それは、最後の意地なのだろうか



「…今、なんて言った……?」

驚きに見開かれた眼から反らさずに彼は真剣な表情を変えない。だから嘘だとは想わない。だが信じられない

「…今っ! なんて言ったの!?教えなさいよ!!」
「言葉の通りさアディシェス。僕は12歳までしか生きられない。ユリアの預言にそう詠まれているんだ」
「預言なんて、ただの地図じゃない!」

激情に揉まれてアディシェスは眼の前の彼の胸倉を掴んだ
自分よりも5つ下の彼は幼いながらに聡い。だが、それ故に脆い

「話はまだ終わってないよアディシェス」

特別な術を使う為に鍛えられた彼の腕で無理矢理手をほどかれると彼は感情が読めない表情を浮かべて続けた

「秘預言には次の導師が生まれる時期が記されているけど僕はそこまで長生きができない」

アディシェスは彼の顔を見ていられなくなりそっと肩を抱き寄せた
彼はされるがままになっている

「そこで僕はアイツの策にのってやることにしたよ」
アイツ。彼が指している人物はすぐに思い浮かんだ
ヴァン・グランツと名乗っている爽やかな青年。だがあの顔は何を企んでいるのか分からない

「アイツの策…?」

彼は無理矢理アディシェスの体から少し離れ見上げた。その瞳に宿している色は分かりたくもない。思い切り眼を反らしたくなる

「僕のレプリカを作るのさ。出来のいいやつが導師をやればいい。これで後継ぎ問題も解決さ」
「別にマルクトじゃないでしょ」

導師は次代導師を教育し、育てる。確かにレプリカが彼の代わりを務めればいいのかもしれない。だが……


「ねえ、泣きたいなら泣きなさいよ」
「………」

瞳からは色がすっと消えた。まるで風に吹かれて蝋燭の火が消えるように
彼は満足したように微笑む


「アディシェスだけだな。…そんな風に何も言わなくても通じるのは……でも」

彼は今度は自分からアディシェスに抱きついた
何かの衝動に駆られたように強く。アディシェスは何も言わずに生命の伊吹の色をした彼の髪をそっと撫でた。やわらかい髪が指に絡み付く


「…でも僕は泣かないよ。僕は決めたんだ。泣くときは最期だと」
「…あっそう。それならせいぜい胡散臭い笑顔でも浮かべときなさいよ」

その言い方に彼は笑った

「アディシェス。約束してくれ」
「…何を?…言っておくけど無理なことはできないわよ」

彼はおかしそうに笑い、首を振った

「簡単なことさ。僕のレプリカを呼び捨てにするな」
「……は?」
「アディシェスに『イオン』と呼ばれるのは僕一人で充分だ」

勝ち誇ったような笑みを浮かべる彼にアディシェスは楽しそうに口角を吊り上げて笑い、頷いた

「分かりました『導師イオン様』」

途端に彼はむっとする

「…僕はイオンでいいって言っただろ」
「はいはいイオン」
「ハイは一回だろ」
「はい」




予告通り彼は12歳で静かにこの世を去った

表向きにはしばらく導師イオンは病気療養といって表舞台から姿を消した

すぐにアディシェスは同僚達と共に導師守護役を解任された
導師イオンが育てたアリエッタはずっと不安がっていたがアディシェスにはどうすることもできない

神託の盾騎士団の第五師団師団長に仮面をつけた人物が配属され、アディシェスも第五師団に配属された

それから間もなく、導師イオンが姿を現すようになった


心なしか穏やかになった彼を見て病気をすると人が代わるという噂が流れた


そんな噂が消えていったある日



「……すみません」


声をかけられたアディシェスは立ち止まった
振り向くと彼が立っていた

「何でしょうかイオン様」
「モースが何処に居るか知りませんか?」


『アディシェス、モースは何処に居るか知ってるか?』


「…いえ、存じ上げませんが」
「そうですか。ありがとう。…えーと、お名前をお聞きしてもよろしいですか?」
「構いませんよ。はじめましてイオン様。第五師団所属アディシェス=アスタロト響士であります」



