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小ネタ日記

TOS・TOA・彩雲国物語等の名前変換小説の小ネタを載せております。 感想・意見・質問ございましたら各記事のコメント、もしくはサイトにてどうぞ。

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うたプリ×ペンギン革命

デフォルト名:藤丸ゆりえ(ふじまる ゆりえ)




 幼い頃から見えた世界は、人が見る世界と少し違ったらしい。そのことにゆりえが気付いたのは、演劇好きな母に連れられてとある人物の演劇を見に行った時だった。


 何もないはずの空間に広がる光輝く羽根。輝いているのに辺りに影ができる様子はなく、その羽根の輝きは特殊なものなのだと気付くのに時間はかからなかった。


 会場を覆い尽くさんばかりの大きな羽根にゆりえは目を奪われたのだ。



 あの体験から街中を歩いていると、羽根が生えている人に出会うことはあまりなく、その羽根は一部の人にしか生えていないことを知った。そしてその羽根を見ているのは自分だけなのだということも知った。


 画面の中で光輝く羽根を持つ人は、居たり居なかったり。

 けれど次第にゆりえは確信する。あの羽根を持つものは『スター』になる素質を持つ人なのだと。

 そして羽根にも様々な種類があることも知るのだった。




 人や車が多く行き交う中、ゆりえは携帯電話を耳に当てて呼び出し音を聞きながら交差点に立つ巨大画面を眺めていた。

 画面の中には青い髪を元気よく跳ねさせながらくるくると踊り跳ねながら楽しそうに歌う少年。

 あまりテレビを見ないゆりえだが、彼だけは前から気になっていた。

 芸名は『HAYATO』
 バラエティーもこなすお茶の間のアイドルだが、歌も歌う。

 明るく、そして可愛らしい雰囲気を纏う少年のファンは多い。


 ゆりえは、しかし彼とどこか似ている少年を知っていた。
 母に似て演劇好きを受け継ぎ、何ヵ月に一度だけ自分のごほうびに見に行っていた舞台に立っていた少年。まだまだ荒削りだったが、彼にはゆりえが惹かれる決定的な理由があった。

 まだ羽ばたく前の、光輝く羽が生えていたのだ。


 その少年の羽根はとても美しく、これからの成長に期待をする程のものだった。


 今画面で踊り歌う少年の羽根と酷似していた。


「でもHAYATOなんて名前だったかなぁ」
『お姉ちゃん?』
「あ、ゆかちん?」

 繋がった電話の相手の声に心が弾む。
 7つ年下の妹。藤丸ゆかりである。
 藤丸一家は父とゆりえと妹のゆかりの三人家族である。
 父親は昔から当たり外れの大きな事業に手を出しては成功と失敗を繰り返す人で、豪華な家に住んだり夜逃げをしたりということは何度も経験させてくれる人だった。

 ゆりえとゆかりは、そんな父に振り回される母を支えるために出来ることを精一杯したが、疲れきった母はある日家を出ていったまま帰ってこなかった。


 そんな愛すべき父を見本に育った二人の姉妹は安定した職業を夢に抱き、将来は公務員! を目標に日々を過ごしていた。

「元気?」
『うん、父さんは今の所は順調だよ』
「よかった。ゆかちんと父さんに会いに行こうと思ってて」

 携帯電話にかけて呼び出し音が鳴った時点で、父親の事業がまだ成功していることは分かっていた。しかし、妹の声で大丈夫だと言われると安心するのだ。


『本当? じゃあご馳走作らないとね』
「姉さんはゆかちんの卵焼きが食べたいな」
『はいはい』

 くすくすと笑う声が携帯越しに聞こえる。こんな些細なやり取りに幸福を感じる。

『ねえ、お姉ちゃん。仕事ってどんな仕事?』
「大丈夫だよ。父さんみたいに博打じゃないし、安定したお仕事です。事務職みたいなものだしね」
『でも、なんて言ったっけ……なんか変な仕事じゃないよね?』
「シャイニング事務所だよ、一年ずっとアルバイトさせて貰っていたし、社員の人達もいい人ばかりだし。何より頑張ればゆかちんの大学の費用を出してあげられるもの!」

