手に汗握るドキドキハラハラの裁判が終了した。給料査定を楽しみにしてくれたまえと言われた上司には申し訳ないが、検察側が負けてほっとしていた。
何よりも、昔よりもつっこみが激しくなった友人にお祝いの言葉を贈りたかった。
被告人と被告の弁護士は、控え室にいる。
稔莉は機嫌の悪い検事の横を素通りすると、そそくさと検察側の部屋を出た。
ノックもそこそこに扉を開けると、そこには久しぶりに会う気がする幼なじみが居た。
「成歩堂弁護士、勝訴おめでとうございます」
被告側控え室にいた全員の視線が稔莉に集まった。
「稔莉ちゃん! ありがとうね」
「いいえ、龍一君の鋭いつっこみがあったからよ」
「……やっぱり僕のはつっこみなのかな」
思っていたよりも彼に対してこの言葉はダメージが大きいようだ。
「なるほど君、知っている方?」
落ち着いた声にそちらを見れば、居るはずの被告人だった少女と同じ格好をした別人が居た。
思わず言葉を失うが、思い当たる節を見つけて我を取り戻した。
「そういえば、綾里さんでしたね。今は霊媒中ですか?」
被告のことを詳しく調べたときに気になったのでさらに詳しく調べたのだ。
今回の事件は、稔莉の幼なじみの成歩堂龍一の師匠である綾里千尋が何者かに他殺された。容疑者は、妹である綾里真宵であった。……当初は。
「あら、優秀な刑事さんですね」
「まだまだ新米ですが。申し遅れました、筒深稔莉といいます。刑事課の新米警官で、成歩堂君の幼なじみです」
「ご丁寧にありがとう。私は綾里千尋、弁護士です」
「綾里千尋さん……亡くなっても弁護士であり続けるなんて素敵です!」
「……驚いた。驚かないのね」
本当に驚いているらしい千尋に何故か成歩堂が焦る。
「彼女、変わってるんです」
「変わってるも何も霊媒されているのは亡くなった方なんだから、驚いてもしょうがないじゃない」
「いや、まあ…そうだけどさ」
反駁することができない成歩堂を見て、稔莉は彼に見えないように微笑んだ。
最終日である今日は彼にとっては絶体絶命のピンチだった。なんと弁護をしていた成歩堂が被告になってしまい、彼は自分で自分を弁護し、恐ろしいつっこみの数々で証人の嘘を暴き、自身の無罪と証人が真犯人であることを立証して見せた。
そのとき、成歩堂が無罪の判決を受けたとき稔莉は目頭が熱くなった。彼はやはり、何も変わっていないのだと。
「………」
「え?何か言った?」
「ううん、なんでもない」
言葉を耳にした千尋だけが優しく笑っていた。
(静寂の音)
実は逆転裁判ってかなり未来の話だったんですね。逆転、そしてサヨナラをクリアしてから知りましたよ。
今回のこれは逆転姉妹の終わりです。今居たまだキャラがつかめていないから箇条書きのメモ書きっぽいです
追記
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