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小ネタ日記

TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。 感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。

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ローレライ教団 それでも、やはり

いつものように、仕事を押し付けられてそしてイライラしながら仕事をこなす。
けれど、最近は今までの日常と少し違う。それは、あの真っ赤な髪をした彼が教団によりつかないので、からかう相手がいなくて退屈であるということ。神託の盾騎士団もここのところ、ヴァンが勝手に動かすので忙しい。

自分だけはアイツに屈するものか、一人そう意気込みながらペンを走らせていると、扉が無遠慮に開いた。ノックもなしに。

思わず、ギロリ。と睨みつけると、入ってきたのは己の嫌う上官であった。

「アディシェス。話がある」
「私はありません」
「いいから、こっちに来い」

机の前に立ち、手招きしてそのまま自分の机へと向かう上司の不条理さに腹が立ちながら、渋々と従う。
間に机を一つ挟みながら、アディシェスは憮然として上官――シンクを睨んだ。

「で、御用は?」
「僕はこれからいなくなる。だから、好きな部署に移動するといい」
「・・・・・・は?」

意味が分からず、そして聞きかえす。彼は仮面の下で笑ったようだった。

「よかったね。大嫌いな僕がいなくなるんだ。せいせいするだろ?」
「・・・・・・きちんと、フォニック言語喋ってくださいませんか?」
「言ってるじゃん。僕はヴァンの命でアイツラの船に進入する。そして一緒に地殻に落ちる」

そんな大切な計画のようなものの一部を自分なんぞに話していいのだろうか。アディシェスは真っ向からヴァンに食って掛かる、導師派でも詠師派でもない。

『せいせいするだろ?』

その言い草に腹が立った。その口調はまるで『彼』のようで、イライラしていたアディシェスの気に障った。常日頃からシンクの言動はアディシェスに喧嘩を売っているとしか考えられない態度で、それは絶対にヴァンの差し金だと思っている。
どこかで、紐のようなものが切れる音がしたと思った瞬間アディシェスは机を乗り出し、シンクの胸倉を掴んでいた。

「ふざけるなッ!!」

突然怒鳴られたシンクは、動じず、振り払うこともしない。されるがままになっている。頭にきているアディシェスは何も気にすることが出来ない。


「『アイツ』はッ、アイツは・・・!! あの子はっ、生きる運命が決まっていて、それに逆らうこともできなくてっ、それを受け入れることしかできなかった・・・!! アンタは、アンタはあの子とは違うでしょ!? なんで、なんでそんな自分を大事にしないのよ!!」
「・・・・・・」
「なんとかいいなさいよ! 劣化していようと、生きているでしょ!? 地に足つけて立っているじゃない!! あの子は最後の数ヶ月はそんなこともできなかったのよ・・!!!」
「・・・・・・」
「なんで・・・」

そこまで、何も考えず、ただ思い浮かぶことを怒鳴り、口にしていたがアディシェスはそこで区切り。手はそのままにそっと下を向いた。シンクはまだされるがままになっているが、その彼女の小さな呟きは彼の耳にも届いた。

「なんで・・・同じ名前を継いだ『イオン様』よりも『イオン』に似ているアンタが、そういう行動を取るのよ・・・。どうしてそんなところまで似ているのよ・・・。なんでそんな受動的なところまでそっくりなのよ・・・」