 ぐっと拳を握りしめながら信号が変わった交差点に足を進める。電話の向こうで妹が唸っているのが聞こえる。
 ゆりえのことが心配だが、やはり心が揺らいでいるようだ。

 だが、自分がゆかりの立場だったら心配になる。
 元々姉妹揃ってメディアには疎く、芸能人の名前も顔も知らない。
 関心があるのは『羽根』が生えているか。


 ゆりえしか見ることが出来ないと思っていた羽根は妹のゆかりも見ることが出来るようになっていた。


「社員になったら、ゆかちんにもきちんと説明してあげる。だから今はお姉ちゃんを信じて、としか」
「おい、ゆりえ」

 交差点を渡りきり、待ち合わせ場所で通話を続けていれば、携帯電話をあてていない方の耳に低い囁きが聞こえてくる。
 慌てて振り返ると、そこにはサングラスと帽子を被った仕事場の大先輩である日向龍也が立っていた。

「あ、日向さん」
『お姉ちゃん?』
「あ、うん。ゆかちん、次の土日には帰るからね! 卵焼き忘れないでね!」
『はいはい。父さんと待ってるからね』
「ゆかちん愛してる!」
『はいはい。待ち合わせしてるんでしょ? また今度ね』
「うん。バイバイ」

 通話を終了し、携帯電話を鞄へとしまう。
 そのまま龍也へと向き直るとゆっくりと頭を下げる。

「お待たせしてすみませんでした。今日はありがとうございます」
「気にすんな。遅れてきたのはこっちだからな。電話、良かったのか?」
「はい。妹と父の安否確認なので」
「(安否確認?)そ、そうか。なら行くか。荷物は……」

 龍也はゆりえの足元に目をやるが、想像していたものが全くなく呆気にとられてゆりえの全身を凝視する。
 小さなリュックが一つ、大きめのキャリーバックが一つ。小さな肩掛けが一つ。ゆりえの荷物はそれで全てだった。

「残りは宅配にしたのか?」
「いえ、これで全てです。大荷物ですみません」

 羞じらったように笑うゆりえに調子が崩れるのか、龍也は首に手をあてて考えながらも片手を出す。
 大きくて優しい手をきょとんと見ていると、通じなかったことにため息を着いた彼は一言「リュック」とだけ加えた。
 言われたことの意味に気付いたゆりえは慌てて首と手を全力で振り、必要ないと訴えかける。

 しかし、龍也が凄みのある目で見つめ続けると降参したのか渋々リュックを下ろし龍也へと手渡した。

「すみません……」
「気にすんな。それにしても一人暮らししてたのにこんだけか?」
「はい。夜逃げするときは最低限しか持っていけないので、その癖から最小限の荷物しか持たない癖が……」
「夜逃げ?」
「あ」

 ゆりえの口から飛び出した言葉に驚きのあまり龍也の目が丸くなる。彼の反応から何気なく口にしてしまったことに気付き、ゆりえは口をてで押さえるが出てしまった言葉はもう戻らない。
 互いに互いの言葉を待つが、先にしびれを切らしたのは龍也の方だった。

「悪い。言わなくていい」
「あ、その……なんといいますか」
「とりあえず、どっかで飯食ってから寮に案内する。何食いたい?」
「え? 特に苦手なものは」
「んじゃ俺のオススメな。行くぞ」

 いつの間にかキャリーバックまで持たれていたことに気付いたゆりえは慌てて龍也の後を追いかけ、荷物をひとつずつ運ぶことを妥協させられた。

 安定した職業ということで公務員を目指していた自分が、一般企業。というには型破りなアイドル事務所ーーシャイニング事務所の社員になるとは思ってもいなかった。

 出会いは一年前。

 龍也の後を追いかけながら、ゆりえは振り返る。交差点の信号は歩行者が赤で、車道を車が走り抜けていく。足止めされている歩行者は、携帯電話を触るもの、同行者と話す者、広告塔を見上げる者とそれぞれに思うままに行動している。


 あの日、気晴らしに足を向けたCDショップでの出会いがゆりえの人生を変えた。

 雨上がりのあの日。



***


うたプリ×ペンギン革命って面白いんじゃないかな。と思ったが最後。
アクセル全開で書き留め続け、導入編を書いてみました。龍也さんが贔屓なのは私の趣味です!!

ペンギン革命を知らない人でも、うたプリを知らない人でも楽しんでもらえるように書きたいです。

拍手[8回]

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期間限定企画 『思いもよらない横槍に』青空の下で

『もしも君と』

デフォルト名:黄有紀




 隣にいるのが当たり前だと思っていた。


 とある話を聞くまでは。あの穏やかな笑みをそばで見るのは当たり前であり、それは決して揺るがないことなのだと。
 当たり前のように信じていた。

 絳攸は耳を疑いつつ、情報をもたらした腐れ縁を睨み付けた。

「有紀が見合い?」
「おや、絳攸。君が知らないのかい? なんでもとある勇気ある命知らずが黄尚書にお願いに行って、その場にいた黄家の誰かの口添えもあって今度の休みに実現するって噂だよ」

