※この小話はアビスのschittamentの主人公がまるマの世界に流れてしまったらという『もしも』話という作者のお遊び心で書かれています
お嫌いな方はそのまま違う小ネタをお楽しみ下さい
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怒られないことをそっと祈っておこう
扉を開けたらそこは別世界でした
ラシュディはその言葉がふっと過ぎった
大量の書類を受け取って自分の執務室の扉を開けると見知らぬ場所に出てしまった
目の前に広がるは全く見慣れぬ石造りの玉座の間
何かの謁見の最中であったのか、厳かな空気はラシュディの登場によって破られたらしい
冷静な男性二人の指示によってラシュディは瞬く間に兵によって囲まれてしまった
「ちょっ、ちょっと待てって!」
「陛下は少し黙っていてください」
その突然の行為に玉座の主が抗議をするかのように立ち上がるが傍らの男性によって座らされる。ラシュディは仕方無しに片手に書類を持ったままのなんとも不安定な体制で片手を上げた
濃い緑の服を来た男性がよく通る低い声で一言告げた
「……連れていけ」
よく統制が取れていますね。ラシュディは呑気にそんなことを思った
* *
「…そう言われましても私はマルクト帝国軍の者で、正真正銘オールドラントの人間です」
何度繰り返したか分からぬ言葉を紡ぎ、互いにため息が漏れると何故か苦笑してしまう
そんな時、美形ばかりの集団の中にまるで合わない黒の髪、黒の瞳、黒の服を纏った全身真っ黒な少年と、爽やかな笑顔を浮かべている茶髪の青年が入室して来た
途端にラシュディに質問を繰り返していた者達が立ち上がり少年に敬礼する
「楽にしていい」
「はっ」
少年ではなく青年が手で指示を出すと全員が元の位置に戻る
そして何故かラシュディの前に少年が座る
「はじめまして、俺は渋谷有利原宿不利…じゃなくて渋谷有利。有利が名前。お姉さんは?」
少年、有利は人懐こそうな笑みを浮かべた
「私はラシュディ・フォルツォーネです。ラシュディとお呼び下さい」
少年の傍らに立っていた青年は人好きしそうな爽やかな笑みを浮かべた。天然タラシのガイを思わせる
「私はコンラート・ウェラーです。早速ですが二、三お聞きしても?」
「…どうぞ」
何度話しても同じことと割り切りラシュディは微笑んだ
「失礼とは思いましたが、書類を拝見させていただきました。我々は全く見たことがない文字でした。陛下も見覚えがないと」
「陛下って呼ぶな、名付け親」
「すみません、ユーリ。あの文字は何と言うものですか?」
「フォニック文字です。世界の共通語ですが」
コンラートは有利を見、彼は首を横に振る
「軍属の様ですが、所属は?」
「マルクト帝国軍第三師団所属です。……私からも質問してもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「ここはオールドラントですか?国の名前は?」
「オールドラントではありません。国の名は通称眞魔国ですよ」
……陛下、大佐。どうやら私は異世界という場所にやってきてしまったようです
***
結論。詰め込みは良くない
まあ導入編ってことで許してください……。
あーまるマが好きです。グウェンが一番!
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