何気なく100のお題
081 無音空間(教団主・アリエッタ)
渇いた音が響いた。アディシェスが無表情にアリエッタの頬を叩いたのだ。
アニスは叩かれた訳ではないのに痛そうな顔をしていた。
「なん、なんでアディシェスは怒らないの?! イオン様、アニスのせいで、し、死んじゃったのに!!」
「…『イオン』はずっと前に、一人ぼっちで死んだのよ。でも『イオン様』はみんなに看取ってもらえたんでしょ」
その問い掛けはアニスやルークへと向けられていた。
「どう、どういうこと?アディシェス、どういうこと?!」
「あなたや私の知ってるイオンは病気が治癒することなく亡くなったのよアリエッタ。今まで『イオン』だとあなたが思っていた人は別の『イオン様』なの」
「……レプリカ、なの?」
アディシェスは空虚さを伴わせ、小さく顎を引いた。
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082 すれ違い(アゲハ蝶・サフィール)
「エミリア…」
「エミリア、ちょっといい」
サフィールが声をかけようとすると必ず邪魔が入る。それは主にはジェイドで、次にはピオニーやネフリーだ。
今日も声をかける前にジェイドが先を越していった。
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083 絵空事(軍人主・ジェイド)
それを言うと誰もが笑って取り合おうとしない。
だから正直に答えたラシュディは又も平然と笑われるのだろうと思っていた。
けれどいつまで経っても彼は最初と同じの姿勢のまま。
「……笑われないのですか」
「笑ってほしいのですか?」
「……いえ」
興味がないのだろうと思いはしても、否定されないことはとても嬉しいことなのだと心底思った。
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084 暇つぶし(企画主・クラトス)
暇である。
ならば暇は潰さなければいけない。
「それはわかるが……セフィア、落ち着きなさい」
「クラトスはじっとしててくれるよね?」
両手に鋭く光る物を持ち、セフィアは笑いながらクラトスに迫っていた。
迫られている方は冷汗ダラダラである。
「前からその髪の毛欝陶しくないのかなって思ってたんだ」
「……慣れればなんということはない」
「大丈夫。散髪の腕はダイク父さんが保障してくれるから!」
クラトスがダイクとお揃いの髪形になったかは二人以外誰も知らない。
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085 予想外(傍系主・ジェイド)
「こちらはわたくしの護衛のルニアですわ」
「はじめましてルニア・ジュライルです」
平然とお辞儀をすると一人ジェイドが目を細めた。
「ジュライル、といいますと王室傍流の?」
「よくご存知ですね、カーティス大佐」
「いえいえ。確か数年前に途絶えたと聞きましたが」
微笑みあうジェイドとルニアにガイとアニスの二人だけが怯えていた。
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あと少し!意外に傍系主の方がゲーム沿いを書きやすいのかも?
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