 睨み付けられたことなど気にしない腐れ縁こと藍楸瑛はぺらぺらと澱みがない口調で仕入れた話を披露していく。
 見合いを申し込んだ勇気と無謀を履き違えた青年の評価を華し続ける楸瑛を気にも止めず仕事を続けていたつもりでいた絳攸だったが、真剣に聞き入っていた劉輝がぽつりと溢した一言に手を止めた。

「有紀が結婚してしまったら余は有紀とは会えなくなるのだな……。寂しいのだ」
「……主上、今何て言いました?」
「ん? だから有紀が結婚してしまったら余はもう有紀とは会えなくなるのだなと……絳攸?」

 驚いたように手を止めたままの絳攸を劉輝は訝しげな目で見るが、楸瑛は何かに気付いたように楽しげに顔を歪めると、したりげに何度も頷く。

「ははーん、絳攸。君、有紀殿とはいつまででも幼馴染みで居られると思っていたのかい?」
「有紀と絳攸はずっと幼馴染みでいるのだろう?」
「違いますよ、主上。絳攸は有紀殿が結婚されることを全く考えていなかったのですよ。だから、有紀殿が結婚されると今のように気軽に会えないことを考えていなかった」

 違うかい? としたり顔で絳攸を揶揄するかのような楸瑛の発言は、しかしながら本人には届いていなかった。





 その日の絳攸は道を間違えることなく仕事を終え帰路についていたが、吏部ではついにこの世の終わりが来るのだと大騒ぎになり、戸部では尚書の機嫌の悪さが最高潮に達した為か倒れる官吏が続出したということについぞ気付かずに帰宅した。

 心ここにあらずといった風な絳攸が意識をはっきりとさせたのは、邸にいるはずのなかった人物だった。


「おかえり、絳攸」
「ゆ、百合様?! いつお帰りに…! あ、黎深様はこのことを」

 驚きのあまり動揺を露にする息子にくすりと笑みを浮かべながら、百合はその手を取って部屋へと誘う。
 手のひらに収まる大きさだった小さな手が、百合の手ではおさまらない程大きくなったことに嬉しさと寂しさを覚えながら、急遽貴陽に駆けつけた理由を話始める。

「黎深から早馬が来てね、時間差で玖琅からも来たんだけどね」

 実は邵可からも文が届き、それが一番事情把握がしやすかったとは言わない。
 百合は振り返り、絳攸の肩をがしりと掴むと天井に向かって叫んだ。

「有紀ちゃんがお見合いするって言うじゃないの! しかも次の休日! こうしちゃいられないわ!」
「え、そんな理由で帰ってこられたんですか?!」

 しかも玖琅も同じ内容で早馬を出したというのだろうか。
 絳攸の疑問が顔に表れていたのか、果たして愚問だったのか百合は握りしめた絳攸の肩をガタガタと揺さぶった。

「何言ってるの絳攸!有紀ちゃんは絳攸がお嫁さんに貰って、私の娘になるの!だから他の男に盗られちゃ駄目なのよ!」
「はい?!お、俺が嫁に……?!」

 驚愕に見開かれた瞳にびしりと人差し指を突きつけて百合は厳しい表情を浮かべる。子供を諭すかのような仕草は幼い頃よく黎深相手にしているのを見たことはあったが、まさか自分がされる時が来るとは思わなかった絳攸は更に驚きに固まる。

「何今更言ってるの。黎深と良好な舅嫁関係が築けるのは有紀ちゃんしかいないし、絳攸が平気な女の子は有紀ちゃんしかいないし、私も有紀ちゃんしか娘は厭だもの」

 玖琅が動く理由はそこか、絳攸は気付く。そして半分以上は、紅家の都合であることに落胆しかけたが、次の百合の言葉に完全に思考を停止させた。

「何より、絳攸が好きな人なんですもの。断然邪魔しないとね!大丈夫よ、安心して。黎深が動くと大惨事だから玖琅が動くことになったから」

 黎深が動こうと玖琅が動こうと対象にされた相手に取っては大惨事には変わりないのだと、いつもの絳攸ならば突っ込みを入れていた所だが、絳攸はこの時のやり取りを覚えていなかった。




***


大変遅くなりました。
リクエストを頂いてから半年以上……。いや、サイトのリクエストは年単位でお待たせしてしまっておりますが……。

生弦さまから頂いたリクエスト、『青空の下で』から『もしも君と』の『絳攸の自覚編』です。

傍にいるのが当たり前過ぎて、きっかけがないと自覚しないだろうなぁと思ってます。

ちなみにお見合いは鳳珠もぶち壊す気満々だったと思われます

拍手[20回]