悔しくて唇をかみ締めると、シンクはそっとアディシェスの腕を取り外した。空気で彼が笑った気がした。


「アンタが僕を嫌う理由が分かったよ。でも、これは僕の仕事だ。アンタにどうこう言われる筋合いはない」
「・・・・・・」

アディシェスは机に片腕をついたまま、立ち上がって退室するシンクの足音を聞いた。

そもそも彼は何の為に戻ってきたのだろうか。
怒鳴ってしまい、気力を使い果たしたアディシェスは自分の席にもたれかかった。

不意に「彼」の最後の言葉を思い出した。




**

何が描きたいのかまとまりのないのはいつものことですが、これはいつも以上だなぁ・・・。

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ローレライ教団 その男は

それでも私にとっては彼だけ



「アディシェス」

低く通る声に己の名を呼ばれ、アディシェスは気だるそうに振り返った。
そこには予想通り、声の持ち主が立っていた。若いながらに教団の首席総長の位に着く男。

アディシェスは彼が嫌いだった。『彼』があのように世界を憎むようになったのは半分以上がこの男の進言。

「何でしょうか総長」
「アッシュを知らぬか」

瞬時にあの素直じゃない男を思い浮かべる。

「私は彼とは別の隊なので……」
「…では見掛け次第シンクと共に来る様に伝えてくれないか」
「分かりました」

用が終わったならこの男の元からすぐにでも離れたい。踵を返し、歩き始めるとまた名を呼ばれた。

「アディシェス」

足を止めるが振り返らない。

「導師が拐かされた。共に来るか」

拐かしたのはどちらだか。アディシェスはふっと口元に笑みが浮かぶのを感じた。
幽閉しておいて、助け出されただけではないか。最も幽閉したのは奏将だが。

ゆっくりと肩越しに振り返った。

「命とあらば、何なりと」

自分はもう守護者ではない。自分が護るべき人はもう、いない。




「アンタが導師を助けるなんてね」
「どう考えてもこれは救出ではなくて、誘拐だと思いますが?」

タルタロスを襲撃し、導師をセフィロトへと連れて行く。

「アンタ、導師のこと嫌いなんだろ?」

挑発するような彼の仮面越しの視線を真っ向から受け止める。

「別に? 私はむしろ………」

彼の仮面越しに彼を見る。彼は笑った。とても愉快そうに。

「そうだった。アンタは僕が嫌いなんだったね」

否定も肯定もせずにアディシェスは立ち去る。



自分にとって生涯命をかけてでも護りたいと思ったのは彼だけ。




**

纏まりが全くなくて読みにくくてすみません…(汗)
アディシェスさんはシンクが好きではないようです。
そしてヴァンは嫌いみたいです。

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schittament 闘技場にて

無事個人戦上級を勝ち抜いたジェイドは表彰の時に一旦引っ込んだ。そして再び姿を表すと彼は軍服ではない、異国情緒溢れた衣裳に身を包んでいた。

それを目にした一同は何故か一斉にラシュディを見た。

「…私は何も知りませんよ?」
「ジェイドってあんな服持ってたか?」
「どちらにしても大佐って基本的に何でも着こなすのかも?」
「あ、おいジェイド!」

ルークの声にまたも一斉に彼の視線の先を見た。

「…皆さんの行動が揃うと気持ち悪いですね」

肩をすくめて戻ってきたジェイドは先程のあの服を着たままであった。そのジェイドの服装を頭の先から足先までじっくり眺めた一同は首を傾げた。

「大佐。その服はどうされたんですか?」
「陛下からの贈り物ですよ。ティアも欲しいですか?」
「い、いりませんっ」

即答するティアを見て楽しそうに笑いながらジェイドは尚も首を傾げているラシュディを見た。

「ラシュディ? どうかなさいましたか?」
「…大佐、髪は結わないのですか?」
