さすがにそこまで酷くない
彼の手元を見て『手出し禁止』とわかってはいても出さずにはいられなかった
予想通り、彼の手を握って止めると彼は欝陶しそうに振り返った
「あんだよ」
「いえ、何をなさるつもりですか?」
「何って……米を洗おうと」
そういうルークの手元には米が入った入れ物と、洗剤
思わず自分の頬がひきつる
「ルーク、お米を洗うのはお水だけで充分ですよ」
「あ?だって洗うんだろ?」
「洗うにもいろいろと種類があるんですよ」
そう言うと彼は納得したのか「ふーん」と言うと洗剤を元あった場所に戻した。それを見てほっと胸を撫で降ろす
「………」
「ルーク?」
呼びかけても彼は無言で汲み置きの水と米を見る
それを見てラシュディは自分の服の袖を捲くり、ルークのそれも同じ様にした
「っな、なんだよ突然!」
「ルークは料理が初めてなんですよね」
「っ………」
「知らないことはいけないことではありませんよ。これから少しずつ知っていきましょう?」
微笑むとルークは恥ずかしいのか、ぷいとそっぽを向くが小さく頷いた
その様子が幼い頃の弟の姿と重なって見えたラシュディはまた小さく笑った
「微力ながらお手伝いしますね」
「っ勝手にしろ」
そのあと、しばらくの間。ルークが料理当番の時にはラシュディが共に並んでいる姿が見られるようになった
~オマケ~
「ルークが、素直に人の言うことを聞いてる?!」
「ガイ、それってルークに失礼よ」
「ジェイド、ラシュディの料理の腕はどうなんでしょうか」
「『フ・ツ・ウ』ですよイオン様」
***
お約束の米を洗剤で洗おうとするルークです
絶対ナタリアとルークはやろうとすると思うんですよ
魚を見て「これは魚じゃない!」とかもいいそう
ラシュディさんの料理ネタは…前に書いた気がしますがどうでしっけ?
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