青エク

デフォルト名:木下風夏(このした ふうか)



 風夏に幼なじみは二人いる。
 同じ年の男の子で、性格は似ていないような似ているような。

 双子という同じ日に生まれた兄弟であるその二人は、どこか普通の子供とは一線を引いているが、風夏には大切な幼なじみであることには変わりなかった。


「おーじさまー?」

 黒い服を着こんだ大きな背中に呼び掛けると、相手はゆったりと振り返り辺りを見渡す。すぐさま物陰からひょっこりと姿を表す風夏に気付き、にっこりと笑うと風夏の視線に合わせて屈み込んだ。

「お、風夏ちゃんじゃないか。今日は一人か?」
「うん、雪と燐とは別に帰ったから」
「うーん、あいつらは何か今日も喧嘩してきたのか?」

 風夏は少し考え込むように俯きがちに首を傾げる。

「おじさまは何も聞いてない?」
「ああ、燐なんか『クソジジイには関係ねー!』とか言ってな。雪男も黙りだ」

 おじさんは悲しいねぇ、と泣き真似をしてみせる獅郎に風夏は更に難しそうに考え込むが、じっと獅郎を見上げた。

「おじさまは怒っちゃ駄目だからね?」
「ん? 何をだい?」
「燐がクソジジイって言ったのは怒ってもいいけど、喧嘩したことは怒っちゃ駄目だからね? 約束してくれたら、喧嘩のお話してあげる」

 ムッと、難しい顔をしたまま風夏は右手を獅郎へと差し出して小指を突きつける。
 その小さな小指に獅郎は指を絡ませてにっと笑みを浮かべて指を振る。
 絡まった小指に風夏は同じようにニカッと笑うと、約束を交わす。

 飯事のようなやり取りでも、風夏にとっては大切な『約束』の取り決めである。燐や雪男は最近はこの約束を交わしてくれないから、獅郎が快く交わしてくれたのも嬉しかった。


「おじさまも分かってると思うけど、燐がクラスの男の子と喧嘩したの。でもね、雪が嫌がらせされてたのをね、止めろって怒ってくれただけなの。そうしたら、相手の子が燐を突き飛ばしたの。だからね、燐はせーとーぼーえーなんだよ」

 でもかじょうぼーえーかもね、と腕組をして難しい顔をする風夏に獅郎は優しい笑みを浮かべる。
 慈しみの色が浮かぶ笑みと共にそっと風夏の頭を撫でながら獅郎は言葉を選ぶ。

「燐は雪男を守っただけだから怒るなってことでいいのかな?」

 喧嘩っ早くて相手を重傷に追い込む燐だが、こうして燐の行いを肯定してくれる同年代の少女がいてくれるのはとても有り難いことである。
 しかし獅郎の予想とは違い、風夏はキョトンとして首を振って否定を示した。

「違うよ?」
「え、違うのか?」
「うん、相手の子と燐と雪は私がもう怒ったから、おじさまは怒らないでねってこと」

 ニコニコと事も無げに告げる風夏に思わず二の句が告げずに絶句してしまった獅郎だったが、そういえばこの子は木下家の娘だったと思い出す。


「喧嘩りょうせいばい!」



**


使い回しで申し訳ないですが、夢喫茶より青エクの設定です。

奥村ツインズの同じ年の幼馴染み。
雪男と同じ年に祓魔師になります。
手騎士と詠唱騎士の称号持ちで手先はぶきっちょ。

スカートだろうと平気で回し蹴りをかます子。

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遙か 友雅誕

デフォルト名:天河 華織






 見知らぬ世界で、気まぐれだとしても衣食住を保障してくれただけでなく、好奇心と興味を満たす手を貸してくれたことに感謝の意を。





 華織はその日に向けて、慣れない手仕事に勤しんでいた。日頃は、友雅の手が空いた日に琵琶や舞等の手解きを受けていたが、ここ数日は白龍の神子が物忌みだということもあり出所が続いていた。
 そんな中華織がいそいそと手仕事に精を出す理由は存在していた。じっとしているのが苦手な筈の華織が毎日朝から晩まで友雅まで秘密にしながら続ける理由を知っているのは、屋敷の女房たちだけである。





「あれ、友雅さん。今日はお休みですか?」

 無事完成した翌朝、間に合った喜びと達成感でほくほくとしていた華織は朝餉の席に友雅がいるのを見て、目を丸くした。同時に首を傾げる。
 そんな華織に扇で微笑を隠しながら、彼は着席を促した。