『よろしくお願いします』そういって微笑んだ顔は彼の浮かべた満足した顔に似ていた


そのことに不覚にも涙が出そうになった




***


構想されたアッシュとシンクとディストをからかう為に生まれたヒロインです。でも何をどう間違えたのか被験者イオンと親しいです
そしていつのまにか元・導師守護役になっていました。何故?
被験者イオンは鬼畜だったんですよね?なんか独占欲強そうですよね?
そう思うのは私だけでしょうか?同士求む(笑)
生意気でも一人の前では素が出る。そんな風だったらいいなぁ…(願望)

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TOA アクゼリュス崩落

それは、生涯忘れることのできぬ光景であった




ティアは杖を掲げ、周囲を見渡した。全員が無事範囲内に集まるのを見届けるとそっと眼を伏せて精神を統一した

脳裏に思い浮かべるのは、この詩を遺した祖の込めた想い。それらをしっかりと描くと周囲から音が消えた

静かに、けれど大きく周囲の坑道内の曇った空気を吸い込む

そしてその唇に旋律をのせて詠う

轟音に負けぬが如く辺りに染み入るような力強い旋律に、大気に染み込んだ音素が反応し、全てから身を護る決して見えない壁が現れる

崩れゆくこの大地に、朗々とティアの美しいソプラノが響く

何度も何度も。皆を護るように想いを込めて……

辺りを見渡すとほんの数分前に踏み締めていた大地が壁の外を落ちて行く
このティアの詠(うた)う壁がなかったら……。それを想像することは容易く、そして今の状況に安堵した


それはとても長い時間だった気がした。だが実際にはほんの数分の出来事だった

気がつくとずっと感じていた浮遊感はなくなり、しっかりと安定感の悪い地面を踏み締めていた


改めて周囲を見渡すと、……そこは地獄であった



***


アクゼリュス崩落です。
ティアしか出てきませんね
詠うという字は本当は本当はこうは読みません
ですが『歌う』というよりは『詠じる』という感じなので敢えて無理矢理読みます

譜歌を詠うティアの姿がとても好きです

余談ですが旧約聖書に『クリフォト』というのが出てきてその中にアクゼリュスという言葉があるそうですが(かなり曖昧)『残酷』というらしいですね(セフィロトのマルクトは王国と訳すらしいです)
アビスは旧約聖書に出てくる世界観になぞらえていると聞いたのですが手元にないので確認のしようがないです…

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創世歴時代 オリジナル注意!

相互扶助に似ているのかも知れない



「ウィリス!」

呼ばれた女性は立ち止まって振り返った。先ほどウィリスの名を呼んだ者を待つ為だ

「ユリア、そんなに急がなくてもちゃんと待っているわよ」

走ってくる女性――ユリアを待つウィリスは苦笑した

走ってきた女性――ユリアは栗色の髪を手で直すと息を整えた。ウィリスはユリアが顔を上げるまで待っていた


「本当に行ってしまうの?」

顔を上げたユリアは寂しそうにウィリスの手を握り締めた。その手を固く握り返しながらウィリスは微笑んだ

「ええ。貴女が生きてこの国に根付くことを知ったのだもの……」
「そんなっ!折角会えたのにっ」
「ユリア…」

この女性は自分とは違い第七音素の扱いに長けていて、この惑星を救おうと力を尽くしてきた。だが彼女は惑星を救ったが自身も危険な目に合った。一時はもう二度会うことは叶わないとまで思った。けれど彼女の弟子が、彼女を陥れた彼が最後は彼女を救ったと聞く
だが結局自分は何もできなかったのだ。ウィリスはそう自嘲するとそっと手の力を抜いた。だがユリアは放そうとしないで固く、固く握る