「はい?」

彼にしては珍しく呆気に取られた。ラシュディはつかつかと歩み寄るとジェイドの伸ばされた髪を手に取った。
さらさらと指の間を飴色の髪が流れる。

「あ、中佐ずる~い。あたしも交ぜてよ~」
「ちょっ、お二人とも?」
「大佐は黙ってて下さいね☆」

「スゲー、アニスがジェイドを黙らせたぜ」
「…後が恐いな」

傍観を続けると、アッという間にジェイドの髪は三編みにされていた。


「大佐、似合いますよ」
「……ラシュディ、少しずつ陛下に似てきましたね」

アニスと笑っていたラシュディを見てジェイドは眼鏡をそっと直しながらため息を吐いた。

「そうでしょうか…?」

ラシュディが首を傾げるとジェイドは再びそっと眼鏡を直した。

「ラシュディ様。ラシュディ・フォルツォーネ様。闘技個人戦、上級の準備が調いました。受付までお越しください」

アナウンスが流れ、ラシュディは忘れていたのか慌てて受付まで向かった。

「そういえば、ジェイドの衣裳チェンジで忘れてたけどラシュディも申し込んだんだったな」
「ラシュディの試合が見れるなんて滅多にないから見て勉強しようぜ、ルーク」

ガイの提案にルークは嬉しそうに頷いて観戦場への扉を潜った。
その後に続きながら、アニスは着替えずに一緒に歩くジェイドを見上げて首を傾げた。

「大佐ぁ、着替えないんですか?」
「いえ、ちょっとありまして」
「ふ~ん…?」



短剣で攻撃を受け止め、譜術を纏った長剣を相手に繰り出す。無駄のない動きで相手の懐に潜り込み攻撃を交わし、打ち込む。

相手が倒れるのを確認するとバックステップで下がる。

勝利宣言がなされ、ラシュディの勝利が確定する。

「……なんかホントにスゲーよ…」
「俺もまだまだだな…」
「『白銀の戦乙女』の名は伊達ではないのね…」
「なんですの?それは」
「あれ、ナタリアは知らないの? 中佐の通り名だよ。
戦場を舞う白銀の女。その者は奇抜な剣術を使い、仲間を癒し、敵を葬り去る。それはまさに戦場を駆ける戦乙女!」
「…ながいなー」

力説したアニスにルークは少し呆れた様子だ。

「あら、私もそう聞いたわ。あと『双剣のフォルツォーネ』というのも」
「ですがラシュディの髪はプラチナブロンドではないですけどね。本人もそうおっしゃってますし」

熱弁を奮い始めた一行を尻目にガイはミュウと二人で早々に決勝戦を終え、表彰されているラシュディを見ていた。彼女もジェイドと同じ様に着替えていた。だが残念なことに背中しか見えない。

いつもは高く結い上げている銀色の髪は高い位置で結ばれ背中へと流れている。
着ている服は軍服ではなく、見たことのない型で薄い藍色をしている。

表彰が終わり、戻ってきたラシュディはいつもと違う人間に見えた。


「はぅわ! 中佐、かっこいいですぅ~v」
「なんかすげーラシュディに似合ってるな!」

次々と賛辞の言葉を送られ、ラシュディは困ったように笑った。

「陛下はいつの間にここまで根回しをされたのでしょうか…?」

その問いが投げ掛けられたジェイドは肩をすくめておどけて見せた。

「なあ、ラシュディ。その服はどこの民族衣裳なんだい?」

ラシュディは不思議な形をしている袖を掴んでヒラヒラと見せた。

「これは…多分ホドで昔着られていた『着物』だと思います。男物ですね」
「多分その模様ですと、ホドの町を守った剣豪、とかいう方が着ていらした隊服でしょうね」
話がわからない面ヶは不思議そうに首を傾げた。それがわかったラシュディは苦笑いを浮かべた。

「陛下がその話を用いた物語がお好きなんです」

「へ、へぇ~………」

一行は苦笑するしかなかった。




**

露骨に名前を出すのはやめて遠回しにいってみました。浅黄色ですよねー。
陛下ってそういうところで悪ふざけすると思うので、ジェイドはカンフー(?)、ラシュディさんは着物です。実は直衣とか、白拍子とか、水干とかで迷いましたが……

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schittament やっぱりお約束

さすがにそこまで酷くない


彼の手元を見て『手出し禁止』とわかってはいても出さずにはいられなかった

予想通り、彼の手を握って止めると彼は欝陶しそうに振り返った

「あんだよ」
「いえ、何をなさるつもりですか?」
「何って……米を洗おうと」

そういうルークの手元には米が入った入れ物と、洗剤

思わず自分の頬がひきつる

「ルーク、お米を洗うのはお水だけで充分ですよ」
「あ?だって洗うんだろ?」
「洗うにもいろいろと種類があるんですよ」

そう言うと彼は納得したのか「ふーん」と言うと洗剤を元あった場所に戻した。それを見てほっと胸を撫で降ろす

「………」
「ルーク?」

呼びかけても彼は無言で汲み置きの水と米を見る
それを見てラシュディは自分の服の袖を捲くり、ルークのそれも同じ様にした

「っな、なんだよ突然!」
「ルークは料理が初めてなんですよね」
「っ………」
「知らないことはいけないことではありませんよ。これから少しずつ知っていきましょう?」

微笑むとルークは恥ずかしいのか、ぷいとそっぽを向くが小さく頷いた

その様子が幼い頃の弟の姿と重なって見えたラシュディはまた小さく笑った

「微力ながらお手伝いしますね」
「っ勝手にしろ」


そのあと、しばらくの間。ルークが料理当番の時にはラシュディが共に並んでいる姿が見られるようになった



~オマケ~


「ルークが、素直に人の言うことを聞いてる?!」
「ガイ、それってルークに失礼よ」
「ジェイド、ラシュディの料理の腕はどうなんでしょうか」
「『フ・ツ・ウ』ですよイオン様」



***



お約束の米を洗剤で洗おうとするルークです
絶対ナタリアとルークはやろうとすると思うんですよ
魚を見て「これは魚じゃない!」とかもいいそう
ラシュディさんの料理ネタは…前に書いた気がしますがどうでしっけ?

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schittament それはまるで海

それは焦がれていた色



そっと手を伸ばすと目の前の彼女は不思議そうに瞬いた

「どうかなさいましたか?」

それはいつもの、聞くと不思議と安らぐ彼女の声でやはり心地よい

じっとしていろ。と告げると彼女はそっと頷く
片手を伸ばして触れる頬は柔らかく、若い人間特有の弾力を感じる

親指で目元を撫でるとくすぐったいのか小さく笑って目を閉じた

化粧の色が全く見られない瞼が下りると、澄んだ瞳が隠れてしまった

「ラシュディ」

名を呼ぶと彼女は相手の目を見る。そうするとこの海を切り取ったかのように美しい、宝石のような青い双鉾が自分の眼を見る

青い瞳に自分の姿が映るのは至福の瞬間

「俺はラシュディの瞳が好きだ」

突然突拍子もないことを告げても彼女は柔らかく微笑む

「――ケテルブルクは雪がとても深いですからね」

そしてあの小憎たらしい幼なじみのように、言わなくても通じることが多い。そのことに満足して微笑むと彼女は続けた


「殿下。ここは水の都、グランコクマです。陛下が治めるこの国の、誰もが憧れる都です」

それを象徴するものは彼女の双眸の中に



***

ラシュディさんの短篇を思いつくと必ずといっていいほど陛下が現れます
そして今回の時間軸は即位前!なのでラシュディさんの上司はジェイドじゃないのでした~
陛下は殿下ですよ~その編のお話もそのうち書きたいです

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 デフォルト名:アディシェス・アスタロト

【アゲハ蝶】
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【一万企画】又は【企画主】
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 └TOA傍系王室主人公
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【十二国記】
 └雁州国王師右将軍
 デフォルト名:栴香寧

【遙かなる時空の中で3】
 └望美と幼馴染。not神子
 デフォルト名:天河華織

【明烏】
 └遙かなる時空の中で3・景時夢
 デフォルト名:篠崎曙

【彩雲国物語】
 └トリップ主
 デフォルト名:黄(瑠川)有紀

【コーセルテルの竜術士】
 └術資格を持つ元・旅人
 デフォルト名:セフィリア・エルバート
 愛称:セフィ

【まるマ・グウェン】
 └魔族
 デフォルト名:セレスティア・テリアーヌス
 愛称:セレス

【まるマ・ギュンター】
 └ハーフ、ヨザックの幼馴染
 デフォルト名:シャルロッテ・ティンダーリア
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【逆転裁判】
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