「ああ、今日は久しぶりに邸でゆっくりしようと思ってね」

 私がいるとなにか都合が悪いかな?
 目を細めて浮かべる妖艶な笑みに華織は目をそらす。勝手に赤くなる頬を誤魔化すようにぱたぱたと顔をあおぐ。


「今日は、友雅殿の誕生日と聞いたので」
「たんじょうび? ああ、誕生日かい?」

 どこか楽しげな友雅に、はて、と華織は疑問に思う。この時代は生まれた日を祝うという習慣はなかった気がしたのだが、異世界だからこそ存在するのだろうかと。
 そんな華織の疑問に気づいたのか、友雅は実はね、と昨夕の出来事を話始める。

「神子殿に生まれた日はいつかと聞かれてね、お教えしたらその日は誕生日というのだと教えて頂いたのだよ」
「成る程。なら私からの説明は不要ですね」
「で、私の生まれた日だと何かあるのかい?」
「私達の時代は生まれた日が来ると年を取ることになるのでおめでとうございますってお祝いするんです」



 友雅は華織に渡された刺繍の入った小さな手拭いを手に月を見上げる。
 さらりと上質な手触りは華織の為にと仕入れた絹。そこに秀麗な橘の花が咲いていた。花をそっと指で撫でれば、まるでそこに花が押してあるかのような質感がそこにはあった。

「どうして橘なのだい?」
「どうしてって……友雅殿、橘好きですよね」

 問われた華織が訝しげに答えると、意外な返答だったのか友雅は珍しく不意をつかれたような顔をして目を瞬いた。

「ああ、そうだね。とても」
「あかねちゃんからは何も貰わなかったのですか?」
「ああ、神子殿は今日を頂いたのだよ」
「今日? ……ああ、だから1日お休みされていたんですね」
「そう。……けれど、聞けば聞くほどに君達の世界は興味深い。退屈など、存在しないのだろうね」

 華織は答えを避けて、曖昧な微笑みを浮かべた。
 友雅がまさか、華織達の世界に興味を抱き始めたことなど気づきもせずにその日は終わりを迎えた。




**

偽物注意報ですね。

友雅さんお誕生日おめでとうございます!
友雅さんがいなかったら私は遙かに興味を抱かなかったと思います。

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期間限定企画 『物語の始まりを』遙か3×GH

デフォルト名:天河華織




 ここまでそっくりな双子というのも見たことはないが、更に性格が正反対な双子もあまり見掛けたことがない。

 そんなことを考えながら華織は恒例のように顔を出したSPRの事務所で出された紅茶を飲みながら目前に並ぶ二人を観察していた。

「で、今日は何をお聞きになりたいので?」
「いやだな、華織さん。分かってるんじゃないですか?」
「……」

 にこにこと笑みを浮かべる双子の兄と無言で紙とペンを構える弟。
 彼等とは、数奇な出会いを果たし縁が結ばれた。そして彼らは華織が悩む自己能力についての専門家である。対して彼等にとって華織は、興味深い対象であると共に、無下には出来ない相手であったりする。

 双子の兄、ユージーンの命の恩人、と誰かは言っていたが、華織は自分一人ではユージーンを助けることは出来なかったことを重々承知しているため否定していることは公然の秘密である。

「貴女の能力は僕達のそれとは全く異なる」
「そして分類に当てはまらない、と」

 分かっているじゃないかと言わんばかりの笑みは瓜二つで、こういうのを見ると、「ああ、双子なのだな」と華織はよく思う。

「で、今日は何をお話すれば?」
「貴女方が言うところの『時空跳躍』について、意見を伺いたい」
「まあ、僕達が経験できることはまずないとは思うけど。超常現象には変わりないし。出来たら聞きたい」
「お話しする分には構わないけど、言葉で表現するのは難しいけど……それでよければ」

 華織の言葉に、双子はきらりと(片方がギラリとも音がしそうな)目を輝かせる。
 今日は二人のストッパー役であるリンは外出中で不在。
 華織の得た情報によると彼が戻るのは夕方過ぎ。現在時刻は正午である。


 喉が乾いたとしても飲み物はいれさせてやろう、と拘束される時間を思い固く誓った。


**


大変遅くなりました。
遙か×GHで双子でした。

まだ双子が出てくるところまで書いていないので、微妙かもしれませんが……。

拍手[1回]

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【TOS・TOA・彩雲国物語・遙か・十二国記など】の名前変換小説の小ネタを載せております。
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【十二国記】
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【遙かなる時空の中で3】
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 デフォルト名:天河華織

【明烏】
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【彩雲国物語】
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 デフォルト名:黄(瑠川)有紀

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【まるマ・グウェン】
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【まるマ・ギュンター】
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