「また、会いに来てくれるわよね?」

その言葉にウィリスは困ったように微笑んだ

「私には…貴女と会う資格はないわ」
「何故?貴女は私を待っていてくれた。苦しいときに支えてくれた。…それだけで私は嬉しかったわ」
「そんなこと…」

誰にでもできた。そう言おうとしたウィリスの言葉を遮るようにユリアは目くじらを立てて言った

「周りが私を特別な目で見る中、貴女……ウィリスだけが今までと同じ様に話して、扱ってくれたわ。そのことに私がどれだけ救われたか……」
「ユリア……」

「また、会いに来てくれるわよね?」


再度繰り返された問いにウィリスは、彼女の生まれ月である春を思わせる笑顔を浮かべた

「――…ええ。次は貴女の結婚式に会いましょう」
「っ! …もう!そういう貴女こそ『ウィリス・ラインハルト』から『ウィリス・フォルツォーネ』になってるんじゃないかしら?」
「多分、ユリア・フェンデになる方が早いと思うわよ」

そこで言葉を切ると二人は固く互いに手を握り合って笑った


「さよならは言わないわよ?」
「ええ。また会いましょう」



――…こうして。数年間、一人の学者を師として仰ぎ、共に学び合った二人はまた別れた。
…次の再会の約束をして…。

一人は生まれ故郷に。
一人は大国の街に。





***



やってしまいました(汗)
だっ、だって創世歴って魅力が一杯ですよっ
そしてまたオリジナルキャラが増えてしまいました…
『ウィリス・ラインハルト』
解る方は解るかも知れません…ラシュディさんのご先祖様です(やっちゃった)
彼女の設定もたんまりあります。といいますか作ってしまいました…
一応第七音素は使えますがそれよりも譜術士の方が才能あったみたいです
私の中のユリア様ってこんな感じ。おしとやか、でも活発。けれど常人扱いしてもらえないことに疎外感を感じていた…。
うーん。月並。
そのうちまた書くかもしれません(苦笑)

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schiettamente 連載ネタバレ?

「『ラシュディ・フォルツォーネ』殿。そう怒られては貴女の祖先が哀しまれますぞ?」
「…っ何故あなたが!?」
「ティアに聞かなかったのですかな?私たちは『ユリア・ジュエ』の子孫だということを」
「っ!だからですか……」
「ガイラルディア同様に貴女もこちらにつくと言うのなら、今なら出迎えよう。先祖の願いを聞き入れてな。秘預言にまで名を出す程ユリアは貴女の祖先の身を案じていたようだ」
「秘預言に名が……?」
「左様。私やルークの様に大きな事柄でもないのに、詠まれている。それほどまでに」
「――黙りなさいっ……!」
「おや」
「私たちは先祖の願いを聞き入れて今もこうして預言とは無縁な日々を送っているのです!今更先祖の…先祖の縁の方の願いをねじ曲げることは許しません!」
「ユリアの願いだと…?フッ、笑わせる。他人の貴方がたがどれだけ彼女の願いが解るというのですかな?」
「っ……」
「…まあいい。考えておかれることだ」



***


いつか書いてみたいエピソード
本編に導入されるかは未定
ただ一つ明らかなのはラシュディの名がどういう形かは明らかにされてはいないが秘預言に詠まれているということ

うーん…

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【アゲハ蝶】
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 └TOS旅仲間主人公
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 └TOSロイド姉主人公
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【傍系主】
 └TOA傍系王室主人公
 デフォルト名:ルニア・ディ・ジュライル

【十二国記】
 └雁州国王師右将軍
 デフォルト名:栴香寧

【遙かなる時空の中で3】
 └望美と幼馴染。not神子
 デフォルト名:天河華織

【明烏】
 └遙かなる時空の中で3・景時夢
 デフォルト名:篠崎曙

【彩雲国物語】
 └トリップ主
 デフォルト名:黄(瑠川)有紀

【コーセルテルの竜術士】
 └術資格を持つ元・旅人
 デフォルト名:セフィリア・エルバート
 愛称:セフィ

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 愛称:セレス

【まるマ・ギュンター】
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