何気なく100のお題
076 背中越し(傍系主・ガイ)
「うーん、大ピンチ?」
「何で疑問系なんだい…」
ルークを迎えに行く途中のアラミス涌水道。ルニアとガイは魔物に囲まれていた。
ガイは剣を手に、ルニアは難刀を手に互いに背を向ける。
「多く片付けた方の」
「だから何で君はすぐにそうやって……!」
「ガイはすぐ怒る!」
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077 これに免じて(軍人主・ピオニー)
新しい上司の機嫌の良し悪しはまだ彼女にはわからないが、この人のならばわかる。
付き合いは長い方であるのだから。
だから、こんな方法では逃してもらえないことも知っているのだが……。
「殿下……」
「下手に出てもダメだ。今度という今度は許す気はゼロだ」
ブウサギの限定モノで見逃してください。
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078 面影(旅主・リーガル)
「……天使様、そんなにリーガル凝視しちゃってどうしたのよ」
「……いや、特にさしたる意味はない」
だが気になるのだろう。見られているリーガルは居心地が悪そうだった。
今にも前方のロイド達の塊に突っ込んでいきそうだ。そうしないのはプライドだろうか。
「そーいやぁ、リーガルの髪の色ってアトラスに似てんなぁ?」
「……神子、何が言いたい」
じっとリーガルを見ていたアトラスは少し寂しそうに笑った。
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079 爆弾(コーセルテル・マシェル)
セレスティアという人はマシェルに取って謎大き人である。と同時に何でも相談できて、便りになる姉のような人である。
「セレスさんって、カディオさんやミリュウ兄さんと前から知り合いだったんですか?」
それはマシェルが前から聞きたいことであった。
「うーん、どうだろう?」
しかしてセレスティアの反応は薄かった。本当にどうでもよさそうである。
その反応からマシェルはこれ以上尋ねていいのかわからなかった。
今新たに増えている竜術師達に過去を聞きにくいように昔からいるセレスティアにも聞かれたくない事があるはずなのである。
「そういえばセレスさん聞いてくださいよ」
「ん?」
「サータってば……」
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080 取りとめのない言葉(彩雲国・双花菖蒲+劉輝)
「黎深様を一言で表すと、ですか?」
聞き返すも三人は一様に頷いた。答えるのは必須らしい。
鳳珠ならば一言「家族」や「官吏の鏡」とでも言えるのだが……。
何故に黎深? と思わないでもないが有紀は真面目に考えてみた。
「……あ、ありました」
「どんなのだ?」
三人は揃って「天上天下唯我独尊」と失礼だが真実を思い浮かべた。
けれど、彼女の答えは全く違っていた。
有紀は楽しそうに笑うと言った。
「『かわいい』ですねー」
言いようのない沈黙がおりた。
「…有紀殿…。その、本気で?」
「え、だって一生懸命で可愛い方ですよね?」
「だ、第二の邵可なのだ」
「主上。邵可様には誰もなれませんよ?」
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あと少し!
[2